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第37部・第5回 ハイレゾ音源でワンランク上の音を聴く

NEWぱそこんライフ講座

第37部 Windows 10がもたらすニューPCライフ

第5回 ハイレゾ音源でワンランク上の音を聴く

 今、オーディオファンに注目されているのが高音質の「ハイレゾ音源」。一見、ハードルが高そうですが、パソコンとヘッドホンとDACがあれば、すぐに曲をダウンロードして聴くことができます。今回はデジ形平次(以下、デジ形)と妻・ミドリが、ハイレゾ音源の楽しみ方をアナ六に紹介します。

●講座で使用しているノートパソコン

dynabookT75

dynabook T75/RB

CPU:Core i7-5500U 2.4GHz

メモリ:8GB HDD:1TB

グラフィック:インテル HD グラフィックス5500(CPUに内蔵)

ディスプレイ:15.6型ワイドFHD

OS:Windows 8.1 Update 64ビット

イメージ

「大江戸ぱそこんライフ」

【登場人物紹介】

デジ形平次…江戸中に名を知られた腕利きの岡っ引。意外にも趣味はパソコンで、事件のない時は日がな一日ノートパソコンに向かっている。

アナ六デジ形平次の子分で、名前のとおりのアナログ人間。パソコンを使いこなせるようになりたいが、いつもトンチンカンなことを言ってデジ形を呆れさせている。

ミドリデジ形平次の女房。パソコンに関してはデジ形より詳しいというのがもっぱらの噂。

 彼らがお送りする時空を超えた『NEWぱそこんライフ講座』、さて今回のお話は……。

「ハイレゾ音源」って何?

アナ六 「いやあ、しまった、しまった」

デジ形 「どうした、また何かしくじったのか?」

ミドリアナ六の“うっかり”は、いつまでたっても治らないねえ」

アナ六 「まさか先週末が花火大会だったとは、うっかりしていましたぜ」

デジ形 「あんなに盛大にやっていたのに、忘れてたっていうのか?」

ミドリ 「おやおや、年に一度のお楽しみなのに、残念だったね」

アナ六 アナ六、困る 「てっきり月末にやると思い込んでいたもので」

デジ形 「確かに、いつも8月直前にやっている印象があるからな。しかし、花火大会を忘れるとは、一体どこで何をやってたんだ?」

アナ六 「家でゲームに夢中になっていたもので、全然気づかなかったんです」

デジ形 「相変わらずだな。まあ、オレもアレをやっていて、あやうく忘れるところだったから、人のことは言えねえけどな」

アナ六 「“アレ”ってのは、またパソコンで何かやってたんですかい?」

デジ形 「うむ、ちょいと音楽鑑賞をしていたんだ」

アナ六 「音楽鑑賞なんて高尚な言葉は、親分に似合いませんぜ」

デジ形 「何だと! 今や誰だって高音質な音楽を手軽に楽しめるのに、音楽鑑賞が高尚だなんて言うほうが時代遅れだぞ」

ミドリ 「そもそも、あたしたちの格好が時代遅れだけどね」

アナ六 「ところで、パソコンで音楽を聴く方法ってのは前にも教わりましたよね」

デジ形 「うむ、いわゆる『PCオーディオ』ってヤツだ。パソコンに直接ヘッドホンを接続して聴くのではなく、USB端子にDAC(デジタル・アナログ・コンバーター)付きのヘッドホンアンプを接続してヘッドホンで聴けば、高音質の音を楽しめるって仕組みだ」

ミドリ 「ほかにもDACからオーディオ機器に接続して本格的にオーディオを楽しんだり、いろいろな方法があったね」

05_01

ONKYO ポータブルヘッドホンアンプ DAC-HA200(B)

最大96kHz/24ビットのハイレゾ音源が再生可能なヘッドホンアンプ。パソコンはもちろん、スマートフォンにも接続でき、屋外でも手軽に高音質のハイレゾ音源を楽しめます。

