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脳梗塞にご用心! 水分不足がリスクを高める

脳梗塞というと、「冬の病気」と思われがちですが、暑い季節も倒れる人が多いそう。その理由は「水分不足」。とくにシニア世代や高血圧の人は、「一過性脳虚血発作」に注意が必要。この発作の後に、脳梗塞になる恐れが非常に高まります。

脳模型

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

今回は脳梗塞を未然に防ぐ予防策をご紹介します。

水分不足が招く脳梗塞の危険

そもそも脳梗塞とはどのような病気なのでしょうか?

脳の病気の多くは、脳の血管が詰まったり、破れたり(破裂)することで障害が起こり、脳機能の一部が壊れてしまうことで発症します。

脳梗塞」は字の通り、脳の血管に何かがつまり、流れが通じなくなること。
脳梗塞は、血栓と呼ばれる血の塊が血管を塞ぎ、血液が流れなくなってしまうことで発現します。

詰まってしまった先の細胞や組織は、酸素や栄養が十分に行き渡らず、壊死(部分的に死んでしまうこと)してしまうのです。
当然、一度壊死したものが蘇ることはありませんので、脳へ大きなダメージを与えてしまいます。

「脳梗塞」とひとことで言っても、脳梗塞には大きく分けて3つのパターンがあります。

  1. アテローム血栓性脳梗塞
    脳の太い血管の内側にドロドロのコレステロールが固まり、そこに血小板が集まることで動脈を塞いでしまう
  2. ラクナ梗塞
    脳の細い血管で動脈硬化が起こり、詰まってしまう
  3. 心原性脳塞栓症
    新造にできた血栓が流れつき、血管をふさいでしまう

脳梗塞の発作がおきてしまうと、脳の障害が起きた部分(脳が命令を出している器官)が動かなくなったり、動かしにくくなってしまいます。
代表的なのは、言葉が出なくなる、ものが飲み込めなくなる、体の片側が動かない・動かしづらいといったもの。
一度発作が治まっても、寝たきりになったり、使わない筋肉がこわばって動かなくなってしまう、という合併症が出たりします。

冬になると血管が萎縮し、小さな血栓であっても血管が詰まりやすくなるため、脳梗塞が発症しやすい環境です。

ところが、6月から8月にも注意が必要だというのです。
暑い季節になぜ脳梗塞リスクが高まるのでしょうか?

6月から8月は気温が上がり、汗をかいて脱水になりやすい季節です。
熱中症リスクが高まる季節ですよね。

体から水分がなくなると、血液がドロドロになり、詰まりやすい環境に。
水分補給を十分に行っていないとTIA(一過性脳虚血発作)が起こりやすくなるのです。

TIA(一過性脳虚血発作)とは、一時的に脳の血管が血栓で詰まるものの、短時間のうちに自然に溶けて回復する状態のこと。
脳梗塞と同様の症状が現れるものの24時間以内、多くは数分から数10分で回復するため、放置することが多い症状です。
TIA(一過性脳虚血発作)の症状は改善しても、脳の血管をつまらせたという事実、脳の血管を詰まらせるという根本的な問題が解決するわけではありません。

脳梗塞は脳の血管がつまり、完全に閉塞し、血流が途絶え、脳細胞が壊死する状態。
TIA(一過性脳虚血発作)は、脳梗塞の予兆なので、24時間から48時間以内に脳梗塞発症のリスクが非常に高いのです。

また、夏場だから、と血圧が下がることに安心していると、ちょっと具合が悪いから、と深刻な病を疑いません
もしかするとTIAかもしれないのに。
ここでTIAを見逃し、脳梗塞を発症させてしまう、というパターンが多いのです。

こんな症状が出たら、すぐに救急車で病院へ

赤血球

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

それでは、具体的にTIA、脳梗塞はどのような症状が出るのでしょうか?

TIAの症状

  • 手足のしびれ
  • 運動障害
  • 言葉の障害

基本的には脳梗塞、脳卒中とどうようの障害が体に現れ始めます。
ただし、時間は非常に短く、1時間前後上記の症状が出る場合が多いそう。
この段階でTIAを疑ったら、すぐに病院へ行き、脳の検査をしたほうがよいでしょう。

TIAにかかるリスクは、「ABCD2スコア」という指標があり、この指標に当てはめて、どのくらいのリスクが有るのかを知ることができます。

ACBD2スコア

  • A(Age) 年齢(60歳以上なら1点)
  • B(Blood pressure) 血圧(140/90なら1点)
  • C(Cinical symptoms) 片麻痺が残るなら2点、ろれつがまわらない場合1点
  • D(Diabetes)糖尿病がある場合は1点

このスコアを合計し、3点から4点以上の場合は要注意とされています。
皆さんのスコアはどうでしょうか?

脳梗塞の症状

TIA同様、脳梗塞にも前触れが存在します。
脳梗塞を早く見つけるための予兆は次のようなものです。

  • 片方の手足・顔半分に麻痺やしびれが起こる
  • 呂律が回らなくなる、言葉が出ない、他人の言っていることが理解できない
  • 力はあるのに立てない、歩けない、ふらつく
  • 片方の目が見えない、見えにくい、ものがふたつに見える、視野の半分が欠ける

これらの症状が突然現れたら、脳梗塞かもしれません。

自分の体の状態をしっかりと把握し、こうした症状の有無を確認しましょう。

発汗後のアルコールにも要注意

二色しゅうまい

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

脳梗塞になりやすい生活習慣があります。

  • 大量の飲酒(1日に1合を超える日本酒、中瓶1本を超えるビール、ダブルで一杯を超えるウイスキー)
  • 喫煙習慣
  • 運動不足
  • 肥満
  • 過度なストレス

こうした習慣のある方は、脳梗塞リスクが高まります。

アルコールは水分を1摂取したとしても1.2排出してしまうため、水分不足に陥りやすいのです。

タバコは、非喫煙者に比べ、はるかに脳梗塞(脳卒中)で死亡する人が多いことでも知られていますよね。

また、運動不足肥満は関連性があり、摂取したエネルギーを消費できないため、運動をしない人は肥満になりやすく、結果として脳梗塞の危険因子となってしまいます。

過度なストレスは飲酒が進んだり、タバコの本数が増えたり、と間接的に体にダメージを与えてしまうことになります。

さらに、食生活にも注意が必要です。
基本的に高血圧は脳梗塞の敵なので、なるべく塩分を控えた食生活が望ましいです。
目安は1日10g未満で、すでに高血圧だと診断されている人は6g未満に抑えるのが望ましいでしょう。

減塩しょう油に切り替えたり、酢や柑橘系で味付けするなど、大量の塩分を摂取しない工夫が必要になります。

一度脳梗塞を発症してしまうと、あとにはリハビリでは解決しきれない障害が残る可能性があります。
正しい生活習慣を手に入れて、脳梗塞リスクの少ない生活を心がけましょう。

コメント
  1. 医者に通って今っすが。小脳梗塞、と言われて、血液を良く流れるお薬貰って居ます
    私の症状は、平行感覚が亡くなって、ふらつきが覚えます、家の中歩いても、フラフラ、
    外に出て歩くのも、杖が必要です何回もころびます。回答宜しくお願い致します。

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