●講座で使用しているノートパソコン

dynabook KIRA L93

CPU：Core i5-4210Y 1.50GHz

メモリ：8GB

SSD：128GB

グラフィック：インテル HD グラフィックス4200（CPUに内蔵）

ディスプレイ：13.3型ワイドWQHD

OS：Windows 8.1 Update 64ビット

●講座で使用しているタブレットPC

dynabook Tab S38/26M

CPU：Atom Z3735F 1.33GHz

メモリ：2GB

ストレージ：64GB フラッシュメモリ

ディスプレイ：8.0型ワイドWXGA

OS：Windows 8.1 with Bing 32ビット

「大江戸ぱそこんライフ」

【登場人物紹介】

デジ形平次…江戸中に名を知られた腕利きの岡っ引。意外にも趣味はパソコンで、事件のない時は日がな一日ノートパソコンに向かっている。

アナ六…デジ形平次の子分で、名前のとおりのアナログ人間。パソコンを使いこなせるようになりたいが、いつもトンチンカンなことを言ってデジ形を呆れさせている。

ミドリ…デジ形平次の女房。パソコンに関してはデジ形より詳しいというのがもっぱらの噂。

　彼らがお送りする時空を超えた『NEWぱそこんライフ講座』、さて今回のお話は……。

インターネットで配信される音楽を聴こう

アナ六
「あけましておめでとうございます！」

デジ形
「おう、今年もよろしく頼むぞ！」

ミドリ
「といっても、もう松の内もおしまいだねえ」

アナ六
「楽しい正月もアッと言う間でしたね。これから先、一体どうしたらいいんでしょう？」

デジ形
「どうしたもこうしたもねえ、お勤めに精を出すだけだ」

アナ六
「それはもちろんですが、たまには楽しいイベントがないと仕事に身が入りませんぜ」

デジ形
「まあ、2月の豆まきを待つんだな」

アナ六
「そうでした、楽しい豆まきがありましたね」

ミドリ
「イベントもいいけれど、もういい歳なんだから、少しは大人らしい趣味を持ったらどうだい？」

デジ形
「読書とか音楽鑑賞とか、教養を身につけるのも大人のたしなみだぞ」

アナ六
「う～ん、読書は苦手ですが、音楽を聴くことだったらできそうだなあ」

デジ形
「お前の好きなアイドルの歌はダメだ。大人はクラシックとかジャズを聴かねえとな」

ミドリ
「親分もそれほど詳しくないのによく言うよっ」

アナ六
「よしっ、大人の音楽を聴くことを今年の目標にしますぜ！」

デジ形
「それじゃあ、パソコンで音楽を聴く方法を紹介しよう」

アナ六
「あれっ、音楽を聴くといったらステレオとかラジカセではないので？」

デジ形
「そりゃあ『ぱそこんライフ』の講座だから、パソコンを使うのに決まっているだろうが」

アナ六
「そうでしたね。えーっと、パソコンのディスクドライブにCDを入れて聴けばいいんですかい？」

ミドリ
「それで済むなら、話が終わっちまうよっ」

デジ形
「Windowsタブレットも含めて、最近はDVDやブルーレイディスクを読み書きするための光学ディスクドライブがついていないパソコンが増えているぞ」

アナ六
「その場合は、外付けのディスクドライブを買うしかないですね」

デジ形
「その通りだが、そもそもCDがなくても音楽は聴けるじゃねえか。インターネット上で音楽配信されている曲を購入すればいい」

アナ六
「おおっ、それだったらCDを買わなくても大人の音楽が聴けますね」

デジ形
「最近は『ハイレゾ音源』もちょっとしたブームだからな」

アナ六
「ええっ、冬なのに『ハイレグ』が流行しているので？」

ミドリ
「なんで水着が出てくるんだよっ！」

デジ形
「ハイレゾってのは『ハイレゾリューション』の略称で、『ハイレゾ音源』ってのは通常のCDよりも情報量が多く、高音質な音楽データのことだ」

アナ六
「CDよりも音のいい曲が、インターネット上で買えるわけですね」

デジ形
「前にも教えたが、『PCオーディオ』ってヤツだ。USBから『DAC』というデジタル信号をアナログ信号に換える機器を通し、ヘッドホンやステレオに接続して高音質な音楽を楽しむわけだな」

