噛む「回数」より大切なのは「効率」　メタボになりにくい食べ方があった

どれだけ細かく砕けるか

「食べるときにはよく噛みましょう」と言われます。でも、ただ単にたくさん噛めばいい、というわけではありません。食べ物を効率よく噛む力、「咀嚼（そしゃく）能率」が高いかどうかが重要です。

新潟大学や大阪大学、国立循環器病研究センターの研究グループは、大阪在住の50～70歳代の男女1780名を対象に、研究用のグミゼリーを30回噛んでもらい、どれだけ細かく砕いたかを測定。その細かさに応じて、「咀嚼能率が高い」「普通」「やや低い」「低い」にわけました。さらに、メタボ健診も実施し、咀嚼能率とメタボの関係を分析しています。

歯の健康にも気を使おう

その結果、「咀嚼能率が高い」人に比べ、「やや低い」人は1.46倍がメタボと判定されました。噛んだ回数は同じでも、細かく噛める人がメタボになりにくいわけですね。

ちなみに「低い」人は1.21倍。「やや低い」人より高リスクになっています。これについて、研究チームは「咀嚼能率が下がりきって、うまく噛めなくなる前に、メタボのリスクになる食生活に変化しているのではないか」と推測しています。

咀嚼能率は顎の筋力だけでなく、歯がそろっているか、丈夫か、など歯の状態によっても大きく変化します。血圧や血糖、血中脂質などを気にしている人は、歯の健康状態も気にかけましょう。