【けんこう歳時記】7月12日―「人間ドック」で年に一度の定期点検

詳細な「検査パック」

7月12日は「人間ドックの日」です。1954年のこの日、国立東京第一病院（現・国立国際医療研究センター）で、日本で初めて人間ドックが行われたことにちなんでいます。当初は「短期間入院特別健康精査」という呼称でしたが、同年9月に新聞紙上で、体に異常がないか調べることを、船が港のドックで定期点検を行う様子に例えて「人間ドック」という言葉が使われて以来、この呼び名が定着したそうです。

病気がないかを調べるという意味で、人間ドックも健康診断のひとつですが、生活習慣病の予防を中心とした一般的な健診と比べ、がん検診なども含めて、より多くの臓器を対象に詳しく調べるのが特徴です。そのため、一般の健康診断と比べて料金は高くなりますが、自治体によっては一部補助が受けられるケースもあります。

また、一般の健康診断では結果が後日郵送されることが多いのに対し、人間ドックでは当日に医師による説明があること、生活改善や治療のアドバイスなどの保健指導を受けられることなどがメリットです。

日帰りから3日間ドックも

人間ドックの料金や検査内容は、各医療機関が自由に決められるため、施設によって異なります。そこで、検査の質を保証するため、日本人間ドック学会では審査基準を設けて評価を行い、認定した施設を同学会のウェブサイトで公開しています。

基本のコースは、日本人間ドック学会と健保連が定めた基本項目に沿ったものですが、脳ドックや骨粗しょう症ドックなどのオプションの有無や、施設によって設備、検査内容が異なり、期間も日帰りから3日間以上と幅があります。

リタイアして、職場の健康診断を受ける機会がなくなる60代以降は、年代が上がるにつれて受診率が下がる一方で、がんや心臓病、脳卒中など、さまざまな病気のリスクは上昇します。早期発見には、年に一度の健診が欠かせません。より詳細な検査を望むなら、この機会に、人間ドックを検討してはいかがでしょうか。

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