梅雨時に華を添えるアジサイ
長雨が続く時季に彩りを添えてくれるアジサイ。梅雨の風物詩として親しまれるアジサイは、実は日本が原産です。生花店の店先に並ぶ色とりどりのアジサイの中には、ヨーロッパに渡り、日本に“里帰り”してきた品種もあるかもしれません。
アジサイのひみつ
普段私たちが目にする手まり型のアジサイは、日本原産のガクアジサイを改良して生まれたものといわれています。万葉集でもアジサイを詠んだ句があり、古くから身近な存在でした。
花びらのように見えるのは、実は花ではなくガクが変化した「装飾花」。中心にある小さな粒のような部分が本当の花「両性花」です。ここでは便宜上、装飾花を“花”と呼びます。
花の色は土が酸性なら青に、アルカリ性ならピンクに変化する性質があります。日本は土壌が酸性寄りになりやすいため、青いアジサイが多いといわれています。改良種では白や赤、紫などのほか、アンティークカラーに変化する「秋色アジサイ」と呼ばれる品種も登場しています。
青いアジサイの花言葉は「忍耐強い愛」、ピンクは「元気な女性」、白は「寛容」など、花の色によって花言葉は多様です。また、花の色が移ろうことから、「移り気」といったのもあります。
■アジサイの主な種類
・ガクアジサイ
日本の固有種。中央に両性花が集まり、その周りに装飾花が額縁のように咲きます。
・ヤマアジサイ
日本と朝鮮半島南部に自生します。ガクアジサイと似ていますが、全体的に小さめ。近年、他のアジサイとの交配が盛んに行われています。
・ホンアジサイ
昔から日本で親しまれている一般的なアジサイ。セイヨウアジサイと区別するためにこの名が付きました。
・セイヨウアジサイ
別名ハイドランジア。18世紀にヨーロッパへ渡ったアジサイが品種改良されて日本に逆輸入されてきたものです。このほか、北米原産種の「アナベル」などもあります。
アジサイの育て方
■鉢植えを来年も咲かせるには
アジサイの開花期間は長く、正しく水やりをすれば7月頃まで楽しめます。花が咲き終わったら一回り大きな鉢に植え替えましょう。
植え替えるときは、青いアジサイなら酸性の土、ピンクならアルカリ性の土を用意します。材料をそろえると自分でも土作りができますが、あらかじめ配合された市販のものを使うと手軽です。
鉢に半分くらい土を入れ、取り出したアジサイを少し根切りをして植え替えます。土を足して軽く押さえ、水をたっぷりと与えましょう。
枯れた花は、すぐ下の節を目安に切り取り、伸びすぎた枝や内向きの枝なども剪定(せんてい)します。
肥料は、植え替えたときと冬、春に1回ずつ。アジサイは乾燥を嫌うので、土の表面が乾いたら鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水やりをします。アジサイは根詰まりを起こしやすいため、1~2年に1度は植え替えましょう。
■苗から育てるときは
アジサイは種ではなく苗から育てるのが一般的です。ポット苗を買ってきたら、一回りか二回り大きな鉢に植え替えます。苗植えの適期は3~4月か9月頃です。
庭に地植えするなら、西日や北風が当たりにくい場所を選びます。好みの花色がある場合は、植える1カ月ほど前に酸性かアルカリ性の土作りをしておきましょう。
全国のアジサイの名所
◎市民の森(北海道函館市)
◎みちのくあじさい園(岩手県一関市)
◎あじさいの杜(山形県新庄市) ◎本土寺(千葉県松戸市)
◎東京サマーランド「あじさい園」(東京都あきる野市)
◎明月院・長谷寺(神奈川県鎌倉市)
◎護摩堂山アジサイ園(新潟県南蒲原郡田上町)
◎21世紀の森公園(岐阜県関市)
◎下田公園(静岡県下田市)
◎性海寺(愛知県稲沢市) ◎三室戸寺(京都府宇治市)
◎六甲山(兵庫県神戸市) ◎矢田寺(奈良県大和郡山市)
◎東大寺別院阿弥陀寺(山口県防府市)
◎大川原高原(徳島県名東郡佐那河内村)
◎千光寺(福岡県久留米市)
◎東雲の里あじさい峡(鹿児島県出水市)
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