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「健康」を考え、追求する旅行「ヘルスツーリズム」。健康に不安を抱えやすいシニア世代にオススメの旅行スタイル

最近は健康志向の高まりで、健康に気遣う人がとても増えてきましたよね。
人生100年時代とはいえ、健康寿命と実寿命の開きは以前大きなままなので、いくつになっても健康でいるためには健康に気遣う必要があります。

そんななか、話題になっているのが「ヘルスツーリズム」です。
本日はヘルスツーリズムについてご紹介します。

ヘルスツーリズムって何?ヘルスツーリズムを行う意味・意義とは。ヘルスツーリズム認証制度はいつから始まった?

ヘルスツーリズムって何?ヘルスツーリズムを行う意味・意義とは。ヘルスツーリズム認証制度はいつから始まった?

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

ヘルスツーリズム(Health Tourism)という言葉を聞いたことはありますか?
最近話題になっている新しい旅行の形です。

ヘルスツーリズムは旅行という非日常を味わいつつ、旅行中のトラブルを回避したり、健康回復・健康増進をはかる旅行のこと。
そして旅行をきっかけに旅行後も健康的な行動を維持し、日常生活を豊かに過ごせるようになることをいいます。

ヘルスツーリズムの定義

当NPO法人では、ヘルスツーリズムを「健康・未病・病気の方、また老人・成人から子供まですべての人々に対し、科学的根拠に基づく健康増進(EBH:Evidence Based Health)を理念に、旅をきっかけに健康増進・維持・回復・疾病予防に寄与する」ものと定義しています。
(NPO法人日本ヘルスツーリズム振興機構より)

近年のヘルスツーリズムのコンセプトは1973年、観光機関国際連盟(IUOTO)の生命に「その国の天然資源、特にミネラルウォーターや気候を活かしたプログラム提供の施設」として初めて登場。
その後は国連世界観光機構が「健康維持に関する養生法、エクササイズや食事管理、各種療法、医療サービスを通して、肉体的、精神的に良好な状態に改善することを主要な目的としたリゾートディスティネーションへの転地やヘルススパ(SPA)旅行」(荒川訳)と定義しました。

ヘルスツーリズム研究者のSmithらは、ヘルスツーリズムにはウェルネス(=健康を身体の側面だけでなくより抗議に総合的に捉えた概念。「輝くように生き生きしている状態」)なものとメディカルなものがあり、いずれも提供の場は「スパ施設」が中心であることを示しています。

日本では1990年代後半頃からヘルスツーリズムという言葉が登場。
まだまだ日本においては普及しているとは言いがたいですが、最近特に話題となっているのです。



ヘルスツーリズム認証制度について

現代のヘルスツーリズムは化学的な根拠に基づいた健康増進・維持・回復・疾病予防につながる健康的な旅のプログラムと定義されています。
欧米諸国などでは旅行・刊行やリハビリテーションなどの一ジャンルとして普及しており、産業として拡大傾向にあります。
日本には温泉や森林などの資源が多いことから、さまざまな地域がヘルスツーリズムに取り組んできています。
健康がテーマの旅というと高齢者向けかと思いきや、ヨガなどの運動と地元食材を活かした健康食で構成されたプログラムもあるなど、レジャー要素が強い物も多く、女性を中心に人気を集めています。

ヘルスツーリズムのプログラムを作ってはみたものの、ビジネスとして成果を上げている地域は一部。
ヘルスツーリズムの取り組みはまだまだ実験段階だといえる地域も多く、プログラムの内容も優れた物から劣っている物まで玉石混交状態です。
だからこそ、品質を担保した認証制度が求められました。

そこで経済産業省は2016年度からヘルスツーリズムの品質認証制度をスタート。
一定基準を満たしたプログラムに政府がお墨付きを与えるものなので、ヘルスツーリズムを選ぶ際は認証されているものを選ぶようにしましょう。

評価は3段階で、サービスを提供する体制が整っていること、参加者に健康の気づきを与えていること、地域特有のプログラムであることという3つの観点から審査を行います。
合わせて外国人対応も基準に加わる見込みです。

海外で話題?日本の「ウェルネスツーリズム」とは

海外で話題?日本の「ウェルネスツーリズム」とは

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

ウェルネスツーリズムは健康維持や精神的幸福を高めるために行われる観光やアクティビティのこと。
ヘルスツーリズムとほぼ同義で、「スパツーリズム」とも呼びます。

もともと海外で広く流行していたウェルネスツーリズムは2020年には市場規模8,000億ドルになると予測されています。
日本では観光庁が「ニューツーリズム」として、「これまで気づかれていなかった観光資源の活用」を目的に掲げました。
そのなかに「ウェルネスツーリズム」も含まれており、今後新たな観光方法としてインバウンド対応も充実していく見通しです。

日本の事業者がウェルネスツーリズムを行うにあたって注目したいのが資源。
日本にはウェルネスツーリズムを行うのに最適な環境が揃っています。

温泉、和食、森林は日本のウェルネスツーリズムの資源だと言われています。
海外ではシャワーだけで入浴を済ませることが多く、入浴習慣があまりありません。
そのため、身体が冷えやすく、新陳代謝が悪くなりがち。
温泉にゆっくりと浸かれば、身体の芯まで温まりますし、新陳代謝も良くなります。

