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日本から捨てられる食品の量はものすごい!「もったいない」精神で食品ロスをなくすには

消費者庁によると、日本では年間2,759万トンの食品廃棄物等が出されているそうです。
また、国連食糧農業機関(FAO)によると、世界で人間が食べる目的で生産された食糧のうち、農場から加工場、市場、小売業者、飲食店、家庭の台所へと流通していく間に約13億トンもの量が毎年廃棄されているそうです。

一方で食糧不足によって飢餓に苦しんでいる人もまだまだ多く存在します。
国連によると2018年の飢餓人口は8億2160万人。
世界の人口が2019年現在77億人いるので、10パーセント以上の人が飢餓に苦しんでいる、というわけですね。

廃棄されるはずの食糧がこうした人たちにも行き渡れば、食糧不足の問題は解決します。
本日は深刻な食品ロス問題について考えていきます。

食品ロス

食品ロス

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

食品ロスとは「食べられるのに捨てられる食品」のこと。

飢餓に苦しんでいる人もいる一方で、食品を大量に廃棄している人もいる、という現実があります。
すべての人に食糧が平等に行き渡れば、飢餓に苦しんでいる人が少なくなりそうですね。

実際に国連食糧農業機関によると、世界では約26億トンの穀物が生産されているそうです。
多すぎて想像がつきませんが、26億トンを地球に住むすべての人に平等に分けると、ひとりあたり年間340キログラム以上食べられる計算になります。
日本人が食べている穀物の量は年間154キログラムなので、相当多いことがわかりますよね。

飢餓の現状

2019年、アメリカ・ニューヨークの国連本部で発表された報告書「世界の食料安全保障と栄養の現状」によると、世界の飢餓人口は年々増加しています。
2018年時点で、食糧不足で困窮している人は8億2160万人に達するのだとか。

しかし、全世界の飢餓人口が総人口に占める割合は数十年間減少し続けているのです。
2015年以来、11パーセントを下回る水準を維持し続けています。

とはいえ、世界の人口が増え続けているわけですから、それに伴って飢餓人口も増え続けているというのがからくりなよう。

2015年は7億8540万人、2016年7億9650万人、2017年8億1170万人ということを考えると、飢餓人口は着実に増えていることがわかります。

肥満問題もある

別な問題も報告書には書かれています。
毎年肥満関連の死亡者数は、全世界で400万人にも達しているそうで、すべての年齢層が肥満問題を抱えているというのです。
なかでも学齢期の子ども、そして若者の肥満の割合が高くなっており、野菜・果物の摂取不足、ファストフード・炭酸飲料の摂取、運動不足が原因だと挙げられています。

なぜ飢餓は終わらないのか?

飢餓が終わらないのは一体なぜなのでしょうか?

教育が普及していない、そして十分な収入が得られないなどさまざまな原因が関係していると言われています。

しかし、それだけではないのです。

実際に私たちが口にする食品たちは、加工する、運搬する、販売する、購入するとたくさんのステップを踏む必要があります。
台所で調理する前だけでも多くの人がか関わっているのです。
冒頭でもお伝えしましたが、ここに到達するだけで約13億トンが廃棄されています。

食品ロスはどこで一番多く発生しているのかを見ていきましょう。

食品ロスの原因

日本における食品廃棄物等の量は2759万トンです。
このうち、「食品ロス」に該当するのは643万トンだと言われています(農林水産省および環境省より)。
国民1人が毎日茶碗1杯のごはんを捨てている計算になるのだとか。

食品関連事業者からは規格外品だったり返品、売れ残り、食べ残しなどで352万トンの「食品ロス」があります。
一般家庭でも食べ残しや過剰除去、直接廃棄などで291万トンも捨てられているのです。

実際に徳島県で2017年に消費者庁が行った実証実験では、まだ食べられるのに捨てた理由として「食べ残し」(57パーセント)、「傷んでいた」(23パーセント)、「期限切れ」(11パーセント、うち賞味期限切れ6パーセント、消費期限切れ5パーセント)という結果になりました。

