第48回 万病の薬「茶」
五味 苦・微甘
五性 微寒
帰経 心・肺・肝・腎・脾・胃
効能 袪風・清爽頭目・清熱降火・解暑・解熱毒・止痢・利水
<ツバキ科チャの若葉>
●万病の薬「茶」
12世紀、栄西が種子を持ち帰ってから日本に広まりました。
帰経を見てください。五臓全てに入ります。万病の薬として伝わったわけがわかりますね。現在では血液の循環をよくし、血中コレステロールの上昇を抑えると言われています。消化を助け食中毒予防効果もあります。
薬と農業の神とされる「神農」(しんのう)は、野山を歩いて日々あらゆる植物を舐めて人体への効用を確かめたと言われていますが、一日の最後にお茶を飲んで、毒消しに使っていたそうです。その仕事は後に「神農本草経(しんのうほんそうきょう)」(後漢時代)となりました。
中国茶の種類の多さには驚きます。それぞれが独特の香りと味を持ち、豊かな歴史と文化を感じます。製法により、緑茶(龍井茶(ろんじんちゃ)など)、白茶、黄茶、青茶(烏龍茶など)、紅茶、黒茶(普洱茶(ぷーあーるちゃ)など)の6種に分類されています。
中国茶を買われるときは、どの種類に属する茶葉かを知って、淹れ方も聞いてください。高価なものですので、どうぞ大切に味わってください。
日本へ渡ってからは繊細な日本文化に育まれ、茶道にまで発展して現代に伝わっています。日本の風土と日本人の体にあった飲み物として育ってきたものと思われます。
[レシピ] 緑茶と蝦の炒め物
- 蝦
- 250g(写真は白蝦)
- 茶葉
- 大さじ1(写真は中国の緑茶)
- 長ネギ
- 5cm
- 生姜
- 1/2片
- 油
- 片栗粉
- 塩・胡椒・酒
- 好みのスープ
- 50ml
1.蝦(エビ)は殻をむいて背わたをとり、酒・片栗粉それぞれ大さじ1を振りかけて揉みます。
背わたをとるときに背に切れ目を入れると、火を入れたときに丸くなって綺麗です。
片栗粉で揉んでおくと汚れが取れます。
2.さっと水ですすいで、塩・胡椒少々、片栗粉大さじ1を振りかけて冷蔵庫に入れておきます。
3.ネギ・生姜をみじん切りにします。
4.スープに、酒大さじ1、塩、胡椒、片栗粉それぞれ少々を入れて用意します。
5.茶葉に大さじ2の熱湯を入れて蒸らしておきます。
6.蝦を冷蔵庫から出し、180度に熱した油に通してよく油を切ります。
7.中華なべに油小さじ1を入れよく熱したあと、ネギ生姜を入れ、続けてスープ、茶葉(湯ごと)、蝦を入れてあおるようにしてからすぐに火を止めます。
蝦の甘さと茶葉のほろ苦さが、ちょうどよいハーモニーなのに感心します。蝦の火の入れ加減が難しいです。
龍井蝦(ろんじんえび)という有名な料理の作り方を参照しています。龍井茶は中国の緑茶の中でも、味と香りともに優れた茶葉として有名です。手に入りましたら、ぜひ龍井茶でお試しください。新芽の生のもので作ることができたら、さぞ美味しいだろうと想像します。
☆次回は梅の予定です。どうぞお楽しみに。
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