がん10年生存率、58.8％　最新調査でわずかに改善

昨年から0.3％しか改善していない？

国立がん研究センターが、昨年から発表している「がん10年生存率」の最新調査結果を発表しました。

2000～2003年にかけて、代表的な16種類のがんと診断された患者4万5000人を、10年間追跡し、現在の状況を調査するというものです。

2016年にはがん全体の10年生存率が58.2％でしたが、最新版では58.5％とやや改善が見られました。

あまり高くないと思われるかもしれませんが、同センターは、今確認されているデータは15年近く前のがん治療の結果によるものであり、治療法が進歩している現在の生存率は大幅に改善すると分析しています。

早期発見が何より重要

がんの部位別では、10年生存率が最も高かったのは前立腺がんの94.5％。次いで甲状腺がん89.3％、子宮体がん81.9％、乳がん81.7％でした。

反対に、生存率が最も悪いのはすい臓がんで、わずか5.1％となりました。肝臓がんも16.4％、胆のう・胆道がんが17.3％、食道がんは29.4％となっています。

ただし、これらの生存率が悪いがんも、細かく見ると年々改善されているようです

また、同センターによると、部位に関わらずがんが早期発見され、初期に治療を開始した人ほど生存率は高く、定期的ながん検診が何よりも重要だとコメントしています。

＜こちらの記事もおすすめ＞
・がん死亡率、10年で16％減少　肝臓・胃がんは大幅減、子宮頸がんは増加
・日本は世界1の長寿国ではなかった　女性86.4歳で2位、男性79.9歳で8位