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認知症で現金が下ろせなくなったらどうする?信頼できる人に代理人カードを作ってもらうのが自衛の手段?

認知症になると生活はどのように変わるのでしょうか?
そこから始まる介護生活ももちろん大変なことが想像されますが、もうひとつ大変なのが預貯金の「凍結」です。

認知症を患った人はキャッシュカードや通帳の紛失、暗証番号の失念などが起こるそう。
さらにATMの操作がわからなくなることも多いようです。

口座名義人に変わって家族がお金を下ろそうと思っても、銀行の窓口では家族だ、というだけで下ろさせてはくれません。
介護のために貯めたお金が必要なときに下ろせなくなると大変ですね。

本日は「代理人カード」についてご紹介します。

暗証番号・ATM操作がわからない…認知症になったらお金をおろせなくなる?都市・地方銀行、インターネットバンキングではどう対応する?

暗証番号・ATM操作がわからない…認知症になったらお金をおろせなくなる?都市・地方銀行、インターネットバンキングではどう対応する?

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

足腰が元気なうちに認知症を発症すると徘徊する可能性が高く、24時間体制の介護が必要となります。
また、今までの習慣をそのまま続けようとするため、ガスコンロなどを使っている場合、空の鍋を火にかけたりして家事の危険性も高くなります。
認知症患者を家族に持つ場合、本人がつらいのはもちろんですが、家族も大変な苦労をするものです。

こうしたサポート面での苦労とともに金銭面でも苦労します。
特に一家の家計を管理している人が認知症を発症した場合が厄介で、銀行からお金を下ろせなくなったり、最悪の場合、口座が凍結されることもあるようです。

銀行口座が凍結されるのはなぜ?

認知症にはいくつか種類があり、もっとも人数が多いのが「アルツハイマー型認知症」です。
アルツハイマー型認知症は物忘れから気がつくことが多く、今までできていたことが少しずつできなくなっていく病気。
さらに、新たなことを記憶できなくなったり、少し前のことを思い出せなくなったり、物の場所がわからなくなるなどの症状が特徴です。

食事の例を挙げると、おとといの夕食は何を食べましたか? 昨日の夕食は何を食べましたか?
パッと訪ねられるとすぐに思い出せないものですが、それは物忘れです。
認知症の場合、夕食を食べたそのことを忘れてしまうのです。

認知症になると、今までの記憶が丸々抜け落ちてしまうことがあり、周りの状況が理解できなくなって自分の意思で判断できなくなります。

こうした症状が特徴の病気のため、認知症の発症が認められると、銀行は本人の財産を守るために「口座凍結」を行うことがあります。

死亡時の口座凍結との違い

死亡時に口座凍結されることをご存じの方も多いかと思います。
その場合、親族が取引のある銀行口座名義人の死亡を伝えて凍結するケースや、葬儀の告知を見た銀行が口座凍結するケースなどさまざまです。

認知症患者の口座凍結は、家族が認知症を発症したことを銀行に伝えたり、口座名義人が銀行を訪れた際に著しく意思決定能力がないと銀行が判断した場合、そして施設などに入居するため資産を整理するため本人と銀行を訪れた際、認知症であることが銀行に伝わったときなどに行われます。

こうした対応は、認知症患者(口座名義人)が万が一、詐欺などの被害に遭わないために行われるもの。
不正利用によって犯罪などに資産を使われないために「親切」で行われています。

口座が一旦凍結されると、お金を下ろしたりといったことは一切できなくなります。
この一切というのは結構強力で、本人が施設に入居するためのお金なども下ろせなくなるのです。

親子であっても下ろせない

一度凍結されてしまうと、戸籍や身分証明書を用いて親子だと証明したとしても口座からお金を動かすことができません。
銀行口座の預金はあくまで口座名義人のものであり、本人が意思を示せない以上、いかなる理由があっても動かすことができないのです。

これは都市銀行、地方銀行、信金、信組、インターネットバンキングでも同様。
認知症になる前にさまざまな対策を講じておく必要があります。

また、みずほ信託銀行などさまざまな銀行では認知症に関する対応を明確にしています。
自分が口座を持っている銀行ではどのような対応になるのか、あらかじめ確認しておいた方が良いでしょう。

みずほ信託銀行
認知症サポート信託のしくみ
https://www.mizuho-tb.co.jp/souzoku/ninchisho_support/shikumi.html

銀行によっては代理人カードを申し込めることも

銀行によっては代理人カードを作成できることもあります。
条件はさまざまですが、みずほ銀行の場合、生計をともにする親族1人に限り、代理人カードを発行できるようです。
夫婦でひとつの口座からATMで預け入れ、引き出しなどを行う際は非常に便利に行えます。

