「大江戸ぱそこんライフ」

【登場人物紹介】

デジ形平次…江戸中に名を知られた腕利きの岡っ引。意外にも趣味はパソコンで、事件のない時は日がな一日ノートパソコンに向かっている。

アナ六…デジ形平次の子分で、名前のとおりのアナログ人間。パソコンを使いこなせるようになりたいが、いつもトンチンカンなことを言ってデジ形を呆れさせている。

ミドリ…デジ形平次の女房。パソコンに関してはデジ形より詳しいというのがもっぱらの噂。

　彼らがお送りする時空を超えた『NEWぱそこんライフ講座』、さて今回のお話は……。

スマート＆スリムになった夏モデル

アナ六
「いやあ、暑くなってきましたねえ」

デジ形
「夜になれば、まだ涼しいけどな」

ミドリ
「そろそろ扇風機を出そうかね」

アナ六
「去年もこんなに暑かったですかねえ？」

デジ形
「ちょいと調べてみるか。さすがに過去の天気データは、前回のようにグーグル検索ですぐに調べがつくわけではなさそうだな」

ミドリ
「気象サイトで調べればいいさっ」

デジ形
「ふむ……江戸（東京）の天気は去年とあまり変わらないぞ」

アナ六
「ええっ、去年もこんなに暑かったので？」

デジ形
「5月31日には31.6度、翌日の6月1日には33.1度を記録しているな」

アナ六
「そりゃあ真夏の天気じゃねえですか!?」

ミドリ
「そのあと梅雨に入ると気温がグッと下がるけどね。こうやって昔の天気を見て比べるのも面白いねえ」

アナ六
「でも、夏が来るのが早すぎますぜ」

デジ形
「まあ、暑くなるのは勘弁だが、早くて困ることもねえだろう」

アナ六
「それは何のことを言ってるので？」

デジ形
「ムフフフ、そりゃあパソコンの夏モデルに決まっているだろうが！」

アナ六
「やっぱりそうでしたか！」

ミドリ
「今年も、もうそんな時期なんだねえ」

デジ形
「今回はスタンダードモデルとオールインワンデスクトップモデルを中心に9機種19モデルが発表されたぞ」

ミドリ
「『オールインワン～』は今まで『液晶一体型』と言っていたモデルだね」

アナ六
「今回の特長はどんなところでしょう？」

デジ形
「うむ、まずはスタンダードモデルのデザインを一新し、スマート＆スリムになったことだな」

アナ六
「パソコンが痩せたってことで？」

ミドリ
「ダイエットの話じゃないよっ！」

デジ形
「スリムってのは本体の薄さのことで、23.5～24.5ミリだ。光学ディスクドライブ内蔵のノートパソコンとしては、かなりの薄さだぞ」

ミドリ
「おまけに重さも約2.3～2.4キロに抑えたってさ」

アナ六
「楽に持ち運べそうですね」

デジ形
「一方のスマートってのは、キーボードとパームレスト部分（キーボードの手前にある手を置く場所）の段差がなくなり、一体感のあるデザインになったことだな」

ミドリ
「キーストローク（キーを押し込む深さ）は1.5ミリで、文字の入力も快適だそうだよ」

デジ形
「キーといえば、よく使う「Enterキー」や「BackSpaceキー」は今までより大きくしたそうだぞ」

アナ六
「へえーっ、いろいろな工夫があるんですねえ」

高音質の「ハイレゾ音源」が楽しめる

デジ形
「ところでアナ六は『ハイレゾ音源』を覚えているか？」

アナ六
「最近はやりのロックバンドか何かで？」

デジ形
「まあ、音楽には関係しているけどな。『ハイレゾ』ってのは『ハイレゾリューション（高解像度）』の略で、通常のCDの約6.5倍の情報量を持った高音質な音楽データのことだ」

ミドリ
「第35部・第2回でもとりあげているよっ」

アナ六
「でも、今回の話題とどういう関係が？」

デジ形
「スタンダードモデル4モデルとオールインワンデスクトップモデルの『dynabook D81』に搭載されている『TOSHIBA Media Player by sMedio TrueLink＋』という音楽プレイヤーアプリが、ハイレゾ音源対応になったんだ」

アナ六
「そのハイレゾってヤツは、今までは聴くことができなかったので？」

デジ形
「ひと口にハイレゾと言ってもファイル形式がいろいろあって、それぞれに対応した音楽プレイヤーアプリをダウンロードしなければならなかったんだ。それが必要なくなったわけだな」

ミドリ
「ハイレゾ対応のヘッドホンを接続すれば、すぐにハイレゾ音源の音楽を聴けるわけだね」

アナ六
「なるほど、音楽ファンには耳寄りな話ですね」

デジ形
「ほかにも、『シーキューボルト（SeeQVault）』と呼ばれる新しいコンテンツ保護技術に対応したぞ。これを利用すればREGZAブルーレイやREGZAサーバーに録画した番組をHD画質のままパソコンで見られるんだ」

