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「てんかん持ち」のシニアは認知症になりやすい?

予告なしに急に発作や痙攣をおこす「てんかん」。
年齢・性別関係なく起こる疾患のひとつとして知られています。

しかし、高齢者が急にてんかんになった場合、もしかすると脳卒中や認知症のサインかもしれません。

本日は高齢者のてんかんについてご紹介します。

てんかんになる原因は?遺伝する?意識がなくなる症状や薬、応急処置

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

参考:てんかんinfo
https://www.tenkan.info/

てんかんとはどのような病気かご存知でしょうか?
てんかん発作を繰り返す脳の病気で、年齢や性別、人種といったものは関係なく発病するのが特徴です。

世界保健機関(WHO)では、てんかんは「脳の慢性疾患」と定義されており、脳の神経細胞「ニューロン」に突然発生する激しい電気的な興奮により繰り返す発作が特徴。
この他様々な臨床症状や検査の異常が伴う、という風に WHOでは定義しています。

てんかん発作の症状は、大脳の電気的な興奮が発生する場所によって様々あります。

代表的なのが痙攣でしょうか。
手足をガクガクと一定のリズムで曲げ伸ばしする間代発作や手足が突っ張り体が硬直してしまう強直発作、まだ短時間意識が消失してしまう欠伸発作、手足が一瞬ピクッと反応してしまうミオクロニー発作、感覚や感情が変化し特殊な行動をしてしまうといった色々な症状が発生する複雑部分発作など、一言でてんかんといってもその症状は実に多彩なのです。

ただしてんかんの発作というのは、患者ごとにほぼ決まっていると言われています。
一人の患者は同じ発作を繰り返して起こす。
これがてんかんの特徴です。

なぜてんかんを発病してしまう?

てんかんの原因はさまざまあると言われており、その原因によって「特発性てんかん」と「症候性てんかん」に分けられています。

特発性てんかんは通常、検査をしても異常が見つからず、原因不明とされるてんかんのこと。現在では、生まれた時からてんかんになりやすい傾向を持っている、という風に考えられているそうです。
一般的にてんかんは遺伝しないと考えられています。
しかし特発性てんかんの場合、一部には「てんかんになりやすい傾向が遺伝する可能性」も指摘されているそうです。
現在のところ特発性転換に関してはまだまだわかっていないことも多く、研究が日夜進められています。

一方の症候性てんかんは、脳に何かしらの障害が発生していたり、脳の一部が損傷していたりすることを起因として発生するてんかんのこと。
例えば、出生時に脳が傷ついてしまったり、低酸素状態が続いたり、脳炎、髄膜炎、脳出血、脳梗塞、脳外傷、アルツハイマーなど、こうした原因で脳が損傷したため起こるてんかんです。

てんかんは何歳から発症する?

てんかんは0.5%から1%の人に見られる病気です。
発病する年齢としては、3歳以下が最も多く、成人すると発病者は減りますが、60歳を超えた高齢者になると、脳血管障害などを起因として転換の発病が増加するそうです。

小児てんかんの患者の一部は、成人になる前に治ることがあります。
しかし多くの人は、治療を継続し続けることも多いため、発票自体は子供に多い病気ですが、実際には乳幼児期から老年期まで幅広い期間で見られる病気なのです。

高齢者てんかんとは

先ほども軽く触れていますが、高齢者になると脳の障害を起因とするてんかんが見られる場合があります。

その原因は脳出血やくも膜下出血、脳梗塞といった脳血管障害、または頭部の外傷、転移性脳腫瘍や神経膠腫といった脳腫瘍などが原因で大脳に傷がついたり、腫瘍や出血が原因で脳が圧迫されてしまうことでてんかんが発生してしまう場合もあるのです。

特に発作が起こりやすい場所に傷がついてしまうと、てんかんを発病してしまう可能性が高くなります。
また、どこに傷がつくか、どこが圧迫されるか、その場所や大きさ種類によって、発作の種類は異なるそうです。

脳梗塞や脳出血を起こした場合、65歳以上の人が将来的にてんかんを起こす危険性は、大きな障害でなくとも50%から75%ととても高い数値になります。
ますます高齢化社会を迎える現代において、てんかんはとても大きな問題だと言えるでしょう。