デジ形 「今はそのPCオーディオで『ハイレゾ音源』を聴くってのが、ちょっとした流行になっているな」

アナ六 「そいつは新手のバンドの名前か何かですかい?」

デジ形 「前にも教えたのに、もう忘れたか。ハイレゾ音源ってのは、普通のCDよりも高音質で記録された音楽のことだ」

ミドリ 「『ハイレゾ』っていうのは『ハイレゾリューション(高解像度)』って言葉を縮めたものだね」

アナ六 「へえーっ、難しいことはわかりませんが、とにかく音がいいんですね」

デジ形 デジ形、笑う 「……と、いつもはこのあたりで説明を終えるが、今回はもう少し詳しく説明しよう」

アナ六 「あっしは、その説明についていけますかねえ?」

デジ形 「そもそも、CDやパソコンで扱う音楽データは、アナログな音をデジタルに変換したものだ。で、変換後のデジタルなデータは、変換前の音と丸っきり同じってわけじゃねえ」

アナ六 「でも、聴こえてくるのは同じ音なんですよね」

デジ形 「できるだけ同じ音に聞こえるように、工夫しているわけだ。具体的には、音楽を一定の時間で区切って音のレベルの変化を記録するという作業を行っている」

アナ六 「ええっ、でも例えば音楽を1秒ごとに区切っていったら、ブツブツッで切れてしまうのでは?」

デジ形 「そんな耳で区別できるようなレベルじゃねえぞ。この音を区切る単位を『サンプリング周波数』というが、CDの場合は、44.1kHzになる。これは、1秒間に44100回切っていくって意味だ」

アナ六 「1秒間に4万回とか、想像もつきませんぜ」

デジ形 「で、音のレベルを何段階かに分けて記録するが、それを『量子化ビット数』という。CDの場合は16ビットで、これは2の16乗、つまり65536段階に分けているんだ」

アナ六 「数字が苦手なもので、2の16乗とか聞くと、めまいがしそうですぜ」

デジ形 「こういう仕組みでデータ化された音楽がCDに記録され、聴くときには逆にデジタルデータをアナログに変換して、スピーカーやヘッドホンを通して耳に入るってわけだ」

アナ六 「えーっと、今教わっているのは『CDから音が出る仕組み』でしたっけ?」

デジ形 「違うぞ、本題はハイレゾ音源だ。今言ったように、CDのデジタルデータは44.1kHz/16ビットでデジタル化されているが、ハイレゾ音源では、96kHz/24ビットや192kHz/24ビットでデジタル化している」

ミドリ 「1秒間を96000回とか192000回区切って、2の24乗、つまり約1678万段階で記録することになるから、CDよりもきめ細かくデータ化しているわけだね」

アナ六 「そんな途方もない数字を聞いたら、泡を吹いて倒れちまいそうですぜ」

ミドリ ミドリ、困る 「本当に目を回しているみたいだね、熱中症じゃないのかい?」

デジ形 「やっぱり『CDより高音質の音』ってところでやめておくべきだったか?」

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dynabookのWebサイトより、ハイレゾとCDを比較した図。ハイレゾ音源のほうがギザギザが細かくなっており、原音の波形により近くなっているのがわかります。

ハイレゾ音源対応の再生アプリを入手しよう

アナ六 「このハイレゾ音源ってヤツは、聴くときに何か特別にすることはあるんですかい?」

デジ形 デジ形、笑う 「まず必要なのは再生アプリだ」

アナ六 「パソコンに元から入っている再生アプリじゃダメなので?」

デジ形 「ハイレゾ音源は、WAV、FLAC、DSDなどのファイル形式を使用しているが、Windowsに付属している『Windows メディアプレーヤー(Media Player)』は、その中でWAV形式しか対応しておらず、しかも96kHz/24ビットまでってことになっている」

ミドリ 「Windows 10のメディアプレーヤーは、FLACなどハイレゾ音源の一部のファイル形式が聴けるようになるらしいけどね」

アナ六 「でも、『Windows メディアプレーヤー』が使えないとなると、どうしたらいいんでしょう?」

デジ形 「そりゃあ、新しい再生アプリをダウンロードするしかないって話だ」

アナ六 「そいつは無料でダウンロードできるのアプリなので?」

デジ形 「うむ、ハイレゾ音源対応の再生アプリは何種類かあるが、無料でダウンロードできるものが多いようだな」

アナ六 「金がかからないのが一番ですぜ」

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ハイレゾ音源対応の再生アプリ「foobar2000」のダウンロードページ(http://www.foobar2000.org/download)。無料でダウンロードできる、人気の高いアプリです。

