●講座で使用しているノートパソコン

dynabook T85/A

CPU：Core i7-6500U 2.50GHz

メモリ：16GB

記憶装置：1TBハイブリッドドライブ

グラフィック：インテル HD グラフィックス520（CPUに内蔵）

ディスプレイ：15.6型ワイドFHD

光学ドライブ：ブルーレイディスクドライブ

OS：Windows 10 Home 64ビット

「大江戸ぱそこんライフ」

【登場人物紹介】

デジ形平次…江戸中に名を知られた腕利きの岡っ引。意外にも趣味はパソコンで、事件のない時は日がな一日ノートパソコンに向かっている。

アナ六…デジ形平次の子分で、名前のとおりのアナログ人間。パソコンを使いこなせるようになりたいが、いつもトンチンカンなことを言ってデジ形を呆れさせている。

ミドリ…デジ形平次の女房。パソコンに関してはデジ形より詳しいというのがもっぱらの噂。

　彼らがお送りする時空を超えた『NEWぱそこんライフ講座』、さて今回のお話は……。

大事なデータはクラウドストレージに保存

アナ六「いやあ、暑い暑い。9月になっても、そう簡単に秋になってくれませんね」

デジ形「40度近くまで気温が上がったころより、多少はマシになったけどな」

ミドリ「朝晩は涼しい風も吹くようになったしね」

アナ六「それにしても、台風の影響で、各地が水害ですごいことになってますぜ」

デジ形「年々ひどくなっている感じもするな」

アナ六「ニュースではやりませんが、パソコンが水没してダメになったっていうのも多いんですかね」

デジ形「おそらく、そういうこともあるだろうな」

ミドリ「パソコンよりも避難するほうが大切だから、仕方がないね」

アナ六「パソコンの中に入っていた大事なデータが消えたら、残念無念ですね」

デジ形「そのためにも、バックアップはしっかりとっておかないとな」

アナ六「でも、外付けのハードディスクとかDVD-ROMだったら、同じことでは？」

ミドリ「DVD-ROMは、表面にキズがつかない限りは大丈夫だと思うけどね」

デジ形「クラウドストレージにバックアップしておけば、そんな心配もないぞ」

アナ六「インターネット上にアップロードするんですね。でも、クラウドストレージのデータがある場所が、災害にあったらどうなるんでしょうねえ？」

デジ形「そこらへんの対策は万全のはずだ。例えばデータのバックアップをとって、複数の場所で管理していたりするようだからな」

アナ六「なるほど、ひとつがダメになっても、もうひとつが大丈夫だったらオッケーってわけで」

ミドリ「ほかにもいろいろな対策をとっているだろうけどね」

アナ六「でも、クラウドストレージっていろいろありますが、どこのクラウドがいいんですかね？」

デジ形「それなら、今回はいろいろなクラウドストレージを紹介してやろう」

アナ六「おおっ、よろしくお願いしますぜ！」

容量無制限の有料サービス「Amazonドライブ」

デジ形「まずはAmazonドライブを紹介しよう」

アナ六「あれっ、Amazonって言ったら、いろんな買い物をするサイトの名前ですよね？」

デジ形「うむ、そのAmazonが行っているサービスのひとつだ。クラウドストレージは以前からやっていたが、今年の初めから、新たなプランが始まっているぞ」

アナ六「へえーっ、そいつは知りませんでしたぜ」

デジ形「画面を見てのとおり、Amazonドライブには2種類がある。ひとつは『プライムフォト』で、写真は無制限、その他のファイルは5GBまでアップロードできるという内容だ。こいつはAmazonプライムの会員だけが使えるサービスだ」

アナ六「その会員ってのは、金がかかるんですかい？」

ミドリ「それほど高くないし、ほかにもいろいろな特典があってお得な感じはするけどね」

デジ形「もうひとつが『Unlimitedストレージ』というもので、写真もそれ以外のどんなファイルも、容量無制限でアップロードできるぞ」

アナ六「そいつはすごいですねえ。でも、それだけ気前がいいっていうことは、やっぱり有料なんですよね」

デジ形「そのとおりだ。だが、年額13800円だから、ひと月1千円ちょっとだぞ。それから、3か月間の無料体験もできる」

アナ六「じゃあ、3か月経ったらやめれば、タダで使えてお得ですね」

ミドリ「このサービスは、続けて使うことに意味があるんだよっ」

専用アプリでファイルをアップロード

デジ形「Amazonドライブについて、もう少し詳しく説明しよう。パソコンで使う場合は、ファイルのアップロードやダウンロードをするためのアプリが用意されているぞ」

アナ六「そいつを使って、ファイルをクラウドストレージに保存するわけですね」

デジ形「その場合は、一覧からアップロードするファイルを選んでもいいし、ファイルやフォルダーを、アプリのウィンドウの中に直接ドラッグ＆ドロップしても、アップロードが始まるようになっている」

