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【確定申告】意外と知らない人多い!「セルフメディテーション税制」で節税を

みなさんは「セルフメディケーション」という言葉を聞いたことありますか?
1年間の医療費が合計10万円を超えた場合(年収200万円未満では所得の5パーセント以上)、医療費控除できるということはご存じの方も多いでしょう。
セルフメディケーション税制は2017年1月1日から始まった、特定の医薬品を購入した場合に所得控除を受けられる制度のこと。
今までは市販薬を購入しても医療費控除の対象になりませんでしたが、セルフメディケーション税制が始まったことで市販薬も医療費控除の対象になりました。

今回はセルフメディケーション税制について詳しくご紹介します。

セルフメディケーション税制とは?

セルフメディケーション税制とは?

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

高齢化が進む日本で問題になっているのが医療費の増大です。

現在、医療費の自己負担は70歳未満で3割、6歳未満と70歳から74歳までは2割(所得が現役並みの場合3割)、75歳以上は1割(現役並みの所得の場合3割)となっています。
特に病院通いが増える高齢者ほど負担の割合が少なくなっていますよね。

厚生労働省が発表した「医療費動向」を見てみると、2018年度の医療機関に支払われた概算医療費は2017年度よりも3000億円増えて、42兆6000億円となりました。
これは2年連続で過去最高を更新した形で、伸び率は0.8パーセントです。
1992年には20兆円強だったことを考えると、ものすごく医療費が増えていることがわかります。

国民ひとりあたりの医療費で見てみると、2018年度は33万7000円。
年代別で見ると、75歳未満が22万2000円だったのに対し、75歳以上ではなんと93万9000円にもなりました。

高齢者はどうしても医療費が増えるもの。
しかし、その高齢者が急増していることから問題になり始めています。
2025年問題といわれるように、2025年には団塊の世代が一斉に75歳になります。
人口ピラミッドの頂点が一斉に75歳以上になることで、医療費は57兆8000億円になると見られているのです。

医療費が増大し続けるという事情があることから、健康増進および疾病の予防の取り組みとして、スイッチOTC医薬品(要指導医薬品及び一般医薬品のうち、医療用から転用された医薬品)を購入したとき、その購入費用について所得控除を受けられるようにしたのが「セルフメディケーション税制」。
簡単に言うと1月1日から12月31日までの1年間で、自己負担した対象の医薬品の購入費が一定額を超えたとき、税務署に申告することで超えた分にかかっていた税金が戻ってくる制度です。

この租税特別措置期間は平成29年1月1日から令和3年12月31日までとなっていますが、もしも普段から市販薬を購入している方は、レシートを必ずとっておいて確定申告するようにしましょう。

セルフメディケーション税制の条件

誰でも申告は可能ですが、税金が還付されるにはいくつかの条件があります。

  1. 所得税、住民税を納めている
  2. 特定健康診査、予防接種、定期健康診断、健康診断、がん検診などを行う
  3. 対象となる洋紙同医薬品及び一般医薬品を1世帯あたり1年間に1万2000円以上購入した(控除限度額は8万8000円)

この3つすべてを満たしている必要がある点には注意が必要です。

医療費控除とセルフメディケーション税制を併用

医療費控除とセルフメディケーション税制は併用できません。
どちから一方の制度を選択することとなります。

風邪薬など対象商品は?

どのような医薬品が対象になるのでしょうか?

商品パッケージに「セルフメディケーション税制対象」のように書かれている医薬品が対象になります。

例えば第一三共ヘルスケア株式会社のロキソニンSや、リードケミカル株式会社のロキソニンSテープなんかもセルフメディケーション税制の対象になるので覚えておきましょう。

より詳細な対象医薬品は厚生労働省のホームページをご覧ください。

参考

厚生労働省:セルフメディケーション税制対象医薬品 品目一覧(全体版)
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000571757.pdf

レシートが必要?Amazonなどネット通販で購入した薬は?

申告する場合はレシート(領収書)と源泉徴収票など税金がわかる書類が必要となります。
レシートは破棄せずに、必ず取っておくようにしましょう(現行制度に準ずる)。

書類の書き方などわからない場合は、税務署に相談すればOK。
職員が丁寧に教えてくれるので、書き方をしっかりと覚えましょう。

どのように申告するの?

どのように申告するの?

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

前述のとおり、申告にはレシートが必須です。
ドラッグストアはもちろん、インターネットで購入した場合も必ずレシートを取っておくようにしましょう。

セルフメディケーション税制を利用しない場合、従来の医療費控除に治療のために購入した市販薬の購入代金を含めることができます。
薬に関するレシートは捨てずに保管、が基本ですね。

また、セルフメディケーション税制には健診などの条件があります。
確定申告を行う際には、健康診断の結果なども手元に準備しましょう。
該当する健診は厚生労働省のホームページ(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000148850.pdf)に公開されているので、あらかじめしっかりと確認しておくと良いですね。

必要書類

セルフメディケーション税制の適用には以下の書類が必要です。

  • セルフメディケーション税制を適用し計算した確定申告書
  • セルフメディケーション税制の明細書
  • 一定の取り組みを行ったことを明らかにする書類(健診など)

これらは必ず必要になるので、事前に準備しておきましょう。

どれぐらいお得できるの?

どれぐらいお得できるの?

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

セルフメディケーション税制は払いすぎた税金が還付される制度。
実際にどのくらいお得になるのかを最後に計算してみましょう。
生計を一にする配偶者やその他の親族分も合算できることもお忘れなく。

例えば課税所得額400万円の人の場合。
5万円分対象医薬品を1年間で購入すると、3万8000円控除される計算になります(50,000円-12,000円(下限額))。
課税所得から3万8,000円控除されると、所得税は7,600円、住民税は3,800円の節税となり、合わせて1万1,400円も還付されるのです。
ちょっとした手間でこれだけ還付されると考えると、かなりお得ではありませんか?
やらないのはもったいないですよね。

もちろん、これは課税所得400万円の人の場合。
自分の所得の場合、いくら還付されるのか計算するのはとても面倒です。

インターネット上にはすでに自動計算してくれるサイトがたくさんあります。
これらのサイトを使えば、手間なく計算が可能。
ぜひ使ってみてくださいね。

セルフメディケーション税制の計算をするなら

日本一般用医薬品連合会:セルフメディケーション税制計算
https://www.jfsmi.jp/lp/tax/

税に関する知識は知っている人だけが得をして、知らない人は損をする仕組みになっています。
新たな制度がどんどん登場していますが、常に最新の情報をチェックすることが得をするコツ。
セルフメディケーション税制も一見すると難しいですが、税務署に行けば丁寧に説明してくれます。
今年のレシートを集めて、セルフメディケーション税制に挑戦してみませんか?

コメント
  1. いつも楽しく、まじめに読まさせていただいております。
    本記事の特徴として変換ミスが多いのが楽しいですね。
    今回も「申告」→「深刻」、「要指導」→「用紙同」とあり言葉の勉強になりました。

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