●講座で使用しているノートパソコン

dynabook R82/PGP

CPU：Core M-5Y31 900MHz

メモリ：4GB

SSD：256GB

グラフィック：インテル HD グラフィックス5300（CPUに内蔵）

ディスプレイ：12.5型ワイドFHD

OS：Windows 8.1 Update 64ビット

「大江戸ぱそこんライフ」

【登場人物紹介】

デジ形平次…江戸中に名を知られた腕利きの岡っ引。意外にも趣味はパソコンで、事件のない時は日がな一日ノートパソコンに向かっている。

アナ六…デジ形平次の子分で、名前のとおりのアナログ人間。パソコンを使いこなせるようになりたいが、いつもトンチンカンなことを言ってデジ形を呆れさせている。

ミドリ…デジ形平次の女房。パソコンに関してはデジ形より詳しいというのがもっぱらの噂。

　彼らがお送りする時空を超えた『NEWぱそこんライフ講座』、さて今回のお話は……。

「Windows 10」の無料アップグレード予約スタート！

デジ形
「アナ六、こいつは大変なことになったぞ」

アナ六
「ええっ、何か重大事件でも起こったので？」

ミドリ
「岡っ引が出てくるような事件じゃないけどね」

デジ形
「とにかく、パソコンのここを見てみろ」

アナ六
「ムムム、タスクバーに見慣れないアイコンが!?」

ミドリ
「これはWindowsのマークだよっ」

アナ六
「危ないウィルスか何かじゃないんですかい？クリックしたら個人情報が盗まれたりして」

デジ形
「近ごろそういう事件が多いが、こいつにその心配はないぞ。表示されるのはこの画面だ」

アナ六
「こいつはWindowsになりすましてアップグレードの代金を振り込ませるっていう手では？こりゃあ事件の臭いがプンプンしますぜ」

デジ形
「いや、Windows10へのアップグレードは、無料で行われるぞ」

アナ六
「ええっ、Windowsがタダになったんですかい？」

ミドリ
「全部がタダってわけじゃないよっ。Windows7と8.1が対象で、Windows10発表から1年間っていう制限があるのさ」

アナ六
「へえーっ、でも、太っ腹な話ですねえ」

デジ形
「ただ注意したいのは、パソコンの動作環境がWindows10に対応しているかどうかだ。アップグレードの予約通知はWindows 7以降のパソコンに配信されているようだが、パソコンによっては、Windows10に対応できない恐れがある」

