【けんこう歳時記】1月30日――海を越え進化する「おふくろの味」
良質なたんぱく源
日本人の「おふくろの味」といえば、みそ汁。毎月30日は「みそか」と読むことから、全国味噌工業協同組合連合会が定めた「みその日」です。
みそは代表的な発酵食品です。「みその医者ごろし」「みそ汁一杯、三里の力」などのことわざに見られるように、昔から健康に良い食品として愛されてきました。
原材料は大豆、麹、塩、水。麹の種類によって米みそ、麦みそ、豆みそ、2種類以上の麹やみそを混ぜた調合みそに分かれます。中部地方は豆みそ、九州や四国の一部では麦みそが多く、そのほかの地方では米みそが主流です。
主原料の大豆はたんぱく質の宝庫。アミノ酸のバランスに優れ、酵素の働きによって消化吸収されやすいことが特徴です。また、大豆の脂質には、不飽和脂肪酸のリノール酸が多く含まれ、老化防止や生活習慣病予防など、健康への効果が期待されています。
みそ汁にニンニク?
具のバリエーションが豊富で、野菜や海藻、きのこなど不足しがちな食品を補うことができるのもみそ汁の魅力。豆腐やワカメ、油揚げなどが定番ですが、魚介類や肉類を入れるなど、地域によって特色が見られます。
ちなみに、「いらない具」ランキング1位はひじき(Jタウン研究所調べ)。見た目や食べにくさが敬遠される理由かも…?
近年、国内のみそ購入量が落ち込む一方、海外での和食人気の高まりから、輸出量は年々増加傾向に。米国を始め、欧州やアジアでも需要が高まっています。
ウェブで「Miso soup」と検索すると、だしの代わりにチキンスープを用いたり、シイタケの代わりにエリンギやマッシュルームを入れたり、手に入る食材で上手に代用しているようです。なかにはエビとブロッコリーなどの斬新な組み合わせや、ニンニクやハーブで風味をつけたものも…。
おふくろの味は食文化に合わせて進化しています。海外へ行けば、日本人の常識を超えた新しいMiso soupに出会えるかもしれません。
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