【運転免許】70歳以上の義務!『高齢者講習』の検査では何を見る?免許返納の必要性
70歳以上の誕生日の運転免許更新前には、「高齢者講習」を受講する必要があります。
特に75歳以上の場合、「高齢者講習」だけでなく、「認知機能検査」も受講し、結果によっては運転免許更新ができなかったり、その後受ける講習の種類も変わってくるそう。
今回はそんな「高齢者講習」について詳しく見ていきましょう。
「ブレーキ」と「アクセル」の踏み間違い事故 全国でシニアの事故が多発
運転免許保持者のうち、75歳以上の高齢者の割合は6.60%(2018年発表 警察庁のデータより)。
65歳以上と範囲を広げると、22.1%、70歳以上では12.8%の人が運転免許を保有しています(データはいずれも警察庁『運転免許統計』平成29年版より)。
運転免許を保有している人のうち、5人に1人以上が65歳以上のシニア世代です。
また、警視庁の資料によると、2005年から2015年にかけて発生した死亡事故の件数は6165件から3585件と減少傾向。
しかし、75歳以上のいわゆる後期高齢者に寄る死亡事故の件数は423件から458件と増加傾向にあります。
その理由として、「ハンドル操作の不適(誤り)」が16%、「ブレーキとアクセルの踏み間違え」が7%となっており、死亡事故のうち、5件に1件が操作ミスによるものということがわかります。
これらの操作ミスにより、建物に突っ込んでしまったり、逆走していたり、といった事故は少なくないようです。
こうした事情から免許更新時には認知機能検査と高齢者講習の受講が必須となりました。
身分証としてずっと運転免許を持っていたい、という場合にも対応し、自分自身で公安委員会に運転免許証を返納すると、「運転経歴証明書」を申請することが出来、路線バス料金などが割り引かれる行政サービスも増えてきています。
なぜ踏み間違える?踏み間違え事故の特徴とは
アクセルとブレーキの踏み間違え事故の発生件数は29歳以上が最も多く、その原因としては運転免許を取得して日が浅いドライバーによる「運転スキルの低さ」を起因とするもの。
また、他の世代と比べ、運転する機会が多いことが原因ということがわかっています。
しかし、財団法人国際交通安全学会が高齢者と若者に分け、アクセルとブレーキの踏み間違いを起こす確率を調査。
その結果、複雑な状況になればなるほど若者の3.5倍、高齢者が踏み間違いを起こすことがわかりました。
特にオートマチック車の場合、アクセルは右、ブレーキは左とふたつのペダルしかありません。
「踏むだけ」という動作が共通しているペダルが左右にふたつ並んでいることから、踏み間違い事故は起こりやすいのだと考えられています。
踏み間違い事故が起こりやすいのは道路・交差点・駐車場。
しかし、高齢者に限定してみてみると、右左折時の事故は少なく、「後退時」「発進時」「直進時」に踏み間違い事故が多く発生していることがわかりました。
こうした事故をより詳しく分析していくと、高齢者特有の原因が。
それは以下の5点です。
- 視力の低下
- 注意力・集中力の低下
- 情報処理の遅れ、誤り
- 運動動作の遅れ、不正確な動き
- 身体の可動域が狭くなる
若い頃と同じ感覚で運転を続けると、知らず知らずの間に衰えた身体に、認識がついていかない、という例は多いよう。
突然飛び出してくる子どもを避ける、といった予想外の場面に遭遇すると突発的な行動をとってしまう場合があります。
この動作は年齢に関係なく起こり、「なぜこんな事故を起こしてしまったんだ」と後悔する人も多いもの。
高齢者の場合はそれに加え、自分が認識しているよりも運転に必要な視力(目が良い悪いではなく、視野が狭くなっている)、聴覚、身体の柔軟性が衰えているかもしれません。
「自分は毎日運転しているから大丈夫」
と思っていても、視力・聴力・柔軟性が低下することで、物事を認識するまでに時間がかかり、とっさの出来事に対処する動作が遅れてしまったり、意識している以上に身体が動かなかったり、といったことが起きやすくなってしまいます。
高齢者ドライバーが増えてきたことで、こうした研究が進み導入されたのが「高齢者講習」。
実際にどのようなことが行われ、何を見られるのか?について詳しく見ていきましょう。
道路交通法に定められた「高齢者講習」の検査とは?
