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注意散漫が治らない、落ち着かない大人のADHDかもしれません

みなさんはADHDという言葉を聞いたことはありますか?

子どもが学校で注意散漫で病院に行くとADHDと診断されたなど、子どもだけが発病するものだと考える人が多いと思います。
しかし、大人になってからADHDと診断されるケースも多いようです。

ADHDとはどのような障がいで、どのような症状が発現するのでしょうか? 
本日はADHDについてご紹介します。

ADHDとはどんな病気?

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

まずはADHDとはどのようなものなのか、しっかりとみていきましょう。

ADHDは注意欠如、多動症を組み合わせた言葉で、不注意と多動・衝動性を主な特徴とする、発達障がいの概念のひとつです。ADHDを持つ子どもは家庭や学校生活などでさまざまな困難があるため、現在では早期に発見し、環境や行動に介入したり、薬を使った薬物療法が試みられています。ADHDは子どもの頃であれば、ある程度改善することができるという説もあり、人格形成の途中である子どもの心の発達を支援する上でも、治療は非常に重要なのです。

有病率

ADHDの有病率は報告によって差が大きいですが、一般的な学齢期の子どもの3〜7パーセント程度が有していると考えられています。ADHDを持つ子どもの脳は、前頭葉や線条体のドーパミン機能障がいがあるとされており、ADHDには遺伝的な要因も大きく関わっているそうです。
より詳しくADHDとは何なのか知りたい方は下の書籍を参考にしてみるのをお勧めします。

ADHDの症状と診断方法

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

ADHDの診断方法はアメリカ精神医学会(APA)のDSM-5(「精神疾患の診断・統計マニュアル 第5版」)に記述されていて、下記の条件が全て満たされたときにADHDと診断されます。

1.「不注意(活動に集中できない・気が散りやすい・物をなくしやすい・順序だてて活動に取り組めないなど)」と「多動ー衝動性(じっとしていられない・静かに遊べない・待つことが苦手で他人のじゃまをしてしまうなど)」が同程度の年齢の発達水準に比べてより頻繁に強く認められること

2.症状のいくつかが12歳以前より認められること

3.2つ以上の状況において(家庭、学校、職場、その他の活動中など)障害となっていること

4.発達に応じた対人関係や学業的・職業的な機能が障害されていること

5.その症状が、統合失調症、または他の精神病性障害の経過中に起こるものではなく、他の精神疾患ではうまく説明されないこと

上記の特徴を満たす必要がありますが、これらの特徴をすべて満たしていた人を想像してみると、今までの同級生や同僚などで、何人かは思い浮かぶのではないでしょうか?
現在のところ、ADHDの診断は診察で観察された行動上の特徴で行われています。ADHDだけをピンポイントで診断はまだできません。
また、一部の神経疾患や身体疾患、虐待、不安定な子育てといった環境要因でもADHDのような行動を取ったりするケースもあるので、きちんとした診断はなかなか難しいようです。

子どもADHDの治療

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

ADHDを持つ子どもは、親がいくらコントロールしようとしても、なかなか症状が改善することはありません。脳の障がいである、ともいわれており、本人の意図とは無関係に、唐突に動いてしまったり、持ち物をなくしたり、忘れたりしてしまうもの。一般的には失敗といわれるこれらの行動は、周りの人をイライラさせてしまうため、叱責されたりすることも多く、「自分はどれだけ頑張っても褒められない」「うまくいかない」という否定的なイメージを持ちがちになります。そのため、学校などでもADHDの子どもはとてもつらい思いをしているようです。

また、ADHDを持つ子どもは学業不振や対人関係で悩むだけでなく、気分が落ち込みやすかったり、不安感を覚えやすかったり、コントロールができなくなったり、といった心の症状を合併することも少なくありません。子どもが何らかの問題行動をしている場合、その背後にはADHDの特性があるかもしれませんが、いずれにしても、きちんと医師から診断を受けることで、一般的な問題行動を抑えたり、予防したりできるようになります。

ADHDを持つ子どもの治療法としては、環境へ介入する、行動へ介入する、薬物療法という3つが有効。これらは効果が高いと言われています。

環境へ介入は具体的に、教室での机の位置や掲示物などを工夫することで、子ども本人が集中しやすい環境を作るというもの。このほか、勉強などは10分〜15分程度の単位に区切って、集中が続くよう、時間的介入をする、というのも有効な手段と言えます。

行動への介入では、報酬を与えるのが良いと言われています。好ましい行動には報酬を与え、減らしたい行動には報酬を与えない、というもの。減らしたい行動に対して、叱責をするのは良くありませんが、報酬を減らす、という手段を用います。問題行動を抑制できるようになったり、好ましい行動の頻度が上がってきたりすると、即座に褒めることが非常に大切。報酬を得点化して、一定程度貯まったら特別な報酬を与えたり、行動をプレゼントする、といった手法がよく用いられます。
また、親もADHDに対して正確な知識を持たなければなりません。親子で参加できる「ペアレントトレーニング」も各地で開催されているので、積極的に参加したいところですね。
問題行動をする子どもには必ず理由があります。親や周囲の人も正しい知識を持って、しかるのではなく、報酬を与える、というカタチで正しく介入しましょう。

【子供のADHDに関する書籍の紹介】

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