アナ六
「おおっ、大人の趣味っぽい話ですねえ」

アナ六
「考えてみれば、あっしはそもそも上等なステレオなんて持っていませんし、PCオーディオを趣味にするのはムリがあるのでは？」

デジ形
「オーディオファンならハイレゾ音源やPCオーディオはお勧めだが、ステレオを持っていなくも楽しむ方法はあるぞ。例えばDACを内蔵したヘッドホンアンプをつないで、ヘッドホンで音楽を楽しむ方法がある」

ミドリ
「家でヘッドホンっていうと、昔は夜の騒音防止って意味合いがあったけれど、今は普通にヘッドホンで音楽を聴く人が増えたようだね」

アナ六
「なるほど、豪華なステレオには手が届かなくても、ヘッドホンと小さいアンプだったら何とかなるかもしれませんね」

曲を購入して聴くこともできる「amazonmusic」アプリ

アナ六
「しかし、初心者がいきなりハイレゾ音源の曲を聴くってのは、ちょいと敷居が高くありませんか？」

デジ形
「それならパソコンやタブレットで手軽に利用できる音楽配信サイトを紹介しよう」

アナ六
「ええっと、アイなんとかってヤツでしたっけ？」

ミドリ
「アップル社の『アイチューンズ（iTunes）』かいっ？」

デジ形
「うむ、アイチューンズもよく利用されているが、今回は『アマゾンミュージック（amazonmusic）』を紹介しよう」

アナ六
「おおっ、アマゾンってのは、南米の密林じゃなくて、巨大なショッピングサイトのことですね」

デジ形
「その通りだ。アマゾンの音楽部門ってわけだな」

アナ六
「なぜここを紹介する気になったので？」

デジ形
「アマゾンミュージックで曲を買うときは、通常のアマゾンの買い物のようにWebサイトにアクセスして品選びができるのだが、それ以外に専用のアプリがあって、そのアプリの中で曲を購入したり聴くことができるんだ」

ミドリ
「アイチューンズと同じような仕組みだね」

アナ六
「曲を買うのと聴くのがひとつのアプリにまとまっているってのは便利ですねえ」

デジ形
「このアプリはアマゾンミュージックのページからダウンロードできるぞ」

デジ形
「試しに1曲購入してみるか。アプリの左上にある『ストア』タブをクリックすると、ストアに切り替わるぞ」

アナ六
「おおっ、たくさん曲が出てきましたぜ。いったいどうやって選べばいいんでしょう？」

デジ形
「メニューでニューリリースやジャンル別に切り替えることもできるが、目当ての歌手や曲があるなら、右上の検索窓に文字入力して検索するのが速いだろう」

アナ六
「知らない曲や歌手でも、ジャケット写真が妙に気になるものがありますね」

デジ形
「ジャケットにマウスのポインタを載せると『試聴』ボタンが表示され、クリックすれば十数秒程度聴くことができるぞ」

アナ六
「なるほど、試しに聴くことができるってのはありがたいですねえ」

デジ形
「で、気に入ったら購入ボタンをクリックするってわけだ」

アナ六
「簡単に購入できていいなあ」

ミドリ
「簡単だからって次々と購入ボタンを押すのは危ないよっ。ちゃんと予算を考えないとね」

スマホやタブレットでも同じ購入曲を聴ける

アナ六
「購入したらすぐに曲が聴けるとは便利なことで」

デジ形
「そこがアマゾンミュージックの特長なんだが、わかるか？」

アナ六
「ええっ、音質がいいとか、そういう話ではないですよね」

デジ形
「うむ。音楽配信サイトから曲を購入すると、その曲のデータをパソコンへダウンロードしてから聴くのが普通だ。だが、アマゾンミュージックはダウンロードをしなくても聴くことができる」

アナ六
「ええっ、どういう仕組みなので？」

デジ形
「投稿動画サイトなどでやっている『ストリーミング』だ。つまり、曲を選んで再生ボタンをクリックすると、アマゾンミュージックから曲のデータが送られてきて同時再生するわけだな」

ミドリ
「曲を買うとアマゾンミュージックにある『ミュージックライブラリ』ってところに購入履歴が記録されて、いつでも聴けるようになるんだね」

アナ六
「買ったのに商品が手元にないってのはちょいと気になりますねえ」

デジ形
「この方式の利点のひとつは、何百曲、何千曲と購入してもパソコンに保存されないから、パソコンの記憶容量を気にしなくてもいいことだ」

アナ六
「なるほど、それを聴くと購入ボタンをますますクリックしたくなりそうな」

デジ形
「あと、同じアカウントでサインインすれば、ほかのパソコンやタブレット、スマホで同じ曲を聴くことができる」

アナ六
「へえーっ、お得な感じがしますね」

デジ形
「そして最初に言ったことと逆だが、曲のデータをダウンロードすることもできる。もちろんダウンロードしたからといって、ミュージックライブラリから曲がなくなることはないぞ」

