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【賢者の養生訓】牧野富太郎と森林浴

山歩きが94歳の長寿を保った

日本植物学の父と呼ばれる牧野富太郎博士(1862-1957)は、94年の生涯において40万枚もの標本を収集し、1,500種類以上の新種や新品種の植物に名前を付けています。

現在のように交通が発達していなかった時代に、自らの足で日本全国をくまなく歩き、膨大な量の標本を収集したことに驚かされますが、植物への並々ならぬ情熱と健康な身体があったからこそ成し遂げられた偉業でしょう。

85歳の時、健康法について聞かれ、「私は体が至って健康な故に、別に養生訓というものに、ついぞ注意を向け心を労した事がありません」と答えていますが、幼い頃は身体が弱く周りを心配させたと言います。植物採集で野山を歩きまわったことが丈夫な身体を作り、94歳という長寿に繋がったのかもしれません。

森林浴がNK細胞を活性化する

牧野博士が「草木に対していれば何の憂鬱も煩悶も憤懣もまた不平もなく」と言ったように、森や林を歩くと心が癒され健康に良さそうだということは、経験的に知られていました。昔から、保養のために山や森へ出かけるということは行われていましたが、現在は、森林浴のもたらす健康効果が科学的にも実証されています。

 

(独)森林総合研究所が行った研究では、3日間の森林浴によって、がん細胞やウイルス感染細胞などを見つけて攻撃するNK(ナチュラルキラー)細胞の活性が高まることがわかり、森林浴の医学的効果が解明されました。

研究は、東京に住むストレス状態にある男性グループ、女性グループに2泊3日の森林浴を行ってもらい、その効果を調べたもの。初日は2時間、2日目は午前と午後にそれぞれ2時間ずつ森林の中を歩き、血液中のNK活性を測定した結果、ほとんどの人が森林浴前に比べて森林浴後にNK活性が高まっていました。

さらに、嬉しいことに1週間後もNK活性は高いまま持続し、1カ月後でもある程度免疫機能が持続するということです。

そろそろ植物も芽吹く季節、少し足をのばして、森林浴に出かけてみてはいかがでしょう。

 

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