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熱中症から身を守る

梅雨明けは熱中症が急増する季節。運動しているとき、仕事で屋外を歩き回っているときだけでなく、室内にいるときでも十分な対策が必要です。予防のポイントは「暑さへの慣れ」と「適切な水分補給」。熱中症対策を知って、実践しましょう。

熱中症とは?

熱中症は、高温多湿の環境下で、体内の水分や塩分(ナトリウム)などのバランスが崩れたり、体温の調整ができなくなったりすることで発症します。症状としてはめまい、失神、大量の発汗、筋肉痛やこむら返り、頭痛、おう吐などがあり、重症になると意識がなくなったり、けいれんなどが起こったり、命の危険を伴うこともあります。
体が暑さに慣れていないと、熱中症になりやすいので、梅雨の合間に気温が上がったときや、梅雨明け直後は特に注意が必要です。また、晴天下で運動しているときだけでなく、室内にいるときや就寝中に発症することもあるので十分に注意を。睡眠不足や風邪気味など、体調不良のときも熱中症になりやすいので気をつけましょう。

夏を前に「暑熱順化」

熱中症になりにくい体を作るためには、梅雨明けまでに体を暑さに慣らす「暑熱順化(しょねつじゅんか)」が大切です。体が暑さになれると、血液の循環がよくなり、効率よく汗をかくようになるので、汗の蒸発で体の熱が奪われて体温が上がりにくくなります。また、汗腺の機能が高まるので、汗が出ていくときに汗腺でナトリウムが再吸収されやすくなります。熱中症は体内のナトリウムの減少が原因のひとつですから、汗で流れ出るナトリウムの量が減れば、熱中症になりにくくなります。

●暑熱順化の方法は?

暑熱順化するためには、本格的に暑くなる前にジョギングやウオーキング、サイクリングなどの運動で汗をかくとよいでしょう。1日に何回か小まめな運動を行えば、1週間程度で暑さに慣れます。また、半身浴やサウナで汗をかくことも効果があります。

乾く前に「水分補給」

人間の体は半分以上が水分であり、毎日尿や汗などで2リットル前後の水分を失っているため、飲み物や食事などで補う必要があります。
運動せず、ただ座ったり、眠ったりしているだけでも水分は失われるので適切な水分補給が必要です。

●乾く前に飲む!

のどが乾いたと感じたら、すでに脱水はかなり進んでいる状態です。のどの乾きを感じなくてもこまめに水分補給しましょう。また、脱水が進み過ぎるとかえってのどの乾きを感じにくくなり、口からの水分補給がしにくくなります。とにかく早めに水分を摂ることを心がけることが何より大切です。

<脱水の症状(体重に占める水分減少率)>(環境省より)
2%………のどの渇き
3%………強い渇き、意識がぼんやりする、食欲不振
4%………皮膚の紅潮、イライラする、体温上昇、疲労困ぱい、尿量の減少と濃縮
5%………頭痛、熱にうだる感じ
8~10%…身体動揺、けいれん

●運動時はナトリウムも

熱中症予防に水分補給は大切ですが、運動をしていて大量の汗をかいたときに水だけをたくさんとると、かえって脱水が進んでしまうことがあります。水での水分補給は、血液中のナトリウム濃度が薄くなるため、体はナトリウム濃度を正常に戻そうと、尿などで水分を排出することから、せっかくの水分が吸収されないことも。血液中のナトリウム濃度が薄くなると、「低ナトリウム血症」になり、吐き気や意識障がいなどを引きこす危険があります。
これを防ぐためには、ナトリウムの入ったスポーツドリンクや経口補水液で水分を補給することが大切です。厚生労働省などが熱中症予防のために推奨する飲料100ml中40~80mgのナトリウムを含有する清涼飲料水は、広告などに「熱中症対策」の用語を使用してよいことになっています。

暑さ指数をメールでお知らせ

環境省は、熱中症予防対策のひとつとして、日々の湿度、気温、日差しの強さで暑さを表す「暑さ指数」を個人向けに無料でメール配信しています。指数は、数値に従って「ほぼ安全」「注意」「警戒」「厳重警戒」「危険」の5段階に分類。熱中症対策に役立ててはいかがでしょうか?

【環境省】暑さ指数メール配信サービスについて:https://www.wbgt.env.go.jp/mail_service.php

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