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早期治療が肝心!帯状疱疹の基礎知識

帯状疱疹(ほうしん)は、体に潜んでいた水ぼうそう(水痘)ウイルスが活性化して発病する皮膚しっしんです。免疫力が低下したときに起こりやすく、治療が遅れると「帯状疱疹後神経痛」になって痛みが残ることもあり、注意が必要です。

帯状疱疹とは

帯状疱疹というのは、以前にかかった水ぼうそうのウイルスが原因で起こる痛みを伴う皮膚しっしんです。水ぼうそうは、日本人の95%が15歳までにかかるとされ、多くの人が子どものうちに「水痘・帯状疱疹ウイルス」の免疫が身につきます。しかし、そのウイルスは、水ぼうそうが治った後も死滅せず、神経節に潜み続けています。健康であればウイルスは抑えられていますが、ストレスや疲労の蓄積、加齢などで免疫力が低下すると、ウイルスが再活動を始めて、帯状疱疹を発病することがあります。

症状は?

最初は体の左右のどちらかに、ピリピリ、ビリビリと刺すような痛みがあり、続いて虫に刺されたような赤い斑点と小さな水ぶくれが帯状にあらわれます。痛みの現れ方は、免疫の状態や、年齢などで人により大きく異なりますが、「キリキリする」「耐えられないほど痛い」と感じる人も少なくありません。痛みの多くは発疹や水ぶくれが治るころには消えていきます。

怖い「帯状疱疹後神経痛」

帯状疱疹にかかった人の一部に、皮膚症状が治ったあとも、数か月から数年間、痛みの残ることがあり、これを「帯状疱疹後神経痛」といいます。この神経痛は、神経細胞や神経線維がウイルスによって何度も傷つけられた結果、変形してしまうことが原因で、痛みの強かった人や皮膚症状のひどかった人に起こりやすいことがわかっています。防ぐためには、早くに治療を始めて痛みや発疹などの症状の進行を止め、神経を変形させないことが非常に大切です。

帯状疱疹は人にうつる?

帯状疱疹は、以前に水ぼうそうの羅患歴のある人がかかる病気です。羅患歴のない人や予防ワクチンを接種していない人が、帯状疱疹の水ぶくれに触れると、水ぼうそうに感染する可能性があります。帯状疱疹は他の人に帯状疱疹としてうつることはありません。

合併症は?

帯状疱疹は初期の段階で適切な治療を受けていれば予後のよい病気とされています。しかし、痛みを放置するなど、治療を怠ると、さまざまな合併症を引き起こすことがあります。
耳の近くに発症すると…顔面や頸部(けいぶ)の神経節に潜伏していたウイルスが再活性した場合、めまい、難聴、顔面神経まひ、味覚障がいなどが起きることがあります。
目の上、鼻、額に発症すると…三叉(さんさ)神経、眼神経に潜伏していたウイルスが再活性した場合、角膜炎やぶどう膜炎を起こして視力が低下することも。
* 腹部で発症すると…片側の腹筋がまひして、腹部が膨らんだり、便秘になることがあります。

脳卒中の発病リスクにも関係

卒中の発病リスクにも関係2014年4月に発表されたロンドン大学などによる大規模な研究によれば、帯状疱疹発症後には脳卒中のリスクが高くなり、抗ウイルス薬を飲んで治療すれば、発症リスクは抑えられることがわかっています

早期発見と予防

帯状疱疹は、60歳代を中心に50~70歳代に多くみられる病気ですが、過労やストレス受けやすい若年層の発症も珍しくありません。予防は、ストレスや疲れをためないこと。そして、水ぼうそうのワクチンを摂取することでも予防できると期待されています。発症したときに大切なのは早期治療です。抗ウイルス薬を服用することで、症状を軽く抑え、ひどい痛みや合併症が起きにくくなります。疑わしい症状が見られたら、すみやかに皮膚科を受診しましょう。

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