急激な温度差が危険を招く 寒い季節の血圧管理
冬は血圧に注意
冬になると血圧は、夏に比べて上昇することが報告されています。これに伴い、12月から1月の冬場に、脳卒中や急性心筋梗塞の発症の増加することが知られています。
■冬に血圧が上がる理由
冬に血圧が上昇するのは、寒いところに出ると体内の熱を外に逃がさないように血管が収縮して細くなり、血液を送るために大きな力(血圧)が必要となるからです。また、冬は運動不足になって、体重が増加しやすい季節です。肥満になると、血管を収縮させるホルモンが増えて血管が細くなり、血圧が上昇することがわかっています。また、冬はお正月や新年会と外食の機会が増えて、塩分の摂取量が増えがちに。塩味の濃い食品をたくさん食べると、のどが渇いて水分をたくさんとります。その結果、体内の水分量が増えて、心臓から送り出される血液の量も増加。血管にかかる圧力が増大して、血圧が高くなります。

■温度差に注意
血圧が上がりやすいのは次のような場合です。
▶ 朝起きて布団から出たとき
▶ 入浴後に寒い室内や脱衣所に出たとき
▶ 暖かい部屋から寒い屋外に出たとき
▶ トイレで排泄するとき
温度差予防には?
冬場の高血圧対策として、一番に気をつけたいのは急激な温度差を避けることです。
▶ 布団から出る前に室内を暖める
▶ 脱衣所を暖め、浴室との温度差を少なくする
▶ 寒い屋外に出るときはしっかりと防寒対策をする
▶ トイレ内や便座を温めておく
■お風呂は要注意!
入浴時は、まず暖かい居間と脱衣所の温度差で血圧が上昇し、続いて熱い湯に入ることでさらに血圧が上がります。その後、しばらくお湯につかっていると血圧は低下しますが、浴槽から出て体を洗うとまた寒さのために上昇します。このように冬場の入浴は血圧が乱高下する条件がそろっているため、心筋梗塞、脳梗塞のリスクが高いとされます。対策として、脱衣所を暖めておくのはもちろん、浴槽のフタを開けて湯気で浴室も暖めておく、足元からかけ湯をして浴槽に入るなどの工夫を。また、お湯はぬるめの40℃程度に設定し、半身浴にして肩に乾いたタオルをかける、浴槽から出るときはゆっくり立ち上がるなどにも気をつけましょう。
■運動をするときは
高血圧対策には運動も欠かせません。ウオーキングなどの有酸素運動を、脈が少し速くなるくらいの強度で毎日30分以上行いましょう。30分を3回に分けてもかまいません。帽子、手袋、靴下などで体を温かくしてから外に出ると良いでしょう。
食生活にも気をつけて
麺類の汁を飲み干さない、酒のつまみに塩辛いものを選ばないなど、つねに減塩を意識。冬野菜はナトリウムを排出するカリウムが豊富です。かぶ、大根、カリフラワー、からし菜、菊の花、くわい、小松菜、春菊、人参、白菜、ねぎ、ブロッコリー、ほうれん草、芽キャベツなど、旬の野菜を多くとるように心がけてください。
■禁煙、飲酒、ストレスにも注意
タバコは動脈硬化を進めるので、血圧を下げるためには禁煙を。1日の飲酒量は、男性はビールなら500ml、日本酒なら1合程度を目安に。女性はその半分です。ストレスは交感神経を活発にして血管が収縮し、血圧上昇の原因に。ストレスの軽減に努めましょう。
140/90以上は高血圧!
上の血圧が140mmhg以上、下の血圧が90mmhg以上のどちらか一方が当てはまると高血圧と診断されます。ただし、この値は医療機関で測った診察室血圧の場合です。家で測った家庭血圧は上が135mmhg以上、下が85mmhg以上のどちらかに該当すれば高血圧となります。

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