アナ六
「ええっと、ワイファイ経由でレコーダーとパソコンをつなぐんでしたっけ？」

デジ形
「それは元からある『TVコネクトスイート』のほうだな。今回はシーキューボルト対応のSDメモリカードなどにダビングして、それをパソコンにつないで見るという方式だ」

ミドリ
「HD画質で見られるというのがポイントだね」

アナ六
「それにしても、新しい技術が次々と出てきますねえ」

4K液晶ディスプレイを搭載したスタンダードモデル

デジ形
「それじゃあ、それぞれの機種を紹介していくぞ。まずは『dynabook Tシリーズ』からだ」

アナ六
「Tがつくのはどんなシリーズでしたっけ」

デジ形
「スタンダードノートPCのシリーズで、今回は『dynabook T95』『dynabook T75』『dynabook T55』『dynabook T45』の4機種が発表されたぞ」

アナ六
「数字の大きい『T95』が一番上の機種ですね」

デジ形
「その通りだ。スタンダードと言いながらも15.6型の4K液晶画面を搭載している」

アナ六
「おっ、4Kって言葉は聞き覚えがありますぜ」

ミドリ
「4Kテレビの4Kと同じ意味だね」

デジ形
「うむ、4K液晶ってのは、フルHD画面の約4倍のドット数を持つ高解像度ディスプレイのことだ。おまけにタッチ操作にも対応しているぞ」

アナ六
「おおっ、さすがは上位機種。でも、この4K画面はどんなときに便利なので？」

デジ形
「画面がきれいなのは当然だが、それ以外に表示範囲が広くなるメリットもある。地図アプリは縮小すると町名や細い道が省略されたりするよな？」

アナ六
「確かに、住所から知り合いの住む町を探しても、地図を拡大するまでは町名が出てこなかったりしますね」

デジ形
「だが、4Kはドットが細かいから、そういった詳細な部分も残したまま、広い範囲を表示できるんだ」

アナ六
「へえーっ、地図が使いやすくなるわけで」

デジ形
「それに複数のウィンドウが並んでいても、ゴチャゴチャした印象がなくなるはずだ」

ミドリ
「田の字に4枚並んだフルHD画面が、1画面にギュッと縮小したようなものだからね」

アナ六
「へえーっ、でもそれじゃあ、文字が小さくなって見にくくなるのでは？」

デジ形
「そういうときのために『東芝画面設定ユーティリティ』が搭載されており、文字やアイコンの表示を好みのサイズに変更できるぞ」

アナ六
「なるほど、それなら画面に顔を近づけなくても大丈夫そうですね」

高機能と低消費電力の第5世代CPUを搭載

デジ形
「次に、仕様が似通っている『dynabook T75』と『dynabook T55』をまとめて紹介しよう。CPUに第5世代の『Core i』を搭載し、高機能と低消費電力を両立させているぞ」

アナ六
「両方ともCPUは同じなんですかい？」

デジ形
「第5世代ってところは同じなんだが、『T75』は『Core i7-5500U』で、『T55』は『Core i3-5005U』だ」

アナ六
「なるほど、ほかに違うところはあるんですかい？」

デジ形
「あとはメモリ容量が『T75』は8GBで『T55』は4GBってところぐらいだ」

ミドリ
「カラーバリエーションを忘れているよっ。『T75』はリュクスホワイト（白）、プレシャスブラック（黒）、サテンゴールド（金）、モデナレッド（赤）の4色から選べるけれど、『T55』は黒を除いた3色だね」

アナ六
「色にこだわりのある人には重要な情報ですねえ」

デジ形
「そういえば、『T75』には『アドビ・フォトショップエレメンツ12』が付属しているが、『T55』には付属していないようだな」

アナ六
「逆に共通しているのはどんなところで？」

デジ形
「画面は15.6型のフルHDだ。普通は『T75』と『T55』で差をつけるものだが、下のクラスの『T55』にもフルHDを搭載したってのが注目すべきところだ」

ミドリ
「これからもフルHD搭載モデルが広がっていくんだろうね」

デジ形
「ハードディスク容量が1TBで、ブルーレイディスクドライブを搭載しているのも共通の仕様だ」

アナ六
「ブルーレイで映画を見るなら、フルHDってのはありがたいですね」

ミドリ
「両方ともオンキヨー製ステレオスピーカーを搭載しているから、迫力のある音で見ることができるよっ」

デジ形
「残る『dynabook T45』は、CPUにCeleronを搭載した普及タイプだ。ほかにDVDスーパーマルチドライブや、HD画面ってあたりが上位機種と違うところだが、それ以外は同じだぞ」

