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腸の若返りが脳を若くする

近年、腸内細菌が脳の機能に影響を与え、司令塔となって身体をコントロールしていることが分かってきました。脳を若々しく保ち、健康に過ごすために、腸内環境を整えましょう。

腸は第二の脳

脳と腸が情報を交換

先進国の多くで高齢化が進み、認知症が大きな社会問題となっています。認知症は脳の神経細胞が壊れることで起こる症状や状態で、日頃から脳細胞の障害を防ぐ生活を心掛けることで、発症リスクを軽減できるといわれています。その大きなカギとなるのが「腸」なのです。
腸は脳からの指令がなくても独自の判断で動けるため「第二の脳」と呼ばれ、およそ一億もの神経細胞を持ち、神経を通じて脳と密接に結びついています。ストレスを感じると腹痛を起こすなど、腸への影響は知られていますが、おなかの調子が悪いとイライラするなど、腸から脳へも影響を及ぼすのです。このように、脳と腸は相互に情報伝達・情報交換を行っており、腸は脳へ指令を出し、脳はこれに基づいて全身に指令を送っています。
腸の調子が悪ければ、細胞への栄養や水分の供給が滞りがちになり、脳細胞にも十分な栄養や水分が届かなくなるため、脳へのダメージにつながります。この状態が長く続くと、将来、認知症を発症するリスクが高まると考えられています。

腸で幸せホルモンが作られる?

「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンなどの脳内の神経伝達物質のもとは、腸内で作られます。それが脳に届くとセロトニンとなり、リラックスや幸福感などの感情を発生させます。腸内環境が良いと十分な量のもとが脳へ送られるため、セロトニンが増えて精神が安定しますが、腸内環境が悪いとセロトニンが足りず、気分の落ち込みや不安感の原因になります。
腸内細菌は心の健康に大きく関わっているため、健やかな生活を送るために、腸内環境を整えることが大切なのです。

腸内細菌が脳を育てる

免疫力をコントロール

免疫細胞の約7割が集中する腸には、消化吸収以外にも、全身をさまざまな病気から守る「免疫力」をコントロールするなどの働きがあります。この腸の役割を十分に機能させるために重要なのが腸内細菌です。
腸内細菌は主に大腸にすんでおり、健康な人の腸内細菌は、善玉菌20%、悪玉菌10%、日和見菌70%とされます。腸が老化すると善玉菌の数が減り、腸内細菌のバランスが崩れがちに。そこから悪玉菌が増えると、免疫力低下やアレルギー、花粉症、肌荒れ、無気力、疲労感などを引き起こします。

認知症患者で少ない菌が判明

近年の研究では、ある腸内細菌を与えたネズミの学習能力や記憶力が向上したという結果や、認知症の人は腸内のある常在菌の数が少ない傾向にあるという結果などが出ており、「腸内細菌が脳の発達や機能に影響を及ぼしているのでは」と考えられています。

若々しい腸を手に入れよう

排便で分かる腸の老化

実年齢と腸年齢は同じではなく、若くても腸年齢が高い人もいます。「バナナ状で臭いがほとんどない便」が出る人は腸内環境が良いといえます。便秘がち、便が細い、便やおならが臭い、といった人は老化が進んでいる可能性が高く、注意が必要です。偏った食事、運動不足、過度の飲酒や喫煙、ストレスなどの生活習慣が腸内環境を悪化させ、腸の老化を進める原因になります。若々しい腸を取り戻すために、食事や生活習慣を見直しましょう。

腸は食べる物と習慣で変えられる

以下の点を心掛け、理想的な腸内環境を目指しましょう。

  • 大腸のエネルギー源となる酪酸を産生する水溶性食物繊維を意識して取る
  • 納豆やヨーグルト、乳酸菌飲料などの発酵食品を取り入れて善玉菌を増やす
  • 朝起きたらコップ1杯の水を飲んで、腸のぜん動運動を活発にさせる
  • 適度な運動を心掛ける。一日20〜30分、9000歩程度のウオーキングで、腸と骨盤の間にある筋肉・腸腰筋(ちょうようきん)などが鍛えられ、排便力を高めることができる
  • 朝はいつもより30分早く起きるなどして、定期的な排便のためのリズムを作る

コメント
  1. 大変 参考に なりました。

  2. 86才の高齢になり、今の健康状態を保っていくのは、腸の好調と考えているので、我が意を得たりと思いました。散歩と腹式呼吸法に頑張ります。

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