デジ形 「第36部・第9回の2015年夏モデル紹介でも話したが、dynabook夏モデルのスタンダードモデル4機種と、オールインワンタイプの『dynabook D81』には、ハイレゾ音源を再生できるアプリが搭載されているぞ」

アナ六 「おおっ、それは初耳で……じゃなかった、忘れてましたぜ」

デジ形 「『TOSHIBA Media Player by sMedio TrueLink+』ってアプリで、さっき言ったWAV、FLAC、DSDなどのファイル形式の音源を再生できる。つまり、ハイレゾ音源を聴くときに、新たに再生アプリをダウンロードしなくてもいいわけだ」

アナ六 アナ六、笑う 「そいつはありがたいですねえ」

デジ形 「それからこのアプリは『排他モード』に対応しており、DACを接続せず、直接ヘッドホンをつないでも高音質で聴けるぞ」

アナ六 「その歯医者に行きたくなるようなモードは、どういう意味なんですかい」

デジ形 「パソコンの中にある音のデータは、サウンドミキサーなどいくつかの場所を経由して出力されるが、これが音質が悪くなる原因のひとつだった。だが、『排他モード』を使用すると、あいだの部分を飛ばして直接出力されるため、ハイレゾ音源の高音質を保ったまま聴くことができるんだ」

アナ六 「じゃあDACはいらなくなるわけで?」

デジ形 「dynabookのサイトによると、直接ヘッドホンをつないで聴くのもいいし、外付けのDACを経由してもいいってことだ」

アナ六 「おおっ、DACもいらないなら、金を使わなくてもすみますね」

デジ形 「まあ、オーディオの世界は好みによるから、どちらがいいとは言えないだろうけどな」

ハイレゾ対応ヘッドホンは必要?

アナ六 「あれっ、dynabookのサイトを見ると、『ハイレゾ対応ヘッドホン』ってのが出てきますが、これはどういうものなので?」

デジ形 「うむ。これもちょいと難しい話になるが、人間の耳で聴こえる音の範囲ってのは知ってるか?」

アナ六 「もちろん、知りませんぜ」

ミドリ ミドリ、怒る 「胸を張って言うようなことじゃないよっ」

デジ形 「人間の耳ってのは、20Hzから20kHz程度の範囲の音しか聴くことができない。このことから、CDは20kHz以上の音をカットしているんだ。聴こえない音を入れていても、データのムダだからな」

アナ六 「そりゃあもっともなことで」

デジ形 「だが、楽器から出ているこの“聴こえない音”は、音に厚みを与える効果があるらしい。で、より原音に近い音の再生を目指しているハイレゾ音源は、CDではカットした20kHz以上の音もそのまま残しているんだ」

アナ六 「それも高音質の理由のひとつなんですね。で、今の話とハイレゾ対応のヘッドホンってのは、どういう関係なんですかい?」

デジ形 「今言った、人間には聴こえない高音域の音(40kHz以上)も再生できるってのがハイレゾ対応ヘッドホンの条件のひとつだ。それをクリアしたヘッドホンには、ハイレゾ対応のロゴマークが入っている」

アナ六 「じゃあ、そいつを買わねえと、ハイレゾ音源を楽しむことはできないんですかい」

デジ形 「いや、ハイレゾ対応じゃないヘッドホンでも、ハイレゾ音源は普通に聴くことができるぞ。もし愛用のヘッドホンがあるなら、ムリに新調しなくてもいいだろう。つまるところ、これも好みの問題だ」

アナ六 「う~む、悩ましい世界ですねえ」

ミドリ 「そうやって、買うか買わないか迷うのも楽しみのひとつかもしれないね」

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audio-technica 密閉型ポータブルヘッドホン ATH-MSR7

