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治療しても治らずずっと痛い「慢性痛」とは?慢性痛の改善・治療方法

慢性的な疼痛でお悩みの方はいませんか?
その慢性痛、もしかすると神経の異常によって生じる痛みかもしれません。

痛みは身体を守るための危険信号です。
原因を解決してあげれば痛みは通常治まるもの。
しかし、治療しても痛みが継続する場合は神経の異常が原因かもしれません。

今回は治療したのに痛みが治まらない「慢性(疼)痛」をご紹介します。

慢性痛の症状・定義とは?

慢性痛の症状・定義とは?

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

Livingston, W. K. Pain mechanisms. New York: Macmillan, 1943.によると、神経が障害されると「痛みの悪循環」を起こしてしまうそうです。
そのため、神経の障害の元となる慢性疼痛は早期に治療を行うことが重要だといわれています。

痛みの悪循環

慢性痛にはいくつかの種類があって、神経の障害によって発生する痛みは「神経障害性疼痛」。
神経は皮膚、筋肉といった末梢から脊髄を通って脳に接続されています。
末梢が痛みを感じ、その信号が脳に届くことではじめて痛みを感じるのです。

痛みを感じると交感神経が刺激されます。
交感神経が刺激されると、血流が悪化したり、代謝異常が起こってしまうのです。
痛みによって引き起こされるさまざまな以上のことを「痛みの悪循環」と呼んでいます。

このほか、慢性痛でも健康な組織を傷害する痛みのことを「侵害受容性疼痛」、心理的な問題で引き起こされる痛みが「心因性疼痛」です。

治療しても治らない痛みの原因はひとつではなく、さまざまな原因が考えられます。

慢性痛はどこで起こる?

慢性痛は以下のようなケースで発生しやすいようです。

ひとつめは「腰下肢痛」。

脊柱管狭窄症など脊椎の疾患で神経が圧迫され、腰から足にかけて腰下肢痛を引き起こします。
坐骨神経痛という名称が一般的でしょうか?

腰下肢痛の原因となるのは、脊柱管狭窄症のほか、椎間板ヘルニア、変形性腰椎症、癒着性くも膜炎、腰椎多数回手術など。
軽度の場合は不快感だけを感じることもあります。
重度になると激痛が走ったり、安静時には痛みがなくても動き出すと痛みを感じ、歩くことができなくなるといった症状が現れることも。
前かがみになったりすると改善する場合もありますが、ナイフで刺されたような痛み、熱を持つような痛みを感じることもあります。

中にはこうした症状を改善するために外科手術を行うケースもありますよね。
周りにひとりは椎間板ヘルニアの手術をしたという人がいるのではないでしょうか?

しかし、腰下肢痛は外科手術を行っても痛みが残る場合も少なくないそうです。

ふたつ目は「帯状疱疹後神経痛」です。

ウイルスによって炎症が起こり、神経を刺激される帯状疱疹。
疱疹が消えたあとも痛みが残る帯状疱疹後神経痛は、ウイルスが神経を傷つけたため発生します。

三つ目は「脳卒中」。

脳卒中後に慢性痛を感じる人もいるようです。
脳卒中が発生した場所にもよりますが、痛みの信号を感知する部分が損傷してしまうと慢性痛を感じる場合も。
このほか、長時間身体を動かしていなかったことで、末梢神経に異常が発生し、慢性痛を感じるケースもあるようです。

四つ目は「脊髄損傷」。

痛みの信号の通り道がなんらかの原因で損傷してしまうと慢性痛を感じることがあるようです。

続いて「幻肢痛」。

名前は聞いたことがある、という方も多いのではないでしょうか?
手足を切断したあと、まるで手足がまだあるかのように感じ、その手足が痛む、という症状です。

義肢、義足をつけた場合、なかには痛みが軽減する人もいましたが、すべての人が痛みを感じにくくなるわけではないそうです。

現在のところくわしい原因はわかっておらず、電流を流した万力で潰されるような痛みを感じるそうです。

治療は難しく、痛みを感じる部位はすでにないため、痛み止めや麻酔は効果がありません。
内部に鏡の仕切りがある箱に失っていない手を入れて、鏡をのぞき込みながら手を動かすと痛みが消える「鏡療法」「鏡治療」「ミラーセラピー」などが用いられることが多いようです(玉城雅史、大澤傑「幻肢痛に対する鏡治療」『日本義肢装具学会誌』第23巻第1号、2007年1月1日、 50-53頁)。
しかし、改善には個人差が大きく、現在のところまだ完璧な治療法はわかっていません。

