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【本気のガン対策】シニア男性の宿命?前立腺ガンの治療最前線

様々ながんがありますが、前立腺がんは男性特有のもの。
特に高齢化に伴って、罹患する人が増えているガンのひとつです。
いわば、シニア男性の宿命(?)ともいえる病気。

2014年には、男性で4位の罹患数だった前立腺がん。
前立腺がんの治療方法は日進月歩であり、最近では先進医療の「粒子線治療」も保険適用となり、数百万円だった手術代が数万円になる可能性もあります。

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今回は前立腺がんの治療の最前線を考えます。

シニア男性はリスクが高くなる

国立がん研究センターの調査によると、2016年にガンで死亡した人は372,986人(男性219,785人、女性153,201人)で、2014年に新たに診断されたガンは867,408例となっています。

男性の死亡数が多い部位は肺、胃、大腸、肝臓、膵臓と続き、女性は大腸、肺、膵臓、胃、乳房。

特に男性は年齢を重ねると、前立腺がんの罹患率が大きく上がることがわかっています。

そもそも前立腺がんとはどのような病気なのでしょうか?

前立腺とは?

前立腺がんについてお話する前に、前立腺の働き、ガンについてをお伝えしていきます。

前立腺とはそもそも、男性だけにある生殖器のひとつ
くるみほどの大きさで、膀胱の真下にあり、膀胱から出た尿道が中央を貫いているのが特徴です。
全面に恥骨、背面に直腸があり、肛門から指を入れることで直腸の壁越しに前立腺に触れることができるため、前立腺検査では直腸診が行われています。

前立腺の役割は、前立腺液を分泌すること。
前立腺液は精液の一部となり、精子にエネルギーや栄養を与え、守り、運動を助ける働きをし、卵子と受精しやすくする手助けをしています。

生殖機能において大切な役割がある臓器ですが、男性ホルモンを分泌しているわけではありません。
そのため、前立腺がなくなっても男性らしさがなくなることはないのです。

しかし、前立腺そのものの成長や活動には男性ホルモンがとても大切。
そのため、前立腺にガンができると男性ホルモンの影響を受けて成長してしまうのです。



ガンとは?

ご存知かと思いますが、ガンについても改めて解説いたします。

人間はすべて細胞からできています
この細胞は古い細胞から死滅する一方で、新たな細胞が常に生まれ、細胞の数が一定に保たれています。

ところが、この細胞が何らかの原因でうまく制御できなくなり、細胞が増え過ぎたり、死滅するべき細胞が死滅しなかったりすることで、組織の塊を作ってしまいます。

この組織の塊のことを「腫瘍」と呼ぶのです。

腫瘍は良性悪性があり、悪性のものは周囲の細胞を取り込み、増殖し、元の組織をどんどん壊していくため、さまざまな臓器などに影響を与え、生命を脅かすものとなっていきます。
こうした悪性腫瘍のことを「ガン」と呼ぶのです。

前立腺がんとは?

では、前立腺がんとは一体どのような状況なのでしょうか?

名前の通り、前立腺にできたがんのことを「前立腺がん」と呼びます。
前立腺がんも他のガンと同様に転移や再発することがあるため、早期発見・早期治療を開始することがとても大切です。

ガンが前立腺だけにとどまり、転移することがなければ手術や放射線治療といった治療を行うことで、10年生存率が80%以上と、高い確率で生存できるガンです。
離れた場所に転移していた場合は5年生存率が45%になるので、早期発見がとても大切なのです。

先ほどのデータからも分かる通り、前立腺がんは高齢になればなるほど罹患率が高くなり、ゆっくりゆっくり進行していく特徴があります。

高齢者の前立腺がんの25~50%は、進行がとてもゆっくりなので、治療をしなくとも、寿命に影響を及ぼさない場合があり、積極的に治療を行わないケースもあります。

他の原因で亡くなった患者を調べたところ、70代の2~3割、80代の3~4割本人が気がついていない前立腺がんがあった、という報告もあるほど。

こうした前立腺がんは、人種によって成長速度に差があることがすでにわかっています。
アジア人は欧米人よりも遅い傾向にあり、これは男性ホルモンが欧米人よりも少ないことが関係しているそう。