ミドリ
「大部分のパソコンは問題ないだろうけどね」

デジ形
「予約する前に、パソコンメーカーのWebサイトなどで、Windows10に移行しても大丈夫かどうか調べるべきだな」

アナ六
「で、Windows10が出るのはいつになるので？」

デジ形
「7月29日以降だ。予想より早かったのでビックリしたぞ」

アナ六
「こいつは楽しみですねえ」

写真が無制限に保存できる「Googleフォト」

デジ形
「実はもうひとつニュースがあるぞ。というか、こっちが今回の本題だ」

アナ六
「今度こそ捕り物で？」

ミドリ
「そんなわけないだろっ！」

デジ形
「グーグルが『グーグル（Google）フォト』というサービスを新たに始めたんだ」

アナ六
「あれっ、そういうのって前からありませんでしたっけ？」

デジ形
「以前はSNSの『グーグルプラス（Google+）』に付属するかたちで『フォト』があったが、今回はそこから独立したということらしい」

アナ六
「で、こいつはどういうサービスなので？」

デジ形
「簡単にいうとクラウドサービスのひとつで、写真や動画をグーグルのクラウドストレージにアップロードして保存するって仕組みだ」

アナ六
「でも、同じようなヤツで『グーグルドライブ（GoogleDrive）』ってのがありませんでしたっけ？」

デジ形
「あっちは写真以外の文書ファイルなども保存できるが、グーグルフォトは写真や動画だけだ」

ミドリ
「ちなみにグーグルドライブに保存した写真もグーグルフォトで見ることができるよっ」

アナ六
「なるほど、こっちは写真だけがズラーッと並ぶわけですね」

デジ形
「ただ保存するだけじゃなくて、スマホやタブレットとか、ほかの機器からでも見ることができるぞ」

アナ六
「例によって、タダで使える容量が何GBって決まっていて、それ以上は有料になるので？」

デジ形
「そこがこのサービスの最大の特徴だ。アップロードのときにファイルサイズが圧縮されるものの、何枚写真をアップロードしても無料で使えるぞ」

アナ六
「ええっ、本当ですか？1万枚でもタダなので？」

デジ形
「一応、容量制限なしと書いてあるからな」

ミドリ
「ちなみに、元のサイズのままアップロードする設定では15GBまで無料で、それ以上は有料になるよっ」

アナ六
「あっしは絶対タダのほうを選びますぜ」

グーグルフォトの多彩な編集機能

デジ形
「グーグルフォトは写真をアップロードするだけでなく、ちょっとした編集機能もついているぞ」

アナ六
「写真を切り抜いたり、明るさを調整したりできるってことで？」

デジ形
「そういう基本的なことはもちろんだが、もう少し凝った加工もできるぞ。編集を行うには、写真を選んだときに表示される鉛筆アイコンをクリックする。メニューは調整アイコン、写真アイコン、切り抜きアイコンの3種類だ」

アナ六
「切り抜きってのは、写真の肝心なところだけを四角く切り取って、余分なところをカットするんですよね」

デジ形
「そのとおりだ。だが、グーグルフォトの切り抜きアイコンを選ぶと、切り抜きと一緒に画面を回転させることもできるぞ」

アナ六
「横になっている写真を回転させて立てるヤツですかい？」

デジ形
「90度ずつ回転させるボタンもついているが、もっと微妙に角度をつけることもできる」

ミドリ
「何度傾けたか、具体的に数字が出てくるよ。写真の傾きを修整するのに便利だけど、写真をわざと傾けてみるのも面白そうだねっ」

デジ形
「写真アイコンでは、さまざまな色調のフィルターから気に入ったものを選んで加工できるぞ」

アナ六
「自分で調整しなくても自動的にやってくれるから楽チンですね」

デジ形
「その通りだが、こいつには選んだ色をさらに微調整できるスライドバーもついているぞ」

ミドリ
「フィルターの名前が『マーズ』や『ビーナス』とかユニークだけど、太陽系の惑星・衛星の名前からとられているみたいだね」

アナ六
「火星や金星ならわかりますが、英語になるとさっぱりですぜ」

デジ形
「残るは調整アイコンだが、明るさや色味を調整するだけでなく、『ポップ』と『周辺減光』という効果を加えることができるぞ。ポップってのは色調を高めて色のメリハリが強くなる感じで、周辺減光は、写真の四隅が暗くなり、レトロな効果が得られる」

アナ六
「それぞれの効果を組み合わせれば、最初の写真とはだいぶ印象が変わりますね。でも、編集がうまくいかなかったときは、元の写真に戻せるんですかい？」

デジ形
「うむ。編集を加えて保存しても、元の写真のデータは残っている。『保存』の隣りにあるオプションメニューで『元に戻す』を選ぶと、最初の写真に戻るぞ」

アナ六
「それを聞いて安心しましたぜ」

自動的に編集作品ができる「アシスタント機能」

デジ形
「グーグルフォト独自の機能としては、『アシスタント機能』があるぞ」

アナ六
「アシスタントというからには、何か手伝ってくれるので？」

デジ形
「手伝うというよりは、アップロードした写真を使って勝手に作品を作るってところだ」

アナ六
「へえーっ、勝手に作るってのは面白いですねえ。一体どういう仕組みなので？」

デジ形
「新たに写真をアップロードしたときなどに、『アシスタント』のアイコンをクリックすると、何か新たな作品ができていることがある。気に入ったら保存するってわけだ」

