●講座で使用しているノートパソコン

dynabook N51

CPU：Celeron N2840 2.16GHz

メモリ：4GB

HDD：500GB

グラフィック：インテル HD グラフィックス（CPUに内蔵）

ディスプレイ：11.6型ワイドHD

OS：Windows 8.1 Update 64ビット

「大江戸ぱそこんライフ」

【登場人物紹介】

デジ形平次…江戸中に名を知られた腕利きの岡っ引。意外にも趣味はパソコンで、事件のない時は日がな一日ノートパソコンに向かっている。

アナ六…デジ形平次の子分で、名前のとおりのアナログ人間。パソコンを使いこなせるようになりたいが、いつもトンチンカンなことを言ってデジ形を呆れさせている。

ミドリ…デジ形平次の女房。パソコンに関してはデジ形より詳しいというのがもっぱらの噂。

　彼らがお送りする時空を超えた『NEWぱそこんライフ講座』、さて今回のお話は……。

旅行中も番組を見逃さない「TVコネクトスイート」

アナ六
「雲ひとつないいい天気だってのに、退屈だなあ」

デジ形
「何言ってんだ、『退屈だ』と言う前に何か始めたらどうだ？」

ミドリ
「この前は“食のイベント”に行くって張り切っていたじゃないさ」

アナ六
「そういう話も無くはないんですがね。ついこのあいだも、近所のヤツらが誘ってくれたんですが……」

デジ形
「断っちまったのか？そいつはもったいねえな」

ミドリ
「そんなことをしていると、今に誰も誘ってくれなくなるよっ」

アナ六
「それが地方で開かれるイベントで、泊りがけだったもので」

デジ形
「泊りがけで都合の悪いことがあるのか？」

アナ六
「いつも楽しみにしているテレビドラマが見られなくなっちまうってのが……」

ミドリ
「テレビのために楽しい旅行をあきらめるのかい？あきれたねえ」

デジ形
「そんなことを言っていると、家から一歩も出られねえぞ……と説教したいところだが、そんな悩みを解決する方法がある」

アナ六
「えーっと、テレビを担いで旅行に行くとか？」

デジ形
「そこまで重たくはねえぞ。持ち運びのできるパソコンを持っていって、旅先でテレビ番組を見るって寸法だ」

アナ六
「あれっ、第34部・第4回によると、新作パソコンでテレビが見られるのは持ち運びの難しい液晶一体型だけだったのでは？」

デジ形
「確かにその通りだ。だが、オレが言いたいのはテレビチューナー付きのパソコンではなく、同じ回で紹介した『TVコネクトスイート』を使う方法だ」

アナ六
「おおっ、何だか甘い香りのする名前で」

デジ形
「この場合の『スイート』は『sweet』ではなく『suite』だ。『一式』とか『ひと組』といった意味で、要するにいくつかの機能がまとまって入っているアプリってことだな」

ミドリ
「ちなみにホテルのスイートルームもこっちのスイートだよっ。寝室やリビングなど複数の部屋がひと続きになっている広い部屋って意味さ」

アナ六
「へえーっ、あっしは新婚が泊まる部屋だとばかり……。で、こいつはどんなアプリでしたっけ？」

デジ形
「ひと言で言うと、レグザサーバーやレグザブルーレイとパソコンをインターネット接続して、録画番組や放送中の番組をパソコンで見るためのアプリだ」

アナ六
「なるほど、インターネット接続ができるところなら、どこでも見られるってわけで」

デジ形
「うむ。このアプリは3つの機能を持っており、旅先ではインターネット経由で送られてきたテレビの録画番組を見ることができるぞ」

アナ六
「それだったらドラマを見るために家にこもっていなくてもよさそうですね。ひょっとして今回はこのアプリをさらに深く掘り下げていくわけで？」

デジ形
「うむ、セッティングから詳しく解説していこう」

ミドリ
「『掘り下げる』だなんてニュース解説番組みたいだねえ」

「TVコネクトスイート」を利用するため準備

アナ六
「このTVコネクトスイートってのを使うためには、何が必要になるんですかい？」

デジ形
「当然ながらテレビを受信・録画するレグザサーバーかレグザブルーレイが必要だな」

ミドリ
「家の外で録画番組を視聴できるのは今のところ4機種だけど、室内のホームネットワークで使用するなら、東芝はもちろん他メーカーでも対応している機種がたくさんあるよっ」

