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親が認知症で道を彷徨ってしまったら?QRコードで安全に保護される「おかえりQR」をご紹介します!

厚生労働省の2015年1月の発表では、日本の認知症患者数は2012年時点で約462万人、当時の65歳以上の高齢者の約7人に1人と推計されています。
2024年には認知症有病率が70代前半で3.4%、後半で9.8%になると予測されており、2025年には、認知症患者数は700万人を超えると予測されているのです。

現在、40代以上の方で賢明に認知症になっている家族を介護している方も多いのではないでしょうか。

認知症はいつ、どのように発生するか分からない場合も少なくありません。
もしも、誰も気づかず、認知症になっている人が街をさまようと、大きい事故につながることも。
事前事故防止のために開発された「おかえりQR」をご紹介します。

認知症で道を迷う可能性はかなり高い

認知症で道を迷う可能性はかなり高い

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

認知症の患者が徘徊してしまい、行方不明になり、側溝に転落したり、交通事故に巻き込まれて亡くなる、という報道がときどきありますよね。
警察庁の発表では2016年、全国の警察に届け出があった徘徊からの行方不明者数は1万5,000人にも上るそう。
また、こうした徘徊による行方不明は桜美林大学老年学総合研究所の調査によると、行方不明から5日経過すると生存率が0%になるといわれています。
生存していたとしても、自宅から遠く離れた場所で発見されたり、本人が身元を説明できないため、身元不明者とされているケースも多いそう。

徘徊してしまうと踏切事故や交通事故に遭うこともあります。
愛知県大府市で2007年、認知症で徘徊中の男性(当時91歳)が列車にはねられて死亡した事故も発生しているのです。
この事故では、JR東海が遺族に約720万円の損害賠償を求めており、一審ではJR東海の主張を全面的に認めるもの、二審では請求額の半額の支払いを遺族に求め、最高裁ではJR東海の損害賠償請求を否定する判決が出されています。
裁判が開始したのが2013年で、最高裁の判決が出たのは2016年。
とても長い時間がかかっていますよね。

また、徘徊というと徒歩で出歩くイメージがありますが、実際は自転車や自動車で出かける人も少なくないそう。
自転車や事故で他人を巻き込んだ事故を起こすこともあるようです。

このように認知症による徘徊は本人はもちろん、家族にとっても深刻な問題なのです。

徘徊の原因とは

徘徊の原因や動機については以下のように考えられています。

1.道に迷う

道順や目印を忘れてしまう「記憶障害」や、自分の現在地がわからなくなる「見当識障害」があると、普段利用している道であっても迷ってしまうことがあります。
迷った状態で彷徨い続けると「徘徊」と見なされることも。
屋外だけでなく、屋内であってもトイレの場所がわからなくなり、迷ってしまうということもあるそうです。

2.自宅がわからなくなる

見当識障害によって自宅という認識を持てないまま帰宅しようとすることで「徘徊」してしまうことも。
記憶障害や自己認識が若返り、親が住んでいた家(本人の昔の実家)に帰宅しようとしてしまうこともあるそう。
当然、当日と街並みなどが異なるので、迷い続けてしまい徘徊してしまうことも少なくないそう。

3.過去の習慣を思い出す

定年退職してから何年も経つのに出社しようとしたり、子どもを保育園に迎えに行こうとしたり、と記憶障害によって現在のことを忘れ、過去に習慣的に行っていたことを再現しようとして「徘徊」してしまうことも。

4.家族を認知できず「心地よい居場所」を探す

家族や友人、知人の顔を認識できず、見知らぬ人がいると不安になったり、介護に不満があったりすると感情が抑えられず、衝動的に外出してしまうことも。

本人はより心地よい場所を求めている状態にあるといえます。

5.認知症症状のひとつとして

前頭葉や側頭葉が萎縮して派生する前頭側頭型認知症では、同じ行動を繰り返してしまう常同症(常同行動)という症状が発現することも。

常同症によって同じところを目的なく行き来することもあり、結果として「徘徊」と見なされることも。
また、レビー小体型認知症の場合、幻視が生じて、不安な幻視から逃れようと「徘徊」してしまうこともあるようです。

徘徊は「理由のある外出」である場合がほとんど。
実際に徘徊を止めることは非常に困難です。

本人が開けられない鍵をつけ、家に閉じ込めたり、靴を隠して外出できなくしたり、車のキーを隠して車での移動ができないようにすると、怒りで暴言を吐いたり、暴力につながることもあります。
さらに靴がなくても裸足で外出したり、窓から出ようとして大けがにつながることも。

徘徊を止めるには、楽しい気分にさせたり、体調によっては積極的に外出させることも有効だと言われています。
外出させる際はひとりで出歩くのではなく、客観的に見守りのある外出通いでしょう。

徘徊のリスクを低減させたり、危険性を低減させる方法を考えるのが良いといわれています。

Amazonや楽天市場などで販売を行う昭文社が提供する「おかえりQR」とはどんな商品?

まっぷるなどを発行する昭文社は7月24日から東京都の郵便局窓口で、迷子の早期発見支援サービス「おかえりQR」の対面販売を開始しました。

このサービスは子どもをはじめ、認知症など介助を必要とする人が迷子になったとき、早期発見や位置情報の発信を支援するもの。
日本郵便東京支社と明治大学社会学部・岡本多喜子教授の協力の下、埼玉県南部地区での試行販売を経て、都内すべての郵便局1,467局で対面販売されることとなりました。

サービスの利用方法は簡単で、まずはAmazonや楽天市場、都内の郵便局で購入します(定価1,800円)。
その後オンライン登録サイトでID番号、家族のメールアドレスを事前登録。
「おかえりQR」シールを必ず持ち歩くモノなどに貼り付けます。
その後は徘徊などで迷子になった人を発見した人が「おかえりQR」コードを読み込むことで、発見した人が現在の状況や場所を送信するという仕組みになっています。

サンプルでは、杖などに「おかえりQR」シールを貼り付けるのが良いようです。

発見時には登録したメールアドレスに情報が送られてくるようになっており、そのメールには発見場所の地図も表示される仕組みになっています。

今回、郵便局で販売を開始したことで、購入者に商品の説明を直接でき、郵便局の集配スタッフに商品を認知することで見守り対象者の早期発見体制の強化を見込んでいます.
このサービスは見つけてくれた人が「おかえりQR」の存在を知らなければ成り立ちません。
こうしたサービスがあるのだ、ということを多くの人が知っていることがとても大切です。
購入し、利用するのはもちろんですが、サービスがあることを知っておきましょう。

おかえりQR
https://www.mapple-search.biz/

ものを忘れがちな方におすすめのグッズも

ものを忘れがちな方におすすめのグッズも

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

「おかえりQR」は発見した人が報告することで、位置情報がわかるサービスです。
モノをよくなくす人は紛失防止タグの活用がオススメ。

キーホルダーのように装着できるタグを無くしやすいものにつけておくことで、いつでもGPSでモノの場所を探すことが可能。
家の中での紛失に対してはあまり大きな効果はありませんが、外出先で失せ物をしてしまうことが増えた、という方はぜひ活用してみてはいかがでしょうか?

参考過去記事

離れると音が鳴る!物忘れが多い人必見の「忘れ物防止タグ」がついに登場!これさえあれば忘れ物なし!
https://slownet.ne.jp/c/it/post-28953/

認知症は他人事ではありません。
あらかじめできる対策も充実してきているので、ぜひこれらを活用して認知症になったときの対策をしておきましょう。

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