アナ六「そいつは簡単でいいですねえ」

デジ形「アップロードしたファイルは、AmazonドライブのWebサイトで見ることができる。それから、写真の場合は、ちょっとした編集機能もついてるぞ」

アナ六「明るくしたり、暗くしたりできるんですね」

デジ形「色味を変えたりするメニューもあるようだな」

オフィスのファイルが開ける「OneDrive」

デジ形「次に紹介するのは、ワンドライブ（OneDrive）だ。Windows 8以降のパソコンに搭載されているから、誰でも知っているだろうけどな」

アナ六「こいつの話は以前から聞いているから、あっしもある程度は知っていますぜ」

ミドリ「最近は第40部・第12回で詳しく紹介しているね」

アナ六「フォルダーと一体化していて、ワンドライブのフォルダーにファイルを移動すれば、自動的にアップロードされるんですよね」

デジ形「アップロードしたファイルは、ワンドライブのWebサイトでも見ることができる。『ワードオンライン』や『エクセルオンライン』といったワンドライブ付属のオンラインアプリで、オフィスのファイルを開けるっていうのも大きな特徴だ」

ミドリ「マイクロソフトオフィスの入っていないパソコンでも、オフィスのファイルを見たり、作成したりできるっていうことだねっ」

アナ六「じゃあ、パソコンにオフィスを入れておかなくても大丈夫ですね」

デジ形「だが、オンラインアプリのほうは、タダだけあって機能が制限されているようだぞ」

アナ六「ムムッ、そういうことでしたか。でも無料で使えるのはありがたいことで」

デジ形「基本として、無料で使えるのは5GBまでだ。それより増やしたい場合は、月々170円で50GBを追加することができる」

ミドリ「Office365を契約すれば、1TBまで使えるね」

アナ六「そのOffice365ってのは、毎月金がかかるんでしたよね」

デジ形「だが、最新のオフィスのアプリが使えるってメリットがあるぞ。『Office2016』のようなパッケージ版では、機能が追加されても更新されないからな」

アナ六「うーん、そいつは悩ましいところで」

無料で15GBまで使えるグーグルドライブ

デジ形「最後に紹介するのは、グーグルのクラウドストレージ、『グーグルドライブ』だ」

アナ六「これも名前のとおり、グーグルがやっているクラウドストレージですね」

デジ形「そうだ。こいつもアプリをダウンロードすれば、専用のフォルダーができて、ファイルを移動するだけでアップロードできるぞ」

ミドリ「そのフォルダーに入ってるファイルを修正すると、それがアップロードしたファイルにも反映されるんだね」

アナ六「そこらへんは、ワンドライブと同じ仕組みですねえ」

デジ形「グーグルドライブは15GBまで無料で使えるぞ。ただし、Gメールとグーグルフォトが込みになるけどな」

アナ六「Gメールはわかりますが、グーグルドライブとグーグルフォトってのは、どう違うんですかい？」

デジ形「グーグルフォトは、その名のとおり写真と動画専用で、『高画質』っていう設定でアップロードすれば、容量無制限でアップロードできる。この設定を行わないでアップロードした場合は、15GBまでっていうことになるわけだ」

アナ六「じゃあ、グーグルドライブのほうは、写真以外のファイルをアップロードするので？」

デジ形「いや、グーグルドライブにも写真をアップロードできるぞ。ただし、グーグルフォトの機能は使えないし、15GBまでの制限がかかるっていうわけだ」

アナ六「それだったら、グーグルフォトで、タダでアップロードしほうだいのほうがいいですね」

デジ形「そこはうまく使い分けるといいだろう。ちなみに、月250円で100GBまで、月1300円で1TBまで増やせるぞ」

アナ六「さっきのワンドライブでは、オンラインでオフィスのファイルが開けましたが、グーグルドライブのほうではどうなっているので？」

デジ形「グーグルドライブにもオンラインアプリがあり、オフィスのファイルを開いたり、簡単な編集もできるぞ。それに、オンラインアプリのGoogle ドキュメント、スプレッドシート、スライドで新たに作成したファイルは、使用容量に含まれないというメリットもある」

アナ六「そいつはお得ですねえ」

デジ形「オンライン上では独自のファイル形式だが、オフィスのファイル形式を選んでダウンロードすることもできるぞ」

アナ六「それだったら、問題なく使えそうですね」

ミドリ「まあ、やっぱりオンラインでは、使える機能は限られているけどね」

デジ形「どうだアナ六、気に入ったクラウドストレージはみつかったか？」

アナ六「いやあ、どれも同じに見えてきますね」

ミドリ「実際に、やっていることに大差はないからねえ」

アナ六「無料でたくさんの容量が使えるのがグーグルドライブだから、これがいいかなあ？」

デジ形「まあ、最初は無料サービスを使って、容量がいっぱいになったら、またそこで考えてもいいだろう」

ミドリ「用途や目的別で、複数のクラウドストレージを使い分けるのもいいかもね」

アナ六「考えれば考えるほど、迷いますねえ。ちょいと表に出て頭を冷やしてきますぜ」

デジ形「こんな暑い中出て行ったら、よけいに頭が熱くなるだけじゃねえのか？」

アナ六「いや、ちょいとかき氷でも食べてこようかと」

ミドリ「おや、うらやましいねえ」

デジ形「夏らしいことができるのも、あと少しだな」