デジ形
「詳しくはdynabookのTVコネクトスイート特集ページを見るといいだろう」

アナ六
「あとはTVコネクトスイートを搭載したパソコンがあればOKですね」

デジ形
「うむ、第34部・第4回で紹介した2014年秋冬モデルのパソコンにはTVコネクトスイートがインストールされている。今回は外へ持ち出せる11.6型画面のdynabook N51を用意したぞ」

アナ六
「この大きさだったら旅行にも持っていけそうですね」

アナ六
「で、レグザブルーレイとパソコンはどうやってつなぐので？」

デジ形
「いわゆるホームネットワークってヤツだな」

アナ六
「ネットワークなんて素人には難しそうですねえ……」

デジ形
「難しくはねえぞ。そもそも家庭でインターネット接続するときに、無線LANを使っている人は多いだろう。その無線LANルーターにレグザブルーレイを接続するだけだ」

アナ六
「へえーっ、レグザブルーレイも無線LANが使えるので？」

デジ形
「そこはちょいと注意が必要だ。レグザブルーレイはパソコンと違って無線LANが搭載されていない。LAN端子にケーブルをつないでルーターに接続するか、専用の無線LANアダプターを購入して無線LAN接続をすることになる」

ミドリ
「レグザブルーレイの置き場所が無線LANのルーターから離れている場合は、無線LANアダプターを使ったほうがいいだろうね」

アナ六
「レグザブルーレイをLANにつないだら、すぐに使えるんですかい？」

デジ形
「ちゃんとインターネット接続の設定を行わねえとダメだ。レグザブルーレイの設定画面からネットワーク設定を選び、有線LANか無線LANの接続方式を選ぶぞ。あとは自動で設定してくれる」

アナ六
「おおっ、自動とはありがたいことで」

レグザブルーレイに録画した番組を見る

デジ形
「さて、いよいよTVスイートコネクトを使うぞ。まずはメニュー画面の一番左にある『録画番組を見る』だ。その名のとおり、レグザブルーレイに録画してある番組をパソコンで見ることができる」

ミドリ
「パソコンを家の外へ持ち出して録画番組を見る『リモート視聴』に対応しているのもこの機能だねっ」

アナ六
「ええっと、『録画番組を見る』を選んで最初に出てきたのは？」

デジ形
「『サーバーリスト』と言って、ホームネットワーク上でつながっているパソコンなどの端末が表示される。ここではもちろんレグザブルーレイを選ぶぞ」

アナ六
「パソコンの画面に録画番組のリストがズラリと並びましたね」

デジ形
「ここで見たい番組を選べば、レグザブルーレイからパソコンへデータが送られ、パソコンで視聴できるわけだ」

アナ六
「おおっ、パソコンで録画番組が始まりましたぜ。でも、こいつを早送りしたり、ちょいと止めるためのリモコンはないので？」

デジ形
「リモコンは使えねえが、画面をタップするか、マウスポインタを動かすと、一時停止などのアイコンが画面上に表示されるぞ。見るのを止めるときは左上の『←』をタップするかクリックすればいい」

ミドリ
「画面左上に出てくるこの矢印はWindows 8のアプリに共通しているアイコンだねっ」

デジ形
「あと右クリックか画面の下端から上にスワイプしてアプリバーを表示させると、音量調整や番組説明の表示などの操作も行えるぞ」

アナ六
「こいつはWindows 8のストアアプリと操作の要領が同じですね」

レグザブルーレイで放送中の番組を見る

アナ六
「ええっと、メニューの二つ目にある『放送中の番組を見る』ってのは、録画じゃなくて、今放送している番組が見られるわけで？」

デジ形
「うむ。レグザブルーレイで受信したテレビ番組がそのままパソコンで見られるって仕組みだ」

アナ六
「そいつはすごいですねえ」

ミドリ
「ただし、これはホームネットワーク内で接続されている場合だけで、パソコンを外へ持ち出して見る『リモート視聴』には対応していないようだね。でも、家のキッチンとかベランダとか、いろいろな場所でテレビが見られるってのがいいねえ」

