●講座で使用しているノートパソコン

dynabook T67/U

CPU：Core i5-6200U 2.30GHz

メモリ：4GB

ストレージ：1TB

グラフィック：インテル HD グラフィックス520（CPUに内蔵）

ディスプレイ：17.3型ワイドFHD

光学ドライブ：ブルーレイディスクドライブ

OS：Windows 10 Home 64ビット

「大江戸ぱそこんライフ」

【登場人物紹介】

デジ形平次…江戸中に名を知られた腕利きの岡っ引。意外にも趣味はパソコンで、事件のない時は日がな一日ノートパソコンに向かっている。

アナ六…デジ形平次の子分で、名前のとおりのアナログ人間。パソコンを使いこなせるようになりたいが、いつもトンチンカンなことを言ってデジ形を呆れさせている。

ミドリ…デジ形平次の女房。パソコンに関してはデジ形より詳しいというのがもっぱらの噂。

　彼らがお送りする時空を超えた『NEWぱそこんライフ講座』、さて今回のお話は……。

写真加工アプリ「PhotoDirector 7」にチャレンジ！

アナ六「今年も桜の季節が終わり、江戸の桜も散ってしまいましたねえ」

ミドリ「何をしょげているんだい？東北や北海道の桜は、これからだっていうのにさ」

デジ形「それに八重桜だったら、まだまだ江戸でも咲いているぞ」

アナ六「でも、八重桜で花見をしている人なんて見かけませんぜ」

ミドリ「確かに、春の花はほかにもたくさんあるのに、みんな花見をするのはソメイヨシノだけだね」

デジ形「まあ、花見っていうのは、ソメイヨシノの開花にあわせて場所と期間を限定してやるから、いいのかもしれねえな。ところでアナ六、桜の写真は撮ったか？」

アナ六「へいっ、花見のときに撮りましたぜ」

デジ形「そいつをちょいと貸してくれねえか。ちょいと最近、写真の加工に凝っていてな」

アナ六「へえーっ、そいつは一体、どういう風のふきまわしで？」

デジ形「前回紹介した『dynabook T67/U』に入っている写真編集アプリ『サイバーリンク・フォトディレクター7・フォートウシバ（CyberLink PhotoDirector 7 for TOSHIBA）』をいろいろ試しているんだ」

アナ六「略して『フォトディレクター』でしたね。このアプリでは、何ができるんですかい？」

デジ形「無料でダウンロードできる写真編集アプリは今までたびたび紹介しているが、こいつはそれ以上の、プロが使うような高度な機能を備えているぞ」

アナ六「おおっ、写真はいくらでも貸しますから、その高度や機能ってヤツをぜひ教えてくださいっ！」

「レイヤー編集」で自然な合成写真ができる

デジ形「まず、『レイヤー』という機能を使った写真合成を見せてやろう」

アナ六「写真の合成っていうのは、写真をコピーして、別の写真の上に貼りつけるみたいなことで？」

デジ形「それはちょいと違うぞ。レイヤーというのは『層』という意味だ。単にコピー＆ペーストをするのではなく、それぞれの写真が独立した『層』で、それが重なりあって1枚の画像になっていると考えればいいだろう」

アナ六「そのやり方の、どこがいいんですかい？」

デジ形「それぞれの層は独立しているから、別々に写真の色の調整ができるし、サイズを変えることもできる。微妙な調整によって、より自然な合成写真を作れるっていうことだな」

