【けんこう歳時記】高血圧予防、食塩1日6gってどのくらい?
「減塩の日」もスタート
5月17日は「高血圧の日」です。2007年に国際高血圧学会の一部門である、世界高血圧リーグがこの日を「世界高血圧デー」として啓発活動を始めたことにならい、日本高血圧学会と日本高血圧協会が制定しました。
日本では成人の3人に1人、高齢者の3人に2人が高血圧と診断されています。脳卒中や心臓病、腎臓病など深刻な病気につながる恐れがあるにも関わらず、自覚症状がないため治療をせずに放置している人が多いことが問題になっています。
高血圧を引き起こす主な原因のひとつに、塩分のとり過ぎがあります。諸外国と比べて塩分摂取量の多い日本人は、とくに注意が必要です。
厚生労働省が推奨する1日の塩分摂取量は男性8g未満、女性7g未満。日本高血圧学会ではさらに厳しく、高血圧の治療・予防には1日6g未満が望ましいとしています。これに対し、現在の食塩摂取量の平均は10.4gと目標には遠く及びません(※)。そこで、同学会は今年、新たに毎月17日を「減塩の日」に定め、5月からスタートしました。
減塩のコツ
食塩6gは、小さじ1杯に相当します。たとえば、みそ汁1杯に含まれる塩分量は1.5g、塩鮭一切れ3.5g、梅干し1個2g。朝食だけですでにオーバーしてしまいます。また、うどんやラーメンなどの麺類、ハム、ソーセージ、練り物などの加工品にも塩分が多く含まれています。多くの人が「普通の」食生活を送っていれば、1日で10gを軽く超えてしまいそうです。
濃い味に慣れた味覚を変えるのは難しいことですが、日本高血圧学会では、次のような「減塩のコツ」を提案しています。
- 新鮮な食材を用い、素材の持ち味を楽しむ
- 香辛料や香味野菜、果物の酸味を利用する
- 低塩調味料を使う
- みそ汁は具だくさんに(汁を少なく)
- 外食・加工食品・漬物は控える
- 麺類の汁は残す
最初は物足りなく感じるかもしれませんが、まずは1皿から始めるなど、徐々に薄味に慣らしていきましょう。
※厚生労働省「平成24年度国民健康・栄養調査」より
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