第42回 胃を丈夫にし、イライラを抑える蓮の実
<スイレン科ハスの種子>
●胃を丈夫にし、イライラを抑える蓮の実
蓮肉とも言います。台湾・中国本土に蓮子の甘納豆に似たお菓子があります。最近は日本でも見かけます。蓮の実は生のままでも食べられますが、一般には乾燥して売られていますので、柔らかく煮てお汁粉の中に入れるなど、デザートとしても使えます。肉と煮た料理も美味しくいただけます。滋養強壮になります。
「建脾止寫」(けんぴししゃ)は脾を丈夫にして下痢を止めるということです。
「養心安神」(ようしんあんしん)は精神の安定に働くという意味です。心の働きについては夏の養生でお話しましょう。
「益腎固精」(えきじんこせい)は腎に栄養を与え生殖器をきちんと働かせるという意味ですので、女性ではだらだらと生理が続くような症状に効果があり、男性でしたら遺精などによいでしょう。
蓮心(れんしん)は蓮子のさらに中にある芯(胚芽)で、きれいな緑色をしています。
五味 苦
五性 寒
帰経 心

荷葉(かよう)は蓮の葉です。
五味 苦
五性 平
帰経 脾・胃・肝
効能 清暑・昇清醒脾・化瘀止血
暑湿で頭がぼーっとする、尿が濃いという症状に、金銀花(きんぎんか)、西瓜皮(せいかひ)などと使います。清暑の作用は生のものが強く、乾燥したもの、焼いたものの順に止血作用が強くなります。もち米や肉を包んで蒸した料理は人気があります。香りがご飯に移って食欲が出ます。ハスの葉入りのお粥は淡い黄色が美しく、食後にすっとした気持ちがします。
荷梗(かこう)は葉柄で、とくに通気寛胸の作用があり、暑くてイライラする時に使います。
[レシピ] 荷葉蓮子鶏
- そら豆
- 150g(さや付なら400g)
- ウイキョウ
- 小さじ1
- 塩
- 小さじ1
- 酒
- 大さじ2
1.蓮の葉は洗って乾かす。干したものは温水につけて戻し乾かします。
4枚に切ります。
2.鶏肉は洗って1cm巾に切り、生姜スライス、ネギの斜めスライス、醤油、酒、砂糖、 塩の調味液に浸けておきます。
3.2の肉を熱したフライパンに胡麻油をひいて6分どおり炒めます。
4.蓮の実は洗って温水に浸けて戻します。硬いようでしたら、火にかけて柔らかく戻してください。
5.蓮の葉を広げ、表面に胡麻油を刷毛で塗って、鶏肉、蓮の実を交互に並べ、包みます。
6.蒸気のあがった蒸し器に入れて15~20分蒸します。
7.蓮の葉のよい香りがしてきたらできあがりです。蓮の葉を開いて食べます。
蓮の葉、蓮の実は中華料理の材料店にあります。近くに蓮の池があれば生のものが手に入ることでしょう。お試しください。
蓮の実、蓮の葉の効用が期待できます。脾・胃を滋養し、精神を安定させます。
蓮の実に収斂作用があり、下痢を止めるように働きますので、便秘気味の方は少しにしてください。
☆次回は、アロエの予定です。どうぞお楽しみに。
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