「くらし向きが悪くなった」と感じるシニアは3割以上――医療・健康にかかる費用の負担大きく
医療費などがシニアのくらし向きに大きな負担
「3年前に比べて現在のあなたのくらし向きは良くなったと思いますか?」
そう問われたら、何と答えますか。
市場調査などをしている株式会社ジー・エフが2017年2月に65歳~74歳と75歳以上の各1000人、合計2000人に行った電話調査では、「良くなった」と回答した人は9.5%、「変わらない」と回答した人は55.5%、「悪くなった」と回答した人は35%でした。
変わらないと答えた人が過半数でしたが、それでも3割以上の人が悪くなったと感じていました。
くらし向きが悪くなった理由で多かった「(物価にかかわらず)暮らしにかかる費用が増えた」(31.9%)と答えた人に、もっとも費用が増えた項目について聞いたところ、「病院や薬、整体など医療や健康の維持にかかる支出」が41.7%と、医療費などがシニアのくらしの負担となっていることがわかりました。
医療費負担は今後も重くなる一方で、70歳以上の標準的な所得がある人では、外来診療費の負担限度額が、現行の月1万2000円から2017年8月には月1万4000円に、2018年8月には1万8000円に引き上げられることが決まっています。
また、75歳以上が加入する後期高齢者医療保険の所得に応じた保険料の軽減措置が2017年度から一部見直されるほか、介護保険の自己負担が一部引き上げられるなど、シニアのくらし向きにとって厳しい改正が続き、さらなる負担増は避けられません。
長寿社会で不安なことは?
今回の調査で、長寿社会で改善が必要だと思うこととして、「年金や保険制度の改革で老後の生活費がいくら必要かわからない」と回答した人が39.0%にのぼりました。
たしかに、将来の生活費がいくらかかるのかわからないというのは不安なものですが、一方で、健康が維持できれば、シニアのくらしの大きな負担となっている医療費を抑えることができそうです。
日ごろから健康を意識して生活改善に努めることも、不安を減らすことにつながるのではないでしょうか。
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