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【けんこう歳時記】4月7日――シニアの「うつ」は気づきにくい

世界で3億人が苦しむ

4月7日は、「世界保健デー(World Health Day)」です。1948年の4月7日に世界保健機関(WHO)が設立されたことを記念して、この日に制定されました。毎年、国際保健医療に関するテーマがWHOによって選ばれ、世界各国でさまざまなイベントが開催されます。

2017のテーマは「Depression: Let’s talk!」(うつ病:一緒に語ろう!)。WHOの最新統計によると、世界でうつ病に苦しむ人々は、2005年からの10年間で18%も増加し、3億人を超えています。

日本も例外ではありません。厚生労働省の患者調査(平成23年度)によると、精神疾患により医療機関にかかっている患者数は、平成8年からの15年間で100万人以上も増え、320万人にのぼります。そのうち、気分障害(うつ病・双極性障害など)は95万8千人。うつ病の好発年齢である高齢者が増えていることなどが背景にあると考えられています。

受診時は心の状態も伝えよう

高齢者のうつ病は、体力や気力の衰え、親しい人との死別、子どもの独立、退職などによる社会的役割の喪失といった「喪失体験」に加え、一人暮らしによる孤独感が原因となることが多いと考えられています。

また、他の年代と比べ、抑うつ症状などの典型的なうつ症状を示す人が少なく、めまいや頭痛、耳鳴りなどの不定愁訴や、「物忘れが増えた」など記憶力に関する主観的な訴えが多いのが特徴です。このため、身体的な症状や認知症と区別がつきにくく、見落とされがちなことが問題となっています。

「年のせい」とうやむやにしてしまったり、受診しても身体的な症状だけを訴えて、精神的な症状については伝えなかったりするケースが多く、治療が遅れてしまうことも少なくありません。気になる症状があるときは、体だけでなく、心の状態についても、医師に伝えるよう心がけましょう。

 

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