人間の可聴域を超えた40kHzまでの再生が可能なハイレゾ音源対応ヘッドホン。これでハイレゾ音源を聴いたら、どのように聴こえるか、ぜひ試聴したいですね。

ハイレゾ音源配信サイトから曲をダウンロード

アナ六 「あっ、肝心なことを忘れていましたぜ。一体ハイレゾ音源の音楽ってのは、どうやって手に入れるんでしょう?」

デジ形 「ハイレゾ音源の音楽を配信しているサイトがいくつからあるから、そこで購入して、曲をダウンロードするわけだ」

アナ六 「購入っていうからには、金がかかるんですね」

デジ形 「当然だ。それにハイレゾ音源は通常の音源よりも、ちょいと値段が高めってのも覚悟しておいてほしい」

ミドリ ミドリ、微笑む 「高音質だから仕方がないけれど、趣味の世界はお金がかかるねえ」

デジ形 「あとは、インターネット接続環境にも要注意だ。ハイレゾ音源はデータの容量が非常に多く、アルバム1枚で1GBから3GB前後になる。ダウンロードにも時間がかかるから、光回線やCATVなどの高速回線を推奨しているぞ」

アナ六 「じゃあ、場合によってはインターネットのプロバイダーを替えたほうがいいんですね。で、どんなサイトがあるんでしょう」

デジ形 「ハイレゾ音源を専門に配信している『e-onkyo music』ってサイトがあるぞ。購入できる音楽は約10万5000曲もあるそうだ」

ミドリ 「dynabookユーザーにはおなじみの『東芝プレイス』の『ミュージックプレイス』でも紹介されているね」

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「東芝プレイス」の「ミュージックプレイス( http://toshibaplaces.jp/tps/music/ )で「e-onkyo music」を紹介している記事と、「e-onkyo music」のトップページ( http://www.e-onkyo.com/music/ )。初心者向けの説明も充実しており、ハイレゾ音源入門者向きの購入サイトです。

デジ形 「このサイトは老舗だけあって、ハイレゾ初心者にもわかるようにサポートページが充実しており、さらに『コンシェルジェサービス』という機器のセッティングサービスも行っているぞ。ただし有料だけどな」

ミドリ 「担当者が家に訪問して、機器の接続や設定をしてくれるんだね。有料といっても、ここまでしてくれるなんて、大したものだねえ」

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「e-onkyo music」Webサイトのサポートページに掲載されているコンシェルジュサービスの説明ページ。有料ですが、面倒なセッティングや設定はすべてやってもらえるので、ハイレゾ音源初心者には非常に便利です。

デジ形 「ちなみに、さっき紹介した『TOSHIBA Media Player by sMedio TrueLink+』はこの『e-onkyo music』と提携していて、配信している音楽の情報をアプリのトップページに表示しているぞ。そのうえ、このサイトで購入したハイレゾ音源を、一括してダウンロードする機能がついているそうだ」

ミドリ 「『e-onkyo music』のサイトからも、ダウンローダーのアプリを入手できるけれど、最初から再生アプリに付属しているってのは便利でいいね」

アナ六 「夏モデルのdynabookを買えば、ハイレゾ音源の購入から鑑賞まで、すぐに楽しめるってことですね」

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dynabookのWebサイトより、「e-onkyo music」と提携している「TOSHIBA Media Player by sMedio TrueLink+」のトップの画面。この画面上で、聴きたい曲をすぐに探し出すことができます。

デジ形 「どうだアナ六、お前もハイレゾ音源を聴きたくなったか」

アナ六 「高音質っていうなら、リアルな音が聴こえるんですよね」

ミドリ 「おやおや、どんな音楽を聴きたいんだい?」

アナ六 「今のあっしは、やっぱり見逃した花火大会の花火の音が聴きたいですぜ」

デジ形 「念のため『e-onkyo music』で検索したが、花火の名がつくのは音楽しかないようだな」

アナ六 「トホホ、残念なことで」

デジ形 「まあ、来年はハイレゾ音源を聴くのに夢中になって、花火大会を忘れたりしないように注意することだな」

アナ六 アナ六、笑う 「それは親分のことじゃないので?」

ミドリ 「そうだよっ、今年だってあたしが声をかけなかったら、テレビ中継を見逃すところだったじゃないさ」

デジ形 「しまった、こいつはヤブヘビだったな」

アナ六 「親分も意外とうっかり者なんですね」



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