アナ六
「暑いときに縁側で缶ビール片手にナイター観戦なんてのもできるわけで」

デジ形
「今年のプロ野球はもう終わっちまったな。ところで、こいつの操作は録画番組を見るのとほぼ同じで、メニューを選んでレグザブルーレイのサーバーを選択すると、視聴可能なチャンネルが一覧で表示されるぞ」

アナ六
「チャンネル名が四角いタイルで並んでいるってのは、テレビとかなり違いますねえ」

デジ形
「アプリバーでメニューが表示されるのも同じで、チャンネルの切り替えはもちろん、番組によっては字幕表示や音声切換もできるぞ」

アナ六
「こいつは普通にテレビを見るのと変わりありませんね」

ミドリ
「テレビがもう1台増えたみたいだねっ」

パソコンに番組データをダビング

デジ形
「そして三つ目の機能が『ダビングした番組を見る』だ。パソコンにデータをコピーしてしまうから、インターネット接続のできない場所にいても番組を見ることができるぞ」

ミドリ
「旅行先を舞台にした番組をダビングして、旅行途中の電車の中で見るのもいいかもしれないねっ」

アナ六
「それだったら、見るべき観光名所をうっかり見逃すなんてことも防げそうですね」

デジ形
「この機能を使うには、まずパソコンに番組をダビングしなけりゃならねえ。これはパソコンからでも、レグザブルーレイからでもできるぞ」

ミドリ
「長時間の番組だと、ダビングにちょいと時間がかかるから注意してほしいね」

アナ六
「ダビングが終わったら、『ダビングした番組を見る』で番組を選んで見ることができるんですね」

どこへ行っても録画番組が見られるリモート視聴

デジ形
「あとは外出先からインターネット経由で録画番組を見るリモート視聴があるが、こいつは最初にメニューの右端にある『リモート視聴設定』を選んでレグザブルーレイとパソコンの『ペアリング』を行う必要がある」

ミドリ
「ペアリングというのは、ブルートゥース（Bluetooth）のマウスやキーボードを認識するときにもやるヤツだね」

アナ六
「それってどういう意味があるので？」

デジ形
「世界中のどこへ行っても、インターネットでつながってさえいれば、自宅のレグザブルーレイを認識できるようになるんだ。それでレグザブルーレイから番組の画像データを送ってもらえるわけだな」

アナ六
「世界中ですかい、そいつはスケールがでかいなあ」

デジ形
「で、ペアリングを行ったあとは、パソコンでTVコネクトスイートを起動して『録画番組を見る』を選び、さらにサーバーリストで『リモート視聴』を選択すると、ペアリングをしたレグザブルーレイが表示されるって仕組みだ。あとはホームネットワークで『録画番組を見る』のと同じだ」

アナ六
「それで、世界のどこにいてもレグザブルーレイの録画番組が見られるわけで」

デジ形
「その通りだ。今回は特別にレグザブルーレイとペアリングしたパソコンを貸してやるから、旅行に持っていくといい」

アナ六
「そいつはありがてえっ！でも、旅行の申し込みはまだ間に合いますかねえ？」

アナ六
「親分、お借りしたdynabook N51を返しますぜ、ありがとうございました」

デジ形
「どうだ、旅行もドラマも楽しめたか？」

ミドリ
「泊まった宿はインターネットにつながるところだったんだろうね」

アナ六
「ええ、そいつは調べておいたもので。ですが、肝心の見たかったドラマは、結局見られなかったんです」

デジ形
「どうした、設定でも間違えたのか？」

アナ六
「いえいえ、一緒に行った仲間たちにパソコンを横取りされ、ほかの録画番組を見始めたので、あっしは仕方なくふて寝をしていました」

ミドリ
「それはわざわざパソコンを持っていく意味がなかったねえ」

デジ形
「だが、今からでも録画を見ればいいじゃねえか」

アナ六
「いや、ドラマファンとしては放送当日に見ないと気がすみません。もうこのドラマは見ませんぜ」

デジ形
「やれやれ、変わったドラマファンがいたものだな」