またこれだけではなくアルツハイマー病も、てんかんを引き起こす要因になります。

アルツハイマー病は、大脳の側頭葉の内側にある海馬から神経の変性が起こることが多いそうです。
海馬はてんかんとのつながりが深い脳の部分だということが分かっており、海馬を起点とするてんかんは側頭葉てんかんと言われます。
このことからアルツハイマー病の人が起こすてんかんは側頭葉てんかんが多いと言われているのです。

アルコールてんかんも

通常のてんかんとは異なるものと考えられている一つにアルコールてんかんがあります。

アルコールてんかんは飲酒を中断した際に出現するてんかん発作のこと。
飲酒中断後48時間以内に発症することから、アルコールの離脱症状の一つだと考えられています。

アルコールてんかんでは全般性強直間代発作という発作が起こるのが特徴で、意識を消失してしまったり、全身の筋肉が硬直したり、その後間代性けいれんをきたし、およそ1分から2分で終了します。

終了後、数分かけて全身の筋弛緩と昏睡から徐々に回復するそうです。

発作の時は呼吸停止やチアノーゼ、散瞳、対光反射消失、唾液分泌亢進、尿失禁といった自律神経症状が強く、舌を噛んでしまったり、転倒したりすることもあるそうなので、もしもこうした症状が起こったことがある、という方はアルコールてんかんかもしれませんね。

高齢者てんかんの問題点

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

高齢者が引き起こす高齢者てんかん。
実際にどのような問題を引き起こす可能性があるのでしょうか?

具体例でいうと高齢者が引き起こす交通事故。
一般的には記憶力や判断力、といった認知機能が低下しているため、その影響で事故を起こしやすくなると言われています。
そのため2009年から、高齢者が運転免許証を更新する際、75歳以上のドライバーには必ず認知機能検査を受ける義務が課せられています。
実際に現在、道路交通法改正が進められており、新たに75歳以上には運転技能検査が義務づけられることになりました。
70歳から74歳のドライバーにも、同水準の技能評価を行う実車指導が導入され、より包括的な対策強化が図られた結果です。

ここまでてんかんについてご紹介してきました。
本当に高齢者が引き起こす事故は、認知機能の低下だけなのでしょうか?

よくニュースなどを見ていると、事故のことを覚えていない、どうして事故を引き起こしたのかわからない、そんな風にコメントしている高齢者を見たことはありませんか?

もしかするとその原因は高齢者てんかんの可能性もありますよね。

一般的に認知機能の低下で交通事故を起こす際、想定されるのはブレーキとアクセルを踏み間違う、とっさの判断を誤ってしまう、といったことでしょう。

しかしてんかんの場合、ぼーっとしてしまい意識が消失し、赤信号になってもアクセルを踏み続けてしまい、気がつけば対向車線にはみ出し、逆走状態になってしまう。
そこで意識を回復しても、自分は正しい車線を走っていると思っているため、いつも通りのスピードで走ってしまいます。
その結果対向車と正面衝突、という事故も考えられますよね。

てんかん発作中の脳波は異常がありますが、てんかん発作を起こしていない時の脳波は異常が見られません。
そのためてんかん発作によって事故を起こしたとしても、後日検査をしても脳波は正常なのです。
事故の後にてんかん発作による事故なのか、それとも本人の認知機能低下による事故なのか。
きちんと究明するのはとても困難でしょう。

まだまだてんかんは分かっていない部分も多いので、もしもぼーっとしていることが多い、突然意識が消失する、という自覚症状のある方は、一度検査をしたり、運転を控えたりした方が良いかもしれませんね。

てんかんの治療はどう行われるの?