このほか、末梢血管障害やCRPSなどが原因になる場合もあるそうです。

慢性痛の緩和方法!痛み止めなど薬に頼らず緩和するには

慢性痛の緩和方法!痛み止めなど薬に頼らず緩和するには

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

日本人の20パーセントから30パーセントは、日常的になんらかの痛みを感じているといわれています。
なかでも重度の慢性痛とされているのが「神経障害性疼痛」です。

おさらいですが、神経障害性疼痛は元々の痛みの原因となる病気やキズなどが治っても、神経が痛みを引き起こす病気のこと。
代表的な例だと、子どもの頃に罹患した水疱瘡ウイルスが体内に潜み、ストレス、加齢などで免疫機能などが低下したときに活動を再開して発症したりします。
皮膚に水疱ができますが、水疱が引いたあとも痛みが残り場合があり、慢性的な痛みとなってしまうのです。

こうした痛みの改善にはストレス緩和が欠かせません。

神経障害性疼痛の特徴は「触れただけで痛い」「砂利を踏んでいるような痛み」と表現される痛みにあります。
通常ではあまり感じたことのない痛みの種類だそうです。
現在でも原因が完全にわかってはいませんが、中枢機能に解消のヒントがあるのではないか? と最近注目されています。

通常、痛みが発生すると脳では痛みを抑える物質が生成され、痛みを抑える機能が働きます。
しかし、精神的なストレスを受けると痛みを抑える脳の機能が低下し、痛みを強く感じてしまうそうです。
神経障害性疼痛はストレスで痛みを抑えようとする脳の機能が障害される「中枢機能障害性疼痛」が病気の本体ではないか? と疑われています。

痛いときはみなさんどうしますか?
薬を飲んだり、湿布を貼ったり、病院に行ったりするでしょう。
しかし、それでも改善しない場合は、一日中寝ていたり、じっとしていることが多いのではないでしょうか?
痛いから動かなくなると筋肉が徐々に弱くなり、より痛みを感じるようになります。
動かなければ脳に末梢の刺激が届かなくなり、痛みを抑える機能がどんどん低下していってしまうのです。
痛いときこそ明るく振る舞ったり、アクティブに行動することで改善する人もいるそう。

なかなか回避的な思考を変えることはできませんが、痛みが改善したら○○をしよう、ではなく、痛いけど○○をしよう、と徐々に考え方を変えることが神経障害性疼痛解決のポイントかもしれませんね。

慢性痛の治療方法とは?運動療法、認知行動療法、薬物療法が柱

慢性痛の治療方法とは?運動療法、認知行動療法、薬物療法が柱

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慢性痛の治療には「運動療法」「認知行動療法」「薬物療法」の3つが用いられます。

「運動療法」はウォーキング、ストレッチといった軽い運動でもOK。
筋肉を鍛えたり、関節を動かして可動域を拡げたりすると痛みが改善するそうです。

また、認知行動療法は考え方を切り替えるために行います。
というのも痛みは脳が生み出していることが多いため、痛みに打ち勝つため考え方を変えるというのです。
慢性痛が起こる仕組みや運動の重要性を学び、知識的に「痛みが起こるはずがない」ということを理解します。
痛みが起こるときの状況や気持ちを日記に書いたりするのが一般的だそうです。

薬物療法はあまりにも痛みが強い場合に行います。
しかし、すべての痛みに効くわけではないですし、副作用の心配もあるので、あくまで補助的に用いられます。

いずれの治療法も医師のきちんとした診断があってこそ。
慢性痛で悩んでいる方はぜひ、すぐに医療機関を受診しましょう。

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