相次ぐ辛いニュースでなんだか気持ちが落ち込む。メディアと正しく付き合うための方法は?
テレビや新聞などでは毎日のように暗いニュースが流れます。
特に最近は新型コロナウイルス感染症で死者の数や外出自粛を求める声など、どうしようもない気持ちになるニュースばかり。
気持ちのへこみを感じる方も少なくないのではないでしょうか?
しかし、こんなときこそしっかりメンタル管理をすることが大事です。
本日はメディアとの健康な付き合い方についてご紹介します。
暗いニュースに気持ちまで暗くなる理由は?

画像提供:imagenavi(イメージナビ)
皆さんは普段どのくらいニュースを目にしますか?
朝のニュース・昼のニュース・夕方からのニュース、そして夜のニュースなど、現在の日本では様々な時間帯にニュース番組が放送されています。
これらのニュース番組は決して良いニュースだけを取り扱うわけではありません。
暗いニュースほど往々にして広がっていくものです。
現在、世界を震撼させている新型コロナウイルス感染症だけではなく、交通事故や自然災害、テロ事件、発砲事件など様々な事件が報道されていますよね。
これらのニュースはいずれも誰かが不幸になったというものです。
テレビだけではなく、SNSでも暗いニュースが拡散される傾向にあります。
暗いニュースには自然と目がいきやすいですし、気になってついつい見てしまうもの。
もしも現在、暗いニュースから目が離せなくなり、繰り返し見ているならば注意が必要かもしれません。
ロクサン・コーエン・シルバー氏(米カリフォルニア大学アーバイン校)らによる新しい研究によると、「共同トラウマ」に繰り返し浸っていると「不幸のサイクル」にはまり、もっと暗いニュースに引き寄せられると言います。
この研究ではアメリカ人4165名を3年間追跡調査。
悲惨な出来事を取り扱ったニュースを多く見る人は、将来に不安を抱き、また別の悲惨な出来事を扱ったニュースを見る時間が長くなる傾向が見られたそうです。
暗いニュースによる悲しみが伝染することを示した研究はこれまでにもありました。
ある研究では、有名人の自殺を報じるニュースが流れると視聴者が自殺について想像を働かせ、ヘタをすると本当に自殺に踏み切ってしまう恐れが高まることを明らかにしています。
有名人の後追い自殺は日本でも実際にあったことです。
今回のこの研究が特に注目されたのは、それが心に長期的な影響を与えることがわかったから。
この研究は2013年から2016年までの3年間にわたって行われ、その始まりと終わりには5名の死者と299名の負傷者を出した「ボストンマラソン爆弾テロ事件」と、50名の犠牲者を出した「オーランド銃殺事件」がありました。
研究によって明らかになったのは、爆弾テロ事件のニュースを一番長く見ていた人たちは、精神的なストレスを受ける傾向にあり、事件から6ヵ月経過した後も変わらずストレスを感じていたそうです。
この人たちはオーランド銃乱射事件が発生したときも同じパターンを示していたことから、たくさんニュースを見ていた人ほど強い精神的なストレスを受けていたことがわかりました。
これらはテレビや新聞などのマスメディアの報道だけではなく、Twitter や Facebook などの SNS が「不幸のサイクル」に油を注いでいると考えられています。
SNS では、しばしば人の不安を煽るような投稿がシェアされたり、虚偽や誤解されるような情報ほど拡散される傾向にあります。
暗いニュースで落ち込んだ心は更なる暗いニュースを追い求めるようになっていきます。
自ら不幸を探しに行き、不幸になるための特定のワードで検索を繰り返し、ネガティブな情報を求め続ける。
科学的根拠のある明るいニュースがあったとしても、「楽観視しすぎだ」「情報操作だ」などと切り捨て、ネガティブな情報を信じ込んでしまう。
これは「不幸のサイクル」に陥っていると言えるでしょう。
もしも不幸のサイクルに陥ってしまうと、実際に事態が好転したとしても、心のダメージはなかなか癒えません。
病は気からと昔から言いますよね。
心が体の健康に与える影響はとても大きいもの。
健康でいるためには心も健康に保たなければなりません。
もしも現在、新型コロナウイルス感染症に伴い、ネガティブな特定の情報だけを収集されている方は、一度こうした情報から距離を取ってみてはいかがでしょうか?
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