春に咲く花、梅・桃・桜はどう見分ける?
立春を過ぎ、暦の上ではもう春。まだまだ寒さは残りますが、あちこちに春の気配を感じられるようになってきました。これからの時期を彩る花といえば、梅、桃、桜。その可憐な姿を見ているだけで、自然と心も華やぎますよね。でも、「どれもよく似ていて見分け方がわからない!」という人も多いのでは? そこで今回は、それぞれの見た目の違いを解説。簡単に見分けられる方法を伝授します。
梅・桃・桜の見分け方
梅、桃、桜はいずれもバラ科に属する植物なので、一見よく似た花を咲かせます。それぞれを見分けるためのポイントは「開花時期」「花びらの形」「幹の質感」。この3つに注目して観察してみてください。
〈梅の特徴〉
中国・江南地方を原産とするバラ科の落葉樹で、日本に伝来したのは3世紀の終わり頃。現代では「花見」といえば桜ですが、奈良時代は梅が主流となっていました。江戸時代に品種改良が盛んに行われ、現在ではその数300種以上とも500種以上とも言われています。
・開花時期
梅の開花前線は、1月下旬から4月下旬にかけて日本列島を北上します。数ある品種のなかには、冬至の頃(12月22日頃)に咲き始める品種も。寒の入り(1月5日頃)から立春(2月4日頃)にかけて咲く早咲きの梅は「寒梅」と呼ばれています。
・花びらの形
花びらの先が丸い
1節に1つ花が咲く
花柄はなく、枝に直接くっつくように咲く
・幹の質感
黒っぽく、割れていてザラザラとした質感
・葉
花が落ちてから、枝から互い違いに生じる
〈桃の特徴〉
桃も中国を原産とするバラ科の落葉樹。日本にもたらされたのは弥生時代と歴史が古く、古事記や日本書紀にも桃の実が登場します。大きく2種類に分類され、実を食用するのは「実桃(ミモモ)」、鑑賞を目的とした園芸品種は「花桃(ハナモモ)」。江戸時代に品種改良が進み、さまざまな園芸品種が作出されたと言われています。
・開花時期
桜とほぼ同じ、3月中旬から4月下旬。桃、桜の順に開花することが多いですが、気候や地域によっては時期を同じくすることも。
・花びらの形
花びらの先がやや尖っている
1節に2つの花が咲く
花柄が短く、枝に沿うように咲く
・幹の質感
白っぽく、ツルツルしている
斑点模様がある
・葉
葉より先、もしくは葉と同時に花が咲く
〈桜の特徴〉
北半球の温帯に広く分布する、バラ科の落葉樹。日本の原種は10種あり、それぞれが自然交配して生まれた野生種を含めると100以上の品種が自生しています。鑑賞用に改良されたものを合わせると600種類にものぼるとか。春の花見の主役が梅から桜に変わったのは、貴族たちが桜を愛でるようになった平安時代だと言われています。
・開花時期
ソメイヨシノをはじめとする代表的な品種は、3月下旬から4月上旬。1月下旬に咲く寒緋桜、5月上旬までが見頃の大山桜など、早咲き・遅咲きの品種も多数あります。
・花びらの形
花びらの先が割れている
1つの節にたくさん咲く(房状に花芽がつく)
花柄が長く、下を向くように咲く
・幹の質感
赤茶色でツヤがある
横縞模様が入っている
・葉
花が咲き終わった頃に葉が芽吹きはじめる
品種によっては花と同時に開くもの、葉が先に出るものもある
開花順は「梅→桃→桜」が一般的ですが、早咲きや遅咲きなど品種の違いや気候によってはその限りではありません。東北や北海道などの寒冷な地域では、梅、桃、桜が同時に見られることも。
このほかによく似た花として挙げられるのが杏の花。丸い花びらがとくに梅とよく似ていて、開花も3月から4月とおおむね同時期です。この2つを見分けるには、花のつき方に着目を。梅は1つの節に1つですが、杏は複数の花が咲き、がくが反り返っているのが特徴。杏の木の幹には縦方向の模様があるので、それも見分けるポイントです。
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良く解りました。