日本全国今日の寒さを方言で叫ぶ【コメント募集中】
「最近特に寒い。寒い故郷を思い出すわ〜」という北国出身の方はいらっしゃいますでしょうか? 東北以北だと「しばれる」という言葉を寒い時に使ったりしますよね。日本全国で「寒い」という言葉はたくさんあります。あなたの地域で「寒い」はなんと言いますか?
全国の「寒い」の方言
全国にある「寒い」という方言。岐阜県では「さぶい」、佐賀県では「ひやか」など住んでいないと聞き馴染みのない言葉ですよね。でも「こんな方言、今は誰も使っていないよ!」という意見もあるはず。元々使われていた全国の「寒い」方言をご紹介します。
北海道「しばれる」
青森県「しばれる」
岩手県「しばれる」
宮城県「しばれる」「いてる」「こわい」
秋田県「しばれる」「さんび」「さび」
山形県「しばれる」
福島県「しばれる」「いてる」「こわい」
新潟県「いてる」「こわい」「さーめ」
茨城県「こっつぁみぃ」
千葉県「こっつぁみぃ」
長野県「かんじる」
和歌山県「かんじる」
岐阜県「しみる」
島根県「すくれる」
山口県「すくれる」
高知県「ひやい」
佐賀県「ひやか」
沖縄県「ひーさん」「ひーさい」
など、全国では豊富な方言がありますよね! このほかの地域は調べても出てこなかったり、よくわからなかったり……。
全国さまざまな方言がありますよね。こういった方言にはどのような規則性、法則があるのでしょうか?
方言周圏論とは 方言にはこんな法則あった! 柳田國男が見つけた法則
方言周圏論という言葉を聞いたことがあるでしょうか? 方言分布の解釈仮説の1つで、方言の語や音などの要素が文化的中心地から同心円状に広がっていき、変化していったのではないか、という仮説です。この仮説を唱えたのが、民俗学で有名な柳田國男(やなぎたくにお)。この理論は、人気番組「探偵ナイトスクープ」でも特集されたほどなんです!
さて、方言周圏論はどのようなきっかけで見つかったのでしょうか?
日本全国の民俗学を研究していた柳田國男は、あるとき蝸牛(かたつむり)を指す方言が、近畿地方では「デデムシ」、中部地方や四国では「マイマイ」、関東地方や四国で「カタツムリ」、東北地方と九州の一部で「ツブリ」、東北地方北部と九州西部では「ナメクジ」と、近畿地方を中心に同心円状に方言が似ていることを発見します。
そこで、かつての文化的中心地・京都でナメクジ→ツブリ→カタツムリ→マイマイ→デデムシと言葉が変化していったことから、京都から遠いところほど古い言葉が残っているということに気がついたのです。つまり、近畿地方が一番言葉が新しく、東北地方北部・九州西部がもっとも古い言葉が使われていたということになります。
このことから柳田國男は、日本では京都を中心として文化が時間をかけて広がっていく。つまり、京都から遠いところほど昔の京都の文化が残っているということになると考えました。このことをきっかけに柳田國男は民俗学にのめり込んでいったのです。
後に金田一春彦による「方言孤立変遷論」や長尾勇による「多元的発生論」など、方言周圏論は部分的にしか認められないという批判がありましたが、この法則、面白いですよね。
朝日放送の「探偵ナイトスクープ」では、「バカ」「アホ」などに相当する方言の分布状況を調べました。1991年に当時の全市町村の教育委員会を対象にしたこの種の表現に対する大規模なアンケート調査を行い、その結果を特別番組として放送。「アホ」と呼ぶ地域は関西に固まっており、関東や中国地方では「バカ」という言葉が使われていることが多いと判明! 方言周圏論はこの言葉には当てはまるということがわかったのです。
この結果は、「全国アホ・バカ分布考 はるかなる言葉の旅路」という本にまとめられています。ご興味がある方は年末年始の読書にいかがでしょうか?
ご購入はこちらから:「全国アホ・バカ分布考 はるかなる言葉の旅路」新潮文庫 – 松本 修 (著)
最近では方言が使われなくなる? お住まいの地域では「寒い」をなんと言いますか?
12月20日のニュースで、大阪弁も東京化していると伝えられました。従来使われていた「してまう」から「しちゃう」に変化しているんだとか。
参考リンク:東京化する大阪弁「してまう」から「しちゃう」へ…府民3分の2使用「関西的思考」消滅、“ネオ関西弁”も拡散
方言がなくなるってちょっとさみしいですよね。
冒頭で伝えた「寒い」。年末年始で帰省した子どもや孫と話してみても面白いのではないでしょうか?
よかったら、皆さんがお住いの地域、ご出身の地域の「寒い」の方言を教えてください。
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