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【賢者の養生訓】笑いこそ万能薬「チャップリン」

笑いがあれば、人生乗り切れる

チャールズ・チャップリン(1889-1977)の映画は、5歳の子どもも笑うし、80歳のお年寄りも笑うと言われます。山高帽に窮屈な上着、だぶだぶズボンにドタ靴を履き、ちょび髭をはやしてステッキを持った独特の風貌が生むおかしみ、パントマイム芸の滑稽さが、観客に安心して笑える雰囲気を提供しているのでしょう。

資本主義を批判的に描いた『モダン・タイムス』や、ナチスを批判した『独裁者』など、政治的メッセージの強い作品も、そのメッセージを「笑い」にくるんで表現しています。

「ユーモアはまた人間の生存意識を高め、健全な精神をささえる」と言うチャップリンは、直接的なメッセージよりも、「笑い」にくるんだ方が、観客の心の深いところに届くと考えていたのかもしれません。

「ユーモアがあればこそ、人生の有為転変も、比較的軽く乗りきれるのだ」とも。チャップリンは、「笑い」は人の心を癒す万能薬だということを、よくわかっていたのでしょう。

笑いは免疫や脳にも影響

さらに、「笑い」は、心だけでなく身体の健康にも効果があるということが、近年の研究で明らかになりつつあります。

英国の研究グループは、1946~2013年に発表された785件の研究を解析して、笑いのメリットを検討し、「笑い」には、「血糖値を下げる」「免疫力がアップする」「血圧を下げる」などの効果が認められると報告しています。(2013年 ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル)

また、認知機能への影響があることも明らかになっています。福島県立医科大学の大平哲也教授らが、大阪府の住民で循環器科を受診した65歳以上の男女2471人(平均年齢59歳)を対象に、2007~2009年にかけて行った、笑いの頻度と認知症の関連についての調査によると、認知機能の低下していた人のうち、笑う機会の「ほとんどない」人は「ほぼ毎日笑う」人に比べ、男性で2.1倍、女性で2.6倍認知症になるリスクが高かったということです。

「無駄な一日。それは笑いのない日である」とチャップリンも言っているように、心身ともに元気でいるために、毎日、意識して「笑う」ようにしたいものです。

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