さまざまな銀行などで代理人カード制度を設けていることがあるので、ぜひメインバンクにご確認ください。

みずほ銀行:代理人カード
https://www.mizuhobank.co.jp/retail/products/account/card/dairinin.html

成年後見人制度とは?家族以外でもなれる?委任状が必要?申し込み方法とは

成年後見人制度とは?家族以外でもなれる?委任状が必要?申し込み方法とは

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

いざ認知症になってから困らないために、どのような対応が必要になるのでしょうか?
その答えといえるのが「成年後見制度」です。

以前は判断能力が不十分な人のために「禁治産・準禁治産者宣告制度」がありました。
判断能力が不十分な人を「禁治産者」として財産管理などを制限していたのです。

しかし、禁治産者になるとその事実は本人の戸籍に記載され、社会的差別、そして偏見を生むといった問題が発生しました。

そこで平成12年、ノーマライゼーション、本人の残存能力の活用、自己決定の尊重という理念のもと、介護保険制度とともに「成年後見制度」が始まったのです。

成年後見制度とは

成年後見は成人で判断能力が不十分な人を守る制度のこと。
契約などの法律行為が行えなくなった人を後見人などが代理して、必要な契約を締結したり、財産を管理するなどして、本人の保護を図ることを目的としています。

成年後見制度には「法定後見」と「任意後見」の2種類があり、「法定後見」制度はすでに判断能力が不十分なとき、申し立てによって家庭裁判所で選任された後見人が本人に代わって財産や権利を守り、本人を法的に支援する制度。
「任意後見」制度は、将来的に判断能力が不十分となったときのことを考え、備えておくための制度のこと。

現在、判断能力が充分にあり、将来に備えて自分で後見人等を選びたいときは「任意後見制度」を利用することになります。
任意後見人を指定する場合、公正証書で任意後見契約を結んでおく必要があります。

また、後見人等は誰でもなることができます。
家族でなくてもなれるのです。
親族はもちろん、士業の人を指名することも可能で、複数人を決めておくこともできます。

後見人にできないこと

後見人であっても、なんでも自由にできるわけではありません。
できないことが定められています。

例えば、本人の住居を決めること、婚姻・離婚・養子縁組・離縁・認知等の代理、遺言に関しては「本人の意思決定」が必要です。

成年後見制度についてはこのほか、さまざまなルールがありますし、法的な手続きを踏まなければなりません。
自治体で説明会を開いていたり、成年後見制度に関する相談所を設けています。
ぜひお住まいの自治体で説明を聞いてみませんか?

各種契約の解約など認知症になる前に、いろいろ事前に準備しておくこと!

各種契約の解約など認知症になる前に、いろいろ事前に準備しておくこと!

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2012年、認知症患者数が462万人でした。
2025年には65歳以上の認知症患者数は700万人に達する見込みとなっており、その割合は65歳以上の5人に1人だそうです。

20パーセントの人が認知症を患う可能性があると言われているのです。

自分はならないのではなく、自分もなる可能性がある時代。
どのような準備をしておくのが良いのでしょうか?

まずは成年後見人を決めておくこと。
財産管理、身上監護などの必要が出た場合、非常に重要です。

また、まだ判断能力がしっかりとあるうちから遺言を残しておくことも重要。
資産をどのように扱うのか、どのように管理していくのかについて家族で話し合っておくと良いでしょう。
そしてそれらを公正証書としてきちんと残しておくとなお良いです。
司法書士に相談すると簡単に作成できますので、司法書士への相談がオススメです。

さらに現在契約していて使っていない保険、銀行口座、クレジットカードなどは解約しておいた方が良いですね。
いざ認知症になってから年会費を請求されても、家族は詳細が不明です。
自分が把握しているものをスッキリさせて、エンディングノートに記載するのが良いでしょう。

このほかにもまだまだやるべきことはたくさんあるかと思います。
しかし、大事なのは元気なうちから準備をしておくこと。
終活はそういった意味でぴったりだと思います。
65歳以上になるとアルツハイマー型認知症のリスクは高まります。
元気な今だからこそ、しっかりとした準備を行いましょう!

コメント
  1. まずはこちらもご参照下さい
    ★使ってはいけない「成年後見」。認知症対策の切り札にはならないexclamation ×2

    うちも手続きが9割おわっていたのですが
    直前でやめました。というのも預金を下ろす程度で
    使う必要がないと感じたからです。
    ちなみに全ての貯金を開示して長男である主人が後見人になれなかった場合は
    司法書士に義父がなくなるまでずっと代理人としてお金の支払いが
    発生します。

    土地や莫大な遺産がある場合は別として、利用するのは家族の負担に
    なるおそれがあります。よく考えてからのほうがいいかなと感じます。

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