一般家庭の食品ロスはきちんと計画性を持って、食材を使用すればかなり削減できることがわかりますよね。

食べられるのに捨てられる…食品ロス対策に「食品ロス削減法」施行

食べられるのに捨てられる…食品ロス対策に「食品ロス削減法」施行

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

食品ロスを削減する、というのは世界共通のテーマです。
実際に小売りや外食を中心にこの活動は広がりはじめています。

2019年10月から「食品ロスの削減の推進に関する法律」が施行されたことが大きく関係しているでしょう。

この法律は「食品ロス削減推進法」なんて言われたりします。
簡単に言うと食品ロスの削減について、食品の流通に関わる国・自治体、関係者の努力義務を設けた法律です。

世界的に食品ロスを削減しよう、という動きがあるのはもちろんですが、年々過熱するコンビニエンスストアチェーン店の恵方巻きが毎年問題になっていました。
節分が終わっても山のように残った恵方巻きは、海鮮などが使われていることが多いため、すぐに廃棄されてしまっていたそうです。
買う人がそこまで多くないのにも関わらず、過剰に生産し、販売を行う姿勢が問題視されてきたことも、この法律に関わってきているでしょう。

世間的な流れが大量消費から必要な分を必要なだけ、という思想に変わりつつあります。
今までのように不要であろうと大量消費する時代ではないのです。

飲食店や食品メーカーが行う食品ロス削減の取り組み

実際にセブン-イレブン・ジャパンでは包装や製造工程を見直し、弁当などの賞味期限を延ばしたり、ファミリーマートではうなぎ、クリスマスケーキなどを完全予約制にしたり、ローソンでは消費期限が近い弁当などを値引きしたり、大丸松坂屋では訳あり食品を割り引き価格で販売したりと期限が近い、今までなら販売しなかった商品を続々販売するようになってきました。

外食産業を見てみると、モスバーガーを運営するモスフードサービスは食材を必要な家庭だったり施設に橋渡しする「フードバンク」に使い切れない食材を寄付しているそうです。
また、塚田農場などを運営するエー・ピー・カンパニーでは、通常使わない食材の部位を使ったメニューを提供するなど、少しでも食品ロスを減らすよう動き始めています。

曜日を決めて冷蔵庫の残り物で料理しよう!

曜日を決めて冷蔵庫の残り物で料理しよう!

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

外食、小売りはこうした流れに敏感で、すぐに対応することがほとんどでしょう。

しかし、一番の問題は消費者の意識です。

今まではキレイな野菜を購入し、なるべく賞味期限の長いものを選んで購入する、そんな習慣の方も多いのではないでしょうか?
例えば牛乳を買うときは、奥から引っ張り出して2日、3日賞味期限の長いものを選んだりとか。

消費者庁の意識調査によると、食品ロス問題について「知っている」と回答した人は全体の4分の3を占めました。
しかし、スーパーの商品棚の手前に並ぶ賞味期限の近い商品を購入することがあるか、という質問に対しては過半数が「ほとんどない」「全くない」という結果に。

消費者の意識改革も並行して行わなければ、食品ロスの量は大きく変わらなそうですよね。

札幌市の取り組み

北海道・札幌市では「日曜日は冷蔵庫をお片付け。」として、冷蔵庫からもったいないを減らす取り組みを行っています。
札幌市の家庭から出る生ゴミの中には、食べ残し、手つかずの食品が年間2万トンもあのだとか。

そこで札幌市は週に1度、冷蔵庫のなかをチェックすることを推奨しています。
消費期限、賞味期限が近い食べ物をしっかりとチェックし、肉、魚、野菜など傷みやすい食べ物を美味しいうちに食べようと呼び掛けています。

みなさんもぜひ、曜日を決めて冷蔵庫の残り物を消費しませんか?

小売り、外食が力を入れたところで消費者の意識が変わらないといつまでも食品ロスを削減できません。
なるべく可食部分を捨てないような食べ方を考えたり、買い物のとき、必要量を買うような習慣を身につけてみてはいかがでしょうか?

コメント
  1. 食品ロス削減の取り組みは大切なのはよく分かるが、さてやるとなると意外と難しい。というよりも、どうすればいいのか、取り組み方が分からないのが実情です。意識と動作が一致しない。

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