70歳以上で受講しなければならない高齢者講習は70歳から74歳までと75歳以上で内容が若干異なります。
70歳から74歳までで受講する「高齢者講習」の内容
- 2時間5,100円
- DVDなどで交通ルールや安全運転に関する知識を再確認
- 指導員から運転に関する質問などを投げかけられる
- 動体視力・夜間視力・視野を測定
- 車を運転し、指導員から助言を受ける
75歳以上が受講する「高齢者講習」の内容
まずは認知機能検査(30分750円)を受講する必要があります。
認知機能検査の結果によって、第1分類~第3分類に分けられます。
第3分類は異常なし。
第3分類という結果が出た場合は、以下の講習を受講します。
- 2時間5,100円
- DVDなどで交通ルールや安全運転に関する知識を再確認
- 指導員から運転に関する質問などを投げかけられる
- 動体視力・夜間視力・視野を測定
- 車を運転し、指導員から助言を受ける
第1分類となった場合は、「臨時適性検査または主治医の診断書の提出」を行い、「認知症でない」場合は、第1分類、第2分類専用の高齢者講習を受講します。
内容は以下のとおりです。
- 3時間7,950円
- DVDなどで交通ルールや安全運転に関する知識を再確認
- 指導員から運転に関する質問などを投げかけられる
- 動体視力・夜間視力・視野を測定
- ドライブレコーダーなどで運転状況を記録しながら車を実際に運転し、指導員から助言を受ける
- ドライブレコーダーなどで記録した映像を元に、運転に関する個人指導を受けたり、DVDなどで安全運転を学ぶ
また、臨時認知機能検査の結果が第1分類となった人や、直近の認知機能検査と比較して結果が悪化した場合はさらに検査または講習を行います。
直近の認知機能検査と比較して結果が悪化した場合(認知機能検査を受けたことがない、直近の認知機能検査で第3分類から第2分類となったなど)は、臨時高齢者講習(2時間5,800円)を受講しなければなりません。
これは実際の運転の様子を見て、指導員から助言を受けたり、交通安全について再度学ぶもの。
75歳以上の免許更新はさまざまな講習を受けなければならないことがわかります。
安全運転のために「目」を鍛えよう!動体視力を鍛えて老化防止
高齢者講習は数多くの検査を行います。
これらの検査はどれも運転に必要なもの。
なかでも「視覚」はとても重要です。
動体視力を鍛えることで、目から入る情報量が多くなるため、脳の老化防止にも役立ちます。
また、同時に動体視力も向上するのです。
「車や自転車の運転が不安だ」
「つまづいたり、点灯することが増えた」
といった症状がある場合は動体視力が衰えている証拠。
動体視力のピークは10代後半で、それ以降徐々に低下。
特に40代からは急激に低下することがわかっており、70歳以上は0歳~5歳までの子どもと変わらないくらいの動体視力です。
動体視力を1回5分、週1・2回、わずか3ヶ月で鍛えられるのが動体視力トレーニングメガネです。
メガネのような商品で、レンズ部分が高速点滅する特殊なフィルム液晶なのが特徴。
視覚を断続的に遮断することで、「見るチカラ」を鍛えることが出来ます。
動体視力に不安がある、という方は日々のトレーニングに取り入れてみてはいかがでしょうか?
身体が衰えるとさまざまな機能に影響が出てきます。
特に自動車の運転は自分だけでなく、人を巻き込む可能性も高いので、慎重にならなければなりません。
どうしても運転する必要がある、という場合は、日々しっかりとトレーニングを重ね、身体的な衰えのスピードを可能な限り緩やかにしましょう。
今回ご紹介した動体視力トレーニングメガネなどを活用し、鍛え直しましょう!
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自分は10年程前に脳系の病で、家族から運転を止められて
現在ペーパードライバーです次回更新が高齢者適用となり,思案中です
そこで気になるのが.自動運転の技術進歩と法規制の動向です
免許なしで乗れるということはないでしょうね
そうであればペーパードライバーであっても
更新しておくべきか悩ましい所