ミドリ「最後に完成させるときは、それぞれの層を結合させて、1枚の画像ファイルにするんだけどね」

アナ六「初っ端から難しそうな話ですねえ」

不必要なものを自然に消せる「コンテンツ解析除去」

デジ形「今度は合成と逆に、写真に写っているものを消す機能を見せてやろう」

アナ六「小さい汚れとかをきれいに消すっていうなら、普通の写真加工アプリにもついていますよね」

デジ形「その通りだが、『フォトディレクター』の『コンテンツ解析除去』は、汚れを消すっていうレベルじゃねえぞ」

アナ六「どういうレベルなんですかい？」

ミドリ「実際に見たほうが早いだろうね」

アナ六「これは、同じ場所で撮った別々の写真なのでは？ネコがいなくなった跡が自然すぎますぜ」

デジ形「そこがこの機能のすごいところだ。周囲の画像を分析して、ネコを消去した跡が自然になるように合成したわけだな」

ミドリ「よく見ると、ちょいと不自然な部分も残っているけどね」

アナ六「普通に見る分には、なかなか気づきませんぜ」

「グラデーションマスク」で色味に変化をつける

デジ形「写真編集で、写真の色を明るくしたり、鮮やかにしたりというのはよくやるが、『フォトディレクター』には『グラデーションマスク』という面白い機能があるぞ」

アナ六「『なんとかマスク』っていうと、覆面をしたプロレスラーみたいですねえ」

ミドリ「何かを覆って隠すっていう意味では、写真編集のマスクも同じだけどね」

デジ形「このグラデーションマスクっていうのは、画像の一部分だけ色を変えて、その境目はグラデーション、つまりゆるやかに色を変えていくっていうしくみだ。これも画面を見せたほうが早いな」

アナ六「へえーっ、最初の写真はちょいとジミでしたが、色の変化をつけることで奥行きが出ましたねえ」

デジ形「グラデーションマスクは1カ所だけでなく、何カ所もかけられるっていうのも面白いところだ。上半分と下半分で、まるっきり色を変えることができるからな」

ミドリ「あまり極端に色を変えてもヘンだから、うまく調整しないとね」

アナ六「そこは写真加工の腕しだいですね」

デジ形「あとは『円形フィルター』っていうのもあって、画像の一部を丸で区切って、その外側の部分だけ色を調整することもできるぞ」

アナ六「何だか別世界のような、幻想的な写真になりますねえ」

パノラマ写真に顔の修整、まだまだある多彩な機能

デジ形「これだけでは、『フォトディレクター』の機能をすべて説明したとはとても言えねえが、あとは目立った機能をかいつまんで説明しよう」

アナ六「一体どれだけ機能があるんでしょう？」

デジ形「まずは、複数の風景写真を合成して、横長のパノラマ写真を作るっていう機能だ」

ミドリ「高いところへ登ったら、体を回して、風景全体を撮ったりするね。それをつなげて1枚の写真にするっていうわけさ」

アナ六「そいつは面白そうですねえ。でも、うまくつながるんでしょうか？」

デジ形「それは、さっきのコンテンツ解析除去のような技術で、つなぎ目の色を解析して、自然につながるようにしているわけだな」

アナ六「こいつは、まるで切ったロープが1本につながる手品のようですぜ」

デジ形「あと、人物写真を撮ったときに使いたいのが『ビューティーメイク機能』だ。顔の場合は目のクマを消したり、歯を白くしたりするほか、体型の補正もできるぞ」

アナ六「体型の補正っていうと、要するに痩せさせるっていうことで。こりゃあ、ダイエットいらずですねえ」

ミドリ「本人まで痩せるはずがないだろっ！」

簡単な編集モードもある「PowerDirector 14」

デジ形「最後に『サイバーリンク・パワーディレクター14・フォートウシバ（CyberLink PowerDirector 14 for TOSHIBA）』のほうも紹介しておこう」

アナ六「こっちは動画の編集アプリですね。でも動画の編集って難しそうだなあ」

デジ形「うむ。シーンごとに映像を切ってつないだりとか、特殊効果をかけたりとか、BGMや字幕をつけたりとか、いろいろやることはあるが、パワーディレクターの場合は『イージーエディター』というのがあって、それを使えばほぼ自動で編集してくれるぞ」

アナ六「それだったら、あっしにも使えそうですねえ」

デジ形「このモードでは、好きなシーンを切り取ってつなぐってことはできねえが、内容はそのままに、タイトルをつけたり、好きなBGMを加えたいっていうときには簡単にできて便利だぞ」

ミドリ「スタイルで『オリジナル』っていうのを選べばいいんだね」

アナ六「そんなに簡単なら、あっしも主演ドラマを1本撮ってみようかなあ」

デジ形「ほう、どんなドラマだ」

アナ六「もちろん時代劇の捕り物ですぜ。親分、ぜひ下手人役をお願いします」

デジ形「仮にも岡っ引のオレが、下手人の役なんかできるわけねえだろうが」

アナ六「確かに、この時代劇が評判になったら、親分のイメージはガタ落ちになるかもしれませんね」

ミドリ「まあ、評判になる確率はかぎりなく低そうだけどねっ」