【けんこう歳時記】――6月15日 夏こそ生姜で冷え予防
1300年の歴史ある「生姜神社」
ピリリと辛い生姜。冷奴や刺身の薬味、お寿司のガリ、カレーの香辛料など、独特の辛みで料理にアクセントを与えてくれる名わき役です。スープや紅茶に入れると生姜の香りが立ち、飲むと体がぽかぽかと温まります。
3世紀ごろに中国から伝わった生姜は、体によい食材として人々の生活に取り入れられてきました。石川県金沢市には712年に創建され、日本で唯一、香辛料の神様を祭る「波自加彌(はじかみ)神社」があります。「はじかみ」とは生姜の古名で、「歯で噛んで辛いもの」を意味します。奈良時代に干ばつが続き、雨乞いをしたところ、神社近くから霊水が湧いたことから、神への感謝の供え物として生姜が献じられました。以来、感謝の祭りが行われた6月15日には毎年「はじかみ大祭(生姜祭り)」が開かれ、参拝客には霊水を使った生姜湯がふるまわれます。
この日にちなみ、生姜入りの即席スープや缶入り飲料などの商品をシリーズ展開している永谷園は、6月15日を「生姜の日」に制定。社内に「生姜部」を立ち上げ、生姜の試験栽培や研究を続けています。
抗酸化力高くがん予防効果も
生姜の辛みは、主にジンゲロールとショウガオールという成分によるものです。永谷園の「生姜部」ウェブサイトによると、「最初のピリッとした辛さがジンゲロールで、あとからじんわりとぽかぽかくる辛さがショウガオール」だそうです。生の状態ではジンゲロールが多く、保管したり加熱したりすると、ジンゲロールがショウガオールに変化します。
いずれもポリフェノールの一種で、冷えを改善したり、エネルギー代謝を促したりする作用があることが報告されています。とくにショウガオールは抗酸化力が高く、米国立がん研究所が選んだがん予防効果のある食品「デザイナーフーズ」のリストにも入っています。
冷房がきいた室内に長時間いると、体が冷えて血行不良になり、貧血や肩こり、腰痛などさまざまな不調を招きます。夏こそ生姜を取り入れて、冷えを予防しましょう。
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新生姜が出始めると
紅ショウガをスライス
梅酢につける頃
暑さに向かい
紅色が目に鮮やかに
日本の食文化は
奥深いですね~^^