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

てんかんは実際にどのような治療を行っていくのか、最後に確認してみましょう。

行われるのは問診です。
この問診では発作に関する情報を医師が聞き取りします。
発作の自覚症状がある場合は、どのような発作が起きたのか、周りの人からどのように言われたのか、といった情報はとても大切です。
この時に過去に脳に外傷を受けたことがあるのか、過去にどのような病気をしたことがあるのか、過去に熱性痙攣があったかどうか、と言ったことを訪ねるそうです。

その後脳波の検査を行います。

一般的にてんかん発作は、脳の神経細胞が過剰に興奮することで発生します。
発作時には通常と異なる大きな電流が流れますが、発作中でないときであっても特徴的な様々なのを排除が検査できるため、脳波検査は必ず行います。

しかし、短い脳波検査ではてんかんの異常脳波を記録することはなかなか困難だそうです。
そのため長時間にわたってビデオ撮影を行ったり、脳波測定を行ったりして異常がないかどうかを調べます。
この検査では、発作症状と発作時の脳波の所見を観察できるだけではなく、脳のどこから電気刺激が起こり広がっていくかを詳しく調べることができます。
そのためてんかん手術前の正確な診断を目的とされして実施されることが多いそうです。

その後てんかんの原因を調べるために CT 検査や MRI 検査 pet検査 SPECT といった検査が行われます。
この他は血液検査や脳磁図検査など様々な検査を行いてんかんの診断を確定させていきます。

てんかんの治療

痙攣発作が初めて起こった場合、その25%から30%は脳損傷や炎症など、誘引のある発作と言われており、再発率は10%以下だと言われています。
その場合、まずは誘因となる病気などの治療を優先します。

一方で、入院のない最初の発作の場合は再発率が30%から50%と言われており、再発のリスクが高い場合にのみ点眼の治療を開始します。
てんかんの治療はとても慎重に判断されるそうです。

治療は一般的に、日常的に抗てんかん薬を服用し、発作を抑えていきます。
抗てんかん薬が発作の種類によって使い分けられており、通常を始めが1種類の薬のみで治療を行いますが、症状によっては複数の薬を組み合わせて行われるそうですよ。

実際にてんかんかどうかの診断確定はとても難しいものだそうです。
過去に脳の病気をしたことがある、周りの人に言われて不安がある、意識を失った痙攣したという自覚症状がある、という方は、まずは専門医に相談してみるのが良いでしょう。

コメント
  1. てんかんかどうかわからないが 過去に5回ほど 主に 朝起きて 立ち上がった際に(入院中を 含む)全く意識が なくなり あたまから あるいは 尻から 倒れた 病院にて
    耳鼻科 を含むあらゆる 科 で しらべたが (入院含む)一過性のため 原因の追究ができなかった
    てんかんではないように 思うと 医者の診断 原因不明 これも てんかんの 一種でしょうか
    前の 天皇陛下 も 同い年 なんか ひっくり返ったみたいで 同じ症状のように 思います
    運転中に 起きたら どうなるんでしょうね どなたか けいけんおあありでしょうかね

  2. 私は40歳のころ勤務中に意識がなくなり倒れ、救急搬送されたあげく1か月の検査入院をした。父親が心筋梗塞で死亡したことがあり、原因がそこにあるのではないかと、いろんな検査をしても結局原因はわからず、ということで職場復帰した。今思えば、交通事故による頭部の打撲、仕事による慢性的なストレスの蓄積等意識がなくなるという症状は予測された。
    交通事故による頭部の打撲、仕事による慢性的なストレスの蓄積は脳の一部に軽い梗塞を生じさせていることが分かった。それは、先述の病院ではなく別の病院で分かったことだ。梗塞部分は脳に損傷を与え、それを起因としててんかんの症状が出るというのだ。今はそれを抑える薬、テグレトールを毎日朝夕2錠服用している。2錠服用しているのは、最初1錠でしばらく症状を抑えられたのが、半年前に症状が出たからだ。2錠服用で症状は抑えられているが、最近気分が悪くなり、てんかんの前ぶれではないかと救急車を呼ぶことに。MRIや脳波を検査してもらい、梗塞部分を特定した。
    結局、薬の継続服用と肉体と精神的に疲れないよう、心配事を増やさず、体調が悪くなったらすぐ安静するように注意された。今はそれしか術がないということのようだ。今は65歳を超え、仕事量もだいぶ減らしたもののそろそろ完全リタイアも真剣に考えている。

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