高齢者こそ肉を?! 見過ごされる高齢者の“栄養失調”「アルブミン」の力
「なんだか最近歩くのに時間がかかるようになってきたなぁ」。一見元気に見えるシニア世代でも、肉体は日々衰えをみせています。若い頃と比べると歩幅も狭くなってきた方。もしかすると原因は老化だけではないかもしれません。

画像提供:imagenavi(イメージナビ)
体調不良の原因はもしかして「栄養失調」かもしれない
NHK「クローズアップ現代+」で、2013年11月12日に趣味の写真撮影で毎日散歩を楽しむ関谷緑さん(当事88歳)が紹介されました。
関谷さんは「駅まで5分位で歩けていたのが、今は7、8分かかっちゃう。歩幅が狭くなってきた」と話します。この歩幅が狭くなるという原因が栄養不足にあるというのです。
関谷さんの血液を調べてみると、栄養状態の指標「血清アルブミン」の値が3.7となっており、基準値である4.0を下回っていました。
関谷さんは知らず知らずのうちに栄養失調になっていたのです。
こうした一見健康なシニア世代の栄養不足は、決して甘く見てはならないことが最新の研究で明らかになってきました。
東京都健康長寿医療センター研究所の研究部長、新開省二さんのチームは、東京と秋田で目立った病気のないシニア世代1,000人以上の栄養状態と、その影響を20年以上調査し続けました。
栄養状態を表すアルブミンなどの血液成分と生存年数、病気との関連について詳しく解析を行ったところ、アルブミン値が低い人達は、高い人たちよりも長生きできない、という傾向が見えてきたんです。
このほか認知症リスクも2倍、脳卒中・心臓病のリスクは2.5倍に上るという結果も出ました。
血清アルブミンはどのように摂取できる?
アルブミンは肉や魚などのタンパク質をもとに体内で作られるものです。
筋肉や血管免疫細胞などの機能に不可欠の成分のため、アルブミンが減ると筋肉が落ち、血管がもろくなり免疫機能が低下してしまうのです。
また年齢を重ねると多くの場合アルブミンを作る力が弱まる傾向にあります。
これが老化の正体です。
だからこそ、シニア世代は若い時以上に肉などのタンパク質を多く摂取しなければ、アルブミンの減少が加速してしまい老化が進み、さまざまな病気が進行する原因となってしまうのです。
この豊かな時代に、なぜシニア世代が栄養不足になってしまうのか。
番組で紹介された関谷さんの、1日の食べた物を見てみると
朝食にパンと牛乳
昼食にご飯と焼き魚
晩御飯として野菜炒め
1日3食しっかり食べているように見えますが摂取したタンパク質の合計は、なんとわずか39グラム。1日に取るべき量を満たしていませんでした。
気になるのは肉が全くないこと。関谷さんは、肉を食べるのは多くても週に2回ほどだといます。
関谷さんは「肉は毎日食べようと言う気が起きないんです。それでも栄養は間に合っているんじゃないかな、と思ってました」と話します。
もちろん魚や大豆でも、タンパク質を摂取することは可能です。
しかし、肉は鉄分や脂肪など他の栄養も一緒に摂取できる上、必要なタンパク質を効率的に摂取できるのです。
シニア世代は、魚や大豆製品は摂取することが多いようです。しかし全体を見てみると、より不足しているのが肉です。日本の高齢者は本肉の摂取を増やしたほうがいい、と専門家は話します。
とはいっても、今まで食べていなかった肉を食べるのって大変ですよね。
ここからは、肉が食べやすい料理をご紹介します。
肉が食べやすい! 柔らかくて食べやすい肉料理を紹介
シニア世代の肉を食べない原因として挙げるのは肉が固いから。
しかしひき肉ならば食べられるのではないでしょうか?
東京23区で、もっともシニア世代の比率が高い北区。
シニア世代の栄養失調の、栄養失調解消するため65歳以上対象にした。食事会を開いています。
そこで紹介されたのは、「ハンバーグ」です。ハンバーグはひき肉を使うので、とても柔らかく、肉は硬いと敬遠しなくて済むメニューです。ひき肉に水気をよく切った豆腐を混ぜることで、柔らかく、あっさりとした食べ口になります。
参考リンク:秘密の豆腐ハンバーグ 【クックパッド】
次にオススメなのが「豚の鍋照り焼き」。
使用する材料が太もも肉、しょうゆ、みりんだけ。生姜焼きのような味付けで、同じく焼いて食べますが、味付けがあっさりしているためか、どんどん食べ進められてしまう味わいです。
参考リンク:豚肉の鍋てり焼きのレシピ・つくり方 | キッコーマン | ホームクッキング
そのほかにもしゃぶしゃぶなどは、肉の脂を落として食べられる食べ方がおすすめです。
お肉の食べ方はさまざまあります。栄養失調で体調が悪くなる前に、食べ方の工夫をしてみませんか?
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