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【けんこう歳時記】3月24日――長引く咳や微熱…結核かも!

死亡者数はエイズに次ぐ2位

毎年3月24日は、世界保健機関(WHO)が制定した「世界結核デー」です。1882年のこの日、ドイツのロベルト・コッホ博士が結核菌を発見したことにちなんでいます。

世界では、総人口の約3分の1が結核に感染していると言われ、単一の感染症としては、エイズに次いで2番目に死亡者数が多い疾患です。

日本でも、結核は、明治時代から昭和20年代まで「亡国病」として恐れられてきました。その後、医療や生活水準が向上し、薬で完治できるようになった現代でも、毎年、新たに1万8000人以上が発症し、2000人以上が亡くなっています。

結核は、結核菌によって、主に肺に炎症を起こす病気です。咳や痰、発熱など風邪のような症状が多く見られますが、肺以外の臓器が冒されることもあり、腎臓、リンパ節、骨、脳など身体のあらゆる部分に影響が及ぶこともあります。

結核と診断されても、医師の指示にしたがい、毎日きちんと薬を飲めば治りますが、治療の途中で服薬をやめると治らないばかりか、菌が抵抗力をつけ、薬が効かない「多剤耐性菌」になることもあります。

高齢になって発症する人が増えている

結核は、咳やくしゃみなどによって空気感染しますが、感染しても必ず発症するとは限りません。

人が生まれてはじめて結核菌を吸い込むと、10~15%の人は1、2年以内に発症しますが、それ以外の人では、菌は冬眠状態で体内に留まります。加齢などによって抵抗力が落ちると、冬眠していた結核菌が活動を始め、発症することもあります。

近年では、新たに結核と診断される人のうち、60歳以上が7割を占め、結核患者の高齢化が進んでいます。これは、かつて結核がまん延していたころに感染し、高齢になって発症した人が多いためと考えられています。

結核は「過去の病」という認識から、受診や診断が遅れることも。咳が2週間以上続くときや、痰やだるさ、微熱などの症状が長引くときは、風邪ではなく、結核かもしれません。必ず医療機関を受診しましょう。

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