第49回 夏場の下痢・嘔吐に梅
五味 酸
五性 平
帰経 肺・肝・脾・大腸
効能 生津止渇・助化調出
<バラ科ウメ>
●夏場の下痢・嘔吐に
ウメという名前は、古くから薬用とされていた烏梅(うばい、中国語読みでウーメイ)からと思われます。
「生津止渇(せいしんしかつ)」は水液を生じて渇きを癒すという意味です。
「助化調出(じょかちょうしゅつ)」は消化を助けて下痢や尿の出すぎを調節するという意味です。咳や汗の出すぎにも効果的です。
梅酒・梅シロップを作っておくと、夏季の胃腸炎による下痢、嘔吐の予防・治療に使えます。シーボルトも梅干を処方箋に記入しています。
烏梅(うばい)は未熟の青梅を燻製加工したものです。
五味 酸・渋
五性 平
帰経 肺・肝・脾・大腸
効能 渋腸止寫・和胃・固崩止血・生津止渇
日本の梅肉エキスは、青梅をすりおろし、絞った汁をゆっくり時間をかけて煮詰めたものです。効能も烏梅と同じものが期待できます。梅干と違って塩分がありませんから、塩分を気にされる方もこれを作って持っていると、海外旅行の折の下痢に便利でしょう。
北京でも、夏の飲み物として烏梅を抽出して飲んでいました。チフス・赤痢など腸の伝染病の予防と治療に使うことができます。渋の性質がありますので、肺虚による長く続く咳、脾虚による長く続く下痢、生理がだらだらと続くなどに効果が期待できます。
[レシピ] 青梅のピクルス
- 青梅(大)
- 1kg
- 大豆
- 1/2カップ
- 塩
- 100g
- 焼酎
- 少々
- (ピクルス液)
- 酢
- 3カップ
- 砂糖
- 300g
- 鷹の爪
- 3~4本
- ブラックペッパー
- 大さじ1
1.鍋にピクルス液の材料を入れてひと煮立ちさせ、冷ましておきます。
2.青梅を洗って、水分をよくふきとって、へたを取ります。
皮をできるだけ薄くむきます。
3.大豆は少し焦げ目が付く程度に乾煎りします。
4.ボールに梅を入れ、塩と焼酎をふりかけ混ぜます。すぐに水が出てきます。
表面の塩が溶けたら、余分の塩をふき取ります。
5.消毒した瓶に梅、ピクルス液、大豆を入れます。
以上は友人に教わったものを私流にアレンジしたものです。
梅の季節には梅干、梅シロップを作られると思いますが、このピクルスを作っておくと、溶液をサラダのドレッシングや酢の物に使えて、とても便利です。梅の香りのする上品な味です。
梅の皮はジャムにできます。
写真の液が赤いのは黒豆を使用したからです。黄大豆を使うと、透明な液になります。
常温で保存できますが、冷蔵庫へ入れておくと、梅をいつまでもカリカリの状態で食べることができます。
☆次回は豆腐の予定です。どうぞお楽しみに。
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