早期発見することで完治の可能性が高まる前立腺がん。
一方で、罹患していることに気がついていない人も多いそう。
早期発見して適切な治療を行いたいところですね。

次からは適切な治療法についてご紹介していきます。

適切な治療で高まる生存率

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定期的にがん検診を行っている方も多いでしょう。
まずは前立腺がんはどのように発見するのかについてご紹介いたします。

前立腺がんの見つけ方

前立腺がんを早期に発見する方法は、通常の血液検査で行える「PSA検査」
PSA値が基準値よりも高い場合、泌尿器科専門医のいる病院で精密検査を受ける必要があります。

精密検査では血液の再検査や「直腸診」で、前立腺の肥大しこりがないかどうかを調べます。

併せて超音波検査を行う場合もあり、超音波の映像でガンの有無を調べる場合もあります。

これらの検査を行い、「ガンかもしれない」と判断された場合は、「生体組織検査(生検)」を行い、前立腺の組織を詳しく調べ、もしガンが見つかった場合は、前立腺がんの「確定診断」となります。

前立腺がんだと確定したら?

生検で前立腺がんと確定した場合は、ガンの進行度を見るため、CTやMRI検査を行うのが一般的。
前立腺がんは骨に転移しやすいという特徴があるため、「骨シンチグラフィ」(骨の組織に集まる性質のある薬剤を体内に注射し骨の様子を撮影する検査)を使い、骨に転移がないかを調べます。

最近ではPER検査や、PET/CT検査でもわかるようになってきているので、身体への負担は少なくなってきています。

さまざまな検査によって進行度を判断していきます。
進行度は以下のように分類されます。

  • ステージA(偶発ガン)
    病理組織学的検索でたまたま見つかったガン
  • ステージB(限局ガン)
    早期がん。ガンが前立腺内部にとどまっている状態
  • ステージC(局所浸潤ガン)
    ガンが前立腺の外や精嚢に広がっている状態
  • ステージD
    リンパ節や骨などに全身転移が見られる状態

前立腺がんの治療とは?

ステージに応じて治療が施されていきます。

前立腺がんは、放射線療法手術療法ホルモン療法の3つが用いられます。
これらの使い分けはガンの広がり悪性度に応じてだそう。
1つだけの場合もあれば、2つを組み合わせた治療も行っていくケースも多いそうです。

ステージA・Bの場合は手術療法、放射線療法、ホルモン療法のいずれかか、それらを組み合わせたもの。
ステージCになると、放射線とホルモン療法を組み合わせた治療。
ステージDはホルモン療法が一般的な治療方法です。

最新の治療が保険適用に

日本円

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こうした治療は身体的、金銭的な負担が大きく、より短期間で治療が完了する「粒子線治療」はこれまで前立腺は保険適用外でした。
しかし、今では前立腺がんも保険適用となったのです。

粒子線治療とは放射線治療の一種。
重粒子線や陽子線と呼ばれる放射線を使用し、ガンを治療します。

この治療は従来自己負担で行われており、300万円ほどの費用が必要でした。
しかし、今年4月に健康保険の適用となり、安価で受けられる治療になりました。

従来の放射線治療と異なり、副作用が少なく、ガン病巣の形や位置(深さ)に合わせ、照射することができるため、正常な器官への影響を抑えることができます。

このように最新の治療法がどんどん増えてきていますので、ぜひ早めの検診を受けて、小さな異常も発見できるよう心がけたいところですね。



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コメント
  1. 私は平成12年に前立腺ガンと診断されました、既に腰椎に転移しており激痛で診察を受けた訳です。
    直ちに後方固定術の手術を受けました。幸いピンパ線には転移していなかったのでホルモン療法を
    今だに続けています、当時はまだPSA検査が私方の地域では確定していなかったので手遅れとなって
    しまいました。 早めのPSA検査をお勧めします。

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