アナ六
「えーっと、それ以外は何がありましたっけ？」

ミドリ
「ハードディスクが1TBとか、オンキヨー製ステレオスピーカー搭載ってあたりだね。メモリは『T55』と同じ4GBで、色も3色から選べるよっ」

デジ形
「『T45』には上位2機種より優れているところもあるぞ」

アナ六
「ええっ、下位の機種なのに!?わかった、お値段がお得ってところですね」

ミドリ
「そういうことは、優れているって言わないんじゃないのかい？」

デジ形
「バッテリー駆動時間だ。上位2機種が5.5時間なのに対し、『T45』は7時間もあるぞ」

アナ六
「うっかり電源プラグを挿し忘れても、しばらくは大丈夫ですね」

デジ形
「そいつはどうかな。パソコンのバッテリーが減っていくのを気づかないかもしれねえぞ」

アナ六
「それは大いに考えられますねえ」

ミドリ
「感心して聞くような話じゃないよっ」

3波対応で2番組録画もできるオールインワンモデル

デジ形
「次に紹介するのはオールインワンデスクトップモデルの『dynabook Dシリーズ』だ」

アナ六
「ええっと、こっちはどういったパソコンなので？」

デジ形
「簡単に言うと、パソコンの本体と画面が一体になった据え置き型モデルってところだな」

ミドリ
「持ち運びはしにくいけれど、画面が大きいのがメリットだね」

アナ六
「テレビも見られるんでしたっけ？」

デジ形
「今回発表されたのは『dynabook D81』『dynabook D71』『dynabook D51』『dynabook D41』の4機種だが、『D81』『D71』『D51』は3波対応のW録チューナーがついているぞ」

アナ六
「3波ってのは地デジとBSデジタルと、もうひとつは何でしたっけ？」

デジ形
「110度CSデジタルだ。それらを2番組同時に録画できるのが、『3波対応W録チューナー』だ」

ミドリ
「下位の機種は地上デジタルしか見られなかったりしたけれど、今回は3機種そろって『3波対応W録』なんだねっ」

アナ六
「機能が同じなら、下位機種のほうがお買い得じゃないので？」

デジ形
「いや、上位機種の『D81』には『StationTV X for TOSHIBA』というアプリが搭載されていて、画面にニュースや気象情報などが表示される『ハイブリッドキャスト』に対応していたり、番組表を好みのチャンネルだけに絞り込んで表示する機能もついているぞ」

ミドリ
「パソコンを起動せずにテレビだけ見るための『今スグTV』って機能があったり、タッチ操作に対応しているのも『D81』だけだね」

デジ形
「最初に言ったハイレゾ音源対応のプレイヤーアプリがインストールされているのも、このシリーズでは『D81』だけだ」

アナ六
「ここまでいろいろついていたら、『D81』のほうが欲しくなりますぜ」

デジ形
「一方、21.5型フルHDなど、見かけはほぼ同じながらテレビチューナーがついていないのが、『dynabook D41』だ」

アナ六
「家のテレビがまだ新品だったら、こちらのほうがいいですね」

ミドリ
「アナ六のようにワンルームに住んでいるんだったら、テレビは2台もいらないしね」

デジ形
「だが、この機種はDVDスーパーマルチドライブ搭載だから、ブルーレイの映像を楽しみたいというなら、ブルーレイディスクドライブを搭載した上位機種を買う必要があるな」

ミドリ
「パソコンを買うときには、パソコンで何をしたいか考えて、それに合ったパソコンを選ぶべきだね」

タッチ操作もできる小型ネットノート

アナ六
「スタンダードノートとオールインワンの紹介が終わって、これで全部でしたっけ？」

デジ形
「もうひとつ、11.6型画面のタッチ対応ネットノート『dynabook N51』が残っているぞ」

アナ六
「ネットノートというと、小型のノートパソコンですね」

デジ形
「小型ながらタッチ操作はできるし、オフィスも搭載されているぞ」

ミドリ
「ちなみに、今まで紹介してきた機種にはいずれも『Microsoft Office Home ＆ Business Premiumプラス Office 365 サービス』が付属しているよっ」

アナ六
「遊びだけでなく、ビジネスにも使えるってわけで」

デジ形
「それともうひとつ、最初に言った『シーキューボルト（SeeQVault）』に対応しているから、その仕組みを利用すれば、このパソコンを外へ持ち出して、HD画質で録画した番組を見ることができるぞ」

アナ六
「おおっ、旅先でヒマになったときに、録画番組を見たりできるわけで」

ミドリ
「いろいろな用途が考えられて楽しくなるね」

デジ形
「どうだ、今回紹介した中で気に入った機種はあったか？」

アナ六
「画面が大きくてテレビの録画ができるオールインワンもいいし、きれいな4K画面のスタンダードモデルもいいし、外に持ち出せるネットノートもいいなあ。あっしには決められないので、パソコン好きな知り合いに聞きまわって、多数決で決めますぜ」

ミドリ
「他人任せだねえ」

デジ形
「それで決まったらそのパソコンを買うってのか？」

アナ六
「そりゃあ、もちろん親分にお勧めして買わせるわけで」

デジ形
「何言ってんだ、自分が買うパソコンぐらい自分で決めるぞ！」

アナ六
「うひゃっ、こいつはヤブヘビでしたぜ」

ミドリ
「皆さんも、パソコンを買うときには自分の目でよく見て選んでくださいね」