高齢者が「肺炎」にならないために ワクチン接種に予防効果アリ
肺炎は感染源が多様
高齢者の死因で常に上位にあるのが「肺炎」です。細菌やウイルス、寄生虫など、原因となるものはさまざまですが、高齢者やインフルエンザ患者、風邪をひいている人など、抵抗力が落ちている状態で発症しやすくなります。
中でも「肺炎球菌」と呼ばれる細菌に感染して発症する例が3割以上にのぼります。そのため日本では、2014年から65歳以上を対象に、「肺炎球菌ワクチン」の定期接種がおこなわれています。
このワクチンは、90種類以上存在する肺炎球菌のうち、特に感染例の多い23種類を対象としたものです。世界的に使用されていますが、どの程度予防効果があるのでしょうか。
ワクチン未対応の菌も予防していた
長崎大学の研究者らが、全国4県で肺炎と診断された65歳以上2621人を対象に、ワクチンの接種状況や、感染した細菌の種類を調査しました。
ワクチンを接種していた人は、ワクチンが対応していない肺炎球菌も含めた、すべての肺炎球菌による感染を27.4%抑えていたことがわかりました。
ワクチンが対応している肺炎球菌に限定すると、33.5%抑えており、もし日本の65歳以上の人全員がワクチン接種をおこなった場合、年間10万人の患者を減らすことができるそうです。
また、男性よりも女性で、75歳以上よりも75歳未満で効果が高い傾向にあることもわかりました。
感染率の高い病気に対し、一定の予防効果が期待できるワクチン接種。まだ接種していないという方は、検討してみては。
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