アナ六
「このアシスタントってのは勝手というか、自由気ままなんですね」

デジ形
「今見せたのは写真編集だが、それ以外にコラージュやストーリー（フォトアルバム）なども作ってくれるぞ」

アナ六
「こいつは面倒くさがりなあっし向きですねえ」

タグをつけなくても写真を自動判別

アナ六
「ところで、グーグルフォトが勝手に作ってくれた作品ってのは、どうやったら見ることができるので？」

デジ形
「まず、『アシスタント』の中で表示されているときに『ライブラリに保存』を選ぶのが第一だ。保存しないで消去してしまうと、二度と見られなくなるぞ」

アナ六
「そいつはうっかりできませんねえ」

ミドリ
「それでもうっかりしてしまうのがアナ六だけどね」

デジ形
「で、保存先は元の写真と同じ場所だから、見るのは簡単だな」

アナ六
「なるほど。でも、写真の枚数が増えてくると、探すのがけっこう大変になりませんか？」

デジ形
「そりゃあいい質問だ。だが、画面を見ればわかるようにグーグルお得意の検索ってものがある」

アナ六
「なるほど、ここにキーワードを入れるわけで」

デジ形
「ちょいと待った。文字を入れる前に、空欄のまま検索窓をクリックしてみるんだ」

アナ六
「おおっ、よく見る検索結果とは違った風景が……」

デジ形
「アシスタント機能で作られた作品は、『クリエイティブ』をクリックすると一覧で表示されるぞ。ただしストーリー（フォトアルバム）は『コレクション』に置かれるようだ」

ミドリ
「グーグルドライブに保存した写真も分けて見ることができるんだね」

アナ六
「写真が写っている項目もありますが、この『花』『食品』『空』ってのはどういうふうに分けているので？」

デジ形
「こいつは驚いたことに、写真自体を判別して分類しているんだ」

アナ六
「ええっ、コンピューターが花とか食べ物を区別できるんですかい？」

ミドリ
「写真に分類用のキーワードを入れた『タグ』をつけることがあるけれど、ここでは必要ないんだね」

デジ形
「まあ、100パーセント正確ってわけじゃねえが、なかなかのものだぞ」

アナ六
「へえーっ、検索ってのはどんどんすごくなっていきますねえ」

写真を自動アップロードするアプリ

デジ形
「最後に紹介するのは、写真をグーグルフォトに自動的にアップロードするアプリだ」

アナ六
「あれっ、グーグルフォトの画面にアップロードらしきアイコンがありますが、これとは違うので？」

デジ形
「確かに、そのアイコンをクリックして写真を選ぶ方式もあるし、写真をグーグルフォトのウィンドウにドラッグする方式もある。それとは別に、アップロード専用アプリ（グーグルフォトバックアップ）を利用する手もあるって話だ」

アナ六
「いろいろな方法があるもので」

デジ形
「このアプリを使うと便利なのは、指定したフォルダーに写真を入れれば、自動的にグーグルフォトにアップロードしてくれるところだ。また、デジカメからUSBケーブル接続やSDカードを使ってパソコンにコピーするときも、直接アップロードするように指定できるぞ」

アナ六
「へえーっ、フォルダーに写真を入れるだけとか、便利なことで」

ミドリ
「写真の枚数が多いとアップロードに時間がかかるから、カメラやSDカードから直接アップロードするときなんかは注意しておきたいね」

アナ六
「いやあ、Windows 10といい、グーグルフォトといい、無料ってのはありがたいことで。でも、収入がないのに会社の経営は大丈夫なんでしょうか？」

デジ形
「無料にすれば利用者がたくさん集まる。その先に商売のチャンスがあるってことだな。例えばアナ六が好きなネットゲームも、最初は無料なのに、途中でアイテムが必要になって買ったりするだろう。それがもうけになるわけだ」

アナ六
「ふむ、要するに、人を増やせば何か商売ができるってわけですね。あっしも今回教わったことをネタに、パソコンに興味のある知り合いを増やしますかねえ」

デジ形
「それで何の商売をするつもりだ？」

アナ六
「う～ん、パソコン教室とか？」

ミドリ
「自分がパソコンを教わっているのに、教室を開いて教えるつもりかい？」

アナ六
「あっ、そうでした。あっしはデジ形パソコン教室の生徒でしたぜ」

デジ形
「講座のタイトルを勝手に替えるな！」