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梅仕事しませんか?

早春に花を咲かせた梅の木は、この時季になると枝もたわわに実をつけます。収穫は5月下旬から7月中旬にかけて。梅の実は自宅でも梅干しや梅みそ、梅シロップ、梅ジャムなど、さまざまに加工することができます。

6月は「梅仕事の月」

雨の多いこの季節が梅雨と呼ばれるようになったのは、梅の実が熟するころに降る雨という意味から。また、中国では雨が多く黴(かび)の生えやすいこの時季を「黴雨」と書いて「ばいう」と呼んでおり、「黴」に梅の字をあてて「梅雨」と書くようになったともいわれています。このように、古くから梅の実はこの時季と深い関わりがありました。全国的に梅の収穫は6月上旬にピークを迎え、6月は「梅仕事」の月といわれています。

梅のクエン酸パワー

「梅仕事」の代表格はなんといっても梅干しです。梅には強い殺菌作用があり、食中毒の予防に効果があるとされています。この源となるのが、酸味の成分・クエン酸。クエン酸の防腐作用、疲労回復などの効果は科学的にも認められています。日の丸弁当、梅干しのおにぎりは、まさに理にかなった日本人の知恵といえるでしょう。
「梅はその日の難のがれ」という言い伝えもあります。朝、出かける前に梅干しを食べるとその日は災難をまぬがれるという意味です。今のように薬が簡単に手に入らなかった時代、旅人はその土地特有の熱病や風土病、あるいは食中毒にならないよう、梅干しを「薬」として携帯していたといいます。

手軽にできる「梅仕事」

梅の実のクエン酸パワーでおいしく夏バテを予防しましょう。

●梅みそ

[材料]
・梅の実:1kg(青いものがよい)
・みそ:1kg(米みそ、麦みそ、合わせみそなど)
・グラニュー糖:600~800g

《作り方》
① 保存ビンを熱湯消毒して、乾燥させておく。
② へたを取り、梅の実を洗って、完全に水気をとる。
③ ビンに梅、みそ、砂糖の順に入れて、軽くふたをして冷暗所に置く。
④ 2週間ほどして、梅からでた水分にみそと砂糖が溶けたらできあがり。梅の実は取り出す。
★ぬた和えに。焼き野菜につけて。つけ麺のたれに加えて。

●梅シロップ

[材料]
・梅の実:1kg(青いものがよい)
・氷砂糖:800g~1kg

《作り方》
① 保存ビンを熱湯消毒して、乾燥させておく。
② へたを取って梅の実を洗い、完全に水気をとる。竹串で数カ所穴を開けておく。
③ 保存ビンに、梅と氷砂糖を交互に入れ、ふたをして冷暗所で保存
する。※ときどき容器をゆすって、梅とシロップをなじませる。
④ 1カ月ほどして、梅の実を取り出し完成。シロップは冷蔵庫で保存する。
★水や炭酸水で薄めてドリンクに。ホットケーキ・かき氷のシロップなどに。

●梅ジャム

[材料]
・梅の実:1kg(完熟して黄色っぽくなったものがよい)
・ハチミツ:800g

《作り方》
① 梅の実はへたを取ってよく洗う。
② 梅をたっぷりの水で煮、沸とうしたらゆでこぼす。水をかえて柔らかくなるまでゆで、ざるに上げて水気をきる。
③ ②を裏ごしして、種を取り除く。
④ 裏ごしした梅とハチミツを鍋に入れ、木じゃくしでかき混ぜなが ら弱火でとろみが出るまで煮詰める。あくがでたら取り除く。
⑤ 火を止めて、そのまま冷ます。
★トーストにぬって。ヨーグルトのトッピングなどに。

ウナギと梅干しって一緒に食べてはいけないの?

昔からウナギと梅干しは、ウナギの脂と梅干しの酸味が刺激し合い、消化不良を起こすから一緒に食べてはいけないと言われてきましたが、科学的な根拠はなく、むしろ栄養学的にはよい組み合わせです。ウナギのビタミンB1も梅干しのクエン酸も夏バテ予防にぴったりの成分です。

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