また和食は低カロリーの食材を多く使用していたり、低カロリーな調理法が使用されるため、摂取カロリーが低くなります。
健康を目指すなら低カロリー食は欠かせないので、和食もぴったり。

このように日本には、日本らしいウェルネスツーリズムがたくさんできてくるでしょう。
湯治だけではなく、心身ともに癒やされる旅がこれからのトレンドになるかもしれませんね。

日本におけるヘルスツーリズムの事例。「温泉」「森林」を利用してウォーキングで五感を刺激するヘルスツーリズムも

日本におけるヘルスツーリズムの事例。「温泉」「森林」を利用してウォーキングで五感を刺激するヘルスツーリズムも

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

実際に沖縄県南城市ではメンタルヘルスツーリズムが展開されており、朝ヨガを行ったり、アレルギー対応食の提供などを行っています。
年々知名度が上がっていき、観光客を集め始めているそうです。

すでに日本では全国各地でウェルネスツーリズムが展開されています。
その一例を見ていきましょう。

  • 北海道
    北海道No1リゾートに「健康」をプラス
    ルスツリゾート(留寿都)
    スキー、ゴルフ、アウトドア、遊園地、プールなどの他に、「北海道カラダ休暇」プログラムでは、北海道の恵まれた食材を活かした健美食やカラダ・肌・快眠枕測定などの健康コンサルティングをお楽しみいただけます。
  • 東北
    療養・静養を目的とした湯治宿
    玉川温泉
    療養・静養を目的とした湯治宿。館内には、看護師が常駐し、滞在中の健康相談に応じます。効能あふれる強酸性の癒しの湯、周辺の散策、人との触れ合いをお楽しみください。
  • 関東
    自分の力で旅したい ~みんなで創るリハビリ旅行~
    リハビリ旅行(東京・リハビリ推進センター)
    稲取温泉または昼神温泉の滞在を目標に、経験豊富なリハビリ旅行療法士(理学・作業療法士/看護師)と共に旅を計画・実施し、旅行を通じて心身の機能回復、QOLの向上を図ります。ご参加者はもちろん、ご家族様もリフレッシュ!
  • 北陸/甲信越
    温泉とマクロビオティックで体の外も中からもキレイになろう
    和泉屋(十日町)
    マクロビオティックは世界で注目されている、日本食を起源とする長寿健康法です。動物性食材を用いない玄米菜食を基本としており、アレルギーや食事療法中の方にも安心して召し上がっていただいております。松之山の食材を中心とした本格的マクロビオティックに取り組んでいます。
  • 東海
    医食同源の理から生まれた美濃薬膳
    岐阜グランドホテル(岐阜市)
    岐阜県は、薬草の北限・南限の地を有する為、薬草の種類が豊富です。疲労回復、滋養強壮、免疫力活性等に良いとされる薬草と県内産の旬の特産・名産を用いた美味しく、郷土色豊かな料理をお楽しみください。
  • 関西
    世界遺産熊野古道を健康のプロと歩く
    熊野古道(田辺市)
    熊野や健康に詳しい熊野セラピスト(インストラクター)が同行し、樹に触れたり、水の音、鳥の声に耳を澄ませたり五感を刺激しながら楽しくウォーキング。歩く前後やコース途中にもストレッチを取り入れ疲れを残さないウォーキングが特徴です。健康配慮のお弁当や料理もご用意しています。


  • 中国/四国
    現代人に適した新しいスタイルの「湯治」
    三朝温泉
    三朝温泉病院とタイアップした世界有数のラジウム泉の効果を生かす現代版の湯治です。長めに滞在し、温泉病院で生活習慣病などをチェックし温泉療養、自然あふれる三朝を散策、お好きな趣味などで気ままな時間をお過ごしください。
  • 九州
    人気のプログラム「女将と歩く早朝ウォーキング」
    天草プリンスホテル
    朝食の前に、ホテルスタッフのガイドで天草の名所を楽しくウオーキング。コースはお客様のご要望や季節、お天気に合わせてその時一番のオススメをご案内します。歩いた後は天草の野菜やお魚を中心にした低カロリーの朝食を。早朝から体を動かし美しい景色を巡った後の朝ごはんは格別です。
  • 沖縄
    食物アレルギーの発症リスクを極力抑えた離島の旅
    久米島町観光協会
    沖縄本島(那覇)より西に100Kmの離島“久米島”では島のリゾートホテルにて、ホテルのシェフが腕を振るった美味しい&アレルギー対応食を朝昼晩の3食ご用意。事前の質問から担当コンシェルジュが相談に応じますので久米島の滞在をご家族で満喫してください!

これだけ見てもさまざまなプランがありますよね。
ウォーキングなどを組み合わせた物などもあり、文字通り身体の健康と、心の健康を保てそうな物ばかり。
これから旅行に出かけたい、という方は「ヘルスツーリズム」「ウェルネスツーリズム」という言葉を軸に、プランを探してみてはいかがでしょうか?

旅行で楽しむだけで健康になるプランが数多く登場しています。
ウェルネスツーリズムで、心身ともに健康になる習慣のヒントを手に入れてみてはいかがでしょうか?

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