シニアも実は低栄養?大人の食育が話題に
食育というと、子供への教育と思われがちですが、最近は大人への食育が広がっています。
カゴメやキューピーなど、食品メーカーは大人への食育を事業として始めたそうです。
シニア世代も平均すると、実は必要な栄養が足りておらず、低栄養の人も多いとか。
今回は大人の食育を取り上げました。
日本人野菜不足! シニアも例外ではない
日本人の大人はどのくらい野菜を摂取しなければならないのか、ご存知でしょうか?
日本人の野菜摂取目安は1日あたり350g。
しかし、農林水産省の調査では野菜の消費量は減少傾向にあり、ひとりあたりの年間消費量は89kg(2016年の調査)。
1日平均では276.5gと、目標には届いていないのが現状です。
厚生労働省が2017年(平成29年)に実施した国民健康・栄養調査によると、年代・性別別の野菜消費量は以下の通りとなります。
- 20代男性………264.9g
- 20代女性………218.4g
- 30代男性………257.1g
- 30代女性………232.3g
- 40代男性………269.5g
- 40代女性………246.3g
- 50代男性………298.9g
- 50代女性………279.8g
- 60代男性………318.2g
- 60代女性………321.7g
- 70代以上男性…317.3g
- 70代以上女性…306.2g
こうしてみてみると、60代を除くすべての年代で、女性よりも男性の方が野菜を摂取していることがわかります。
しかし、どの年代も目標値である350gには届いていません。
野菜の摂取量が目標値に到達していないと、低栄養となり、これが今シニア世代において問題になってきているのです。
エネルギーの摂取量やタンパク質が足りず、疲れやすかったり、筋肉量が低下したりする高齢者は少なくありません。
炭水化物、タンパク質、脂質、無機質、ビタミンという5大栄養素は、バランスよく摂取しなければ健康だと言えません。
しかし、年齢を重ねるとバランスよく食べてはいても、食べる量そのものが減っているため、低栄養になりやすいのです。
キューピーが始めた大人の食育とは
こうした高齢者の食事事情を受けて、マヨネーズやドレッシングなどでおなじみのキユーピーが提案するのが「タマゴ」の摂取です。
実際にキユーピーでは高齢者向けの食育イベントを開いています。
この食育イベントは女性だけでなく、男性も積極的に参加するなど毎回盛況です。
サラダをベースにタマゴを加えたり、穀物を加えたりし、ドレッシングをかけ、野菜を一度しなっとさせる。
その後マヨネーズをかけて食べることで、野菜を食べやすくしながら、マヨネーズに含まれるタマゴなどの栄養を摂取する食べ方を勧めています。
参加者の60代男性は「食生活が単調になりがちなので参考になる。自分でもできそう」と話すほど、手軽で、味に変化をつけやすい料理が「サラダ」なのです。
こうしたイベントは低栄養への気づきを与える内容も盛り込まれています。
肉やタマゴ、緑黄色野菜や大豆など10の食品カテゴリを表にし、1日のうちに1回でも食べたカテゴリにチェックを入れていくと、バランスの偏りがわかる仕組みになっています。
スローネットでもたびたびお伝えしていますが、自立した生活が可能な健康寿命と、実際に亡くなる寿命までは男性で約9年、女性は約12年の差があり、10年前後介助を借りなければ生活できないことが今問題になっています。
こうした食育を通し、食事の栄養バランス、食べ方などを工夫することで健康寿命を伸ばすことができるのです。
キユーピーのイベントでは健康寿命を伸ばすための栄養バランスなどをしっかりと学ぶことができます。
もしお近くで開催されることがあったら、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか?
「何を」「どれだけ」食べたらいいの?
最後に何をどれだけ食べればよいのか? についてお伝えしていきます。
5大栄養素は「3大栄養素(脂質、タンパク質、炭水化物)」とビタミン、ミネラルに分けることができます。
摂取すべきエネルギーの目標比率は「タンパク質15%」「脂質20~25%」「炭水化物60%」となっています(いずれもエネルギー比率)。
エネルギー比率とはカロリーで考えた場合、なので、実際に食べる量の割合ではありません。
では実際どのくらいの摂取を目安にすればよいのでしょうか?
70代以上で必要な量を目安に見ていきます。
70代男性は1日の目標摂取カロリーが2,200キロカロリー、女性は1,750キロカロリーです。
この目標カロリーをベースに、先程の比率を当てはめていくと、70代男性の場合「タンパク質60g」「脂質20~30g」「炭水化物50~65g」「食塩8.0g未満」。
70代女性の場合は「タンパク質50g」「脂質20~30g」「炭水化物50~65g」「食塩7.0g未満」となります。
実際には個人差はありますが、概ねこの量が目安となるのです。
実際にこれをきちんと守るのは難しいですが、バランスよくこれらの栄養素を摂取したいですよね。
コンビニやスーパーなどでお弁当や惣菜を買うときや、レトルト食品などを購入する際は上記成分表が必ず表示されています。
成分表をチェックし、毎日に必要な量を計算すると良いでしょう。
このほか、自宅で料理を作る際は以下のサイトを参考に栄養の計算を行うと良いでしょう。
基本的に食材によって栄養素は決められています。
こうしたサイトを参考に、口にしたものを計算するのは体の健康だけでなく、頭の体操にもつながるのでオススメです。
子どもの食育よりも、シニア世代の食育のほうが大切です。
栄養素やカロリーといったデータを参考に、しっかりとした食事を摂ってみてはいかがでしょうか?
【料理教室のご紹介】
一流料理人のマンツーマン料理教室【RIZAP COOK】
-
2024年2月2日
-
健康・美容
めまいや頭痛の引き金に 気象病とその予防
低気圧が近づくと腰痛や関節痛がひどくなったり、季節の変わり目に片頭痛が出やすかったりしたことはありませんか? 天気の変化で不調を感じたら、それは「気象病」かもしれません。 「...
-
2023年11月17日
-
健康・美容
インフルエンザを予防しよう! 冬のウイルス対策
新型コロナ感染症も気になりますが、この時期気になるのが、インフルエンザ。毎年12月から3月の寒い季節に流行のピークを迎えます。予防するためには、手洗いやうがい、マスクの着用を徹底し...
-
2023年10月31日
-
健康・美容
けっこう怖い歯周病
11月8日は「いい歯の日」。日本では、30歳以上の8割もの人が軽度の歯周病との調査もあります。歯周病は口腔内の問題だけでなく、糖尿病など生活習慣病との因果関係も分かってきています。...
-
2023年10月20日
-
健康・美容
パープルフードを食す!
「パープルフード」を知っていますか? 紫色の天然色素が含まれているフルーツや野菜のことです。今、このパープルフードが、ダイエットや美容に良いといわれています。 パープルフ...
-
2023年10月10日
-
健康・美容
目のケアしていますか?
10月10日は目の愛護デーです。パソコンやスマートフォンなどの使用で、一日中目を酷使している人も多いのではないでしょうか? 目が疲れると仕事の効率が悪くなり、頭痛や肩こりも引き起こ...
-
2023年10月3日
-
健康・美容
姿勢に注意!猫背がもたらす危険性
猫背の原因の一つとして考えられるのが、パソコンやスマホを見ているときの姿勢。猫背は姿勢が悪いというだけでなく、集中力や内臓機能の低下にもつながるといわれています。意識して姿勢を正し...