アナ六
「ダウンロードをしなくても曲が聴けるってのに、ダウンロードする必要はあるんですかい？」

デジ形
「曲をダウンロードすると、パソコンに入っているWindowsメディアプレイヤーなど、別のアプリで曲を聴けるようになる。また、ストリーミングの場合はパソコンがインターネットに接続していないとダメだが、ダウンロードしておけば旅先などインターネットがつながらない環境でも曲が聴けるんだ」

ミドリ
「どこでも聴けるなんて、使い方がどんどん広がりそうだねえ」

曲が次々と流れてくるパーソナルラジオ局「AUPEO!」

デジ形
「アマゾンミュージックは曲を購入し、好きな曲を選んで聞くという仕組みだが、今後は違った形の音楽配信サービスが主流になるかもしれねえぞ」

アナ六
「そいつはどんな形になるんですかい？」

デジ形
「例えばインターネットラジオ局には、ジャンルごとに細かく分かれた音楽専門の局があり、それらのラジオ局を選べば、好きなジャンルの曲を流しっぱなしにできる。クラシック専門局やジャズ専門局もあるぞ」

ミドリ
「もちろん、おしゃべりが中心の普通のラジオ局もあるけどね」

アナ六
「えーっと、好きな曲やアルバムを聴くんじゃなくて、好きなジャンルを聴くってことで。でも、知らない曲や好みじゃない曲がかかることもありますよね」

デジ形
「だが、知らなかった曲やアーティストを好きになることだってあるはずだ」

ミドリ
「そもそもラジオは未知の音楽との出会いの場所で、昔はそこから流行歌や人気歌手が生まれたものだけどね」

アナ六
「なるほど、確かに知っている曲やアーティストばかり聴いていても世界が広がりませんからね」

デジ形
「そこでお勧めしたいのが、東芝パソコンやWindowsタブレットの一部の機種にインストールされている『オーペオ!（AUPEO!）』だ」

アナ六
「前に教わった気もしますが、どんなアプリでしたっけ？」

デジ形
「最初に言ったとおり、ジャンルを選ぶと、それに合わせて曲が次々と流れてくるアプリだ」

ミドリ
「“パーソナルラジオ”って名乗っているようだね」

ハイクオリティなサウンドを実現する「DTS」

アナ六
「しかし、このパソコンはこんなに本体が薄いのに、いい音をしていますねえ」

デジ形
「音楽初心者のわりには、なかなか言うじゃねえか。この『dynabook KIRA L93』には、有名オーディオブランド『ハーマン・カードン』と共同開発した高音質のステレオスピーカーが搭載されているからな」

アナ六
「へえーっ、そのすごいスピーカーが、この薄い本体に仕込んであるわけですね」

デジ形
「それに、スピーカーから出る音域を補正し、豊かな音の広がりや奥行きをもたらしている『DTS Studio Sound』ってアプリも入っている」

ミドリ
「内蔵スピーカー、ヘッドホン、外部スピーカーから出力を選んで、音質などの細かい設定ができるんだねっ」

アナ六
「これなら音にうるさいあっしも大満足ですぜ！」

デジ形
「“音にうるさい”じゃなくて、“おしゃべりがうるさい”の間違えじゃねえのか？」

アナ六
「おはようございます！」

デジ形
「おうっ、大人の音楽には馴染んだか？」

アナ六
「いやあ、お借りしたタブレットで『オーペオ！』を聴いていたんですが、やっぱりクラシックだと眠くなっちまって」

ミドリ
「急に好きになるのもムリがあるね」

デジ形
「まあ、聴き続ければ、そのうち好きな曲やアーチストができるかもしれねえな」

アナ六
「じゃあ親分、タブレットをお返ししますぜ」

デジ形
「おう……って、おいっ、充電がゼロじゃねえか。これから持ち出して使おうと思っていたのに」

アナ六
「いやあ、クラシックを聴いて電源を入れっぱなしのまま寝ちまったようで」

デジ形
「くうっ、充電のための電源コードも渡しておくべきだったか」

アナ六
「エヘヘッ、すいませんねえ」

ミドリ
「やっぱりタブレットやスマホはマメに充電するべきだね」