身長の低い人ほど虫歯になりやすい？　国立がん研、日本人を対象に調査をしてみると…

身長は健康状態の重要な目安

外見から健康状態を判断する目安のひとつとなるのが、身長です。海外で行われた研究では大腸がんや乳がん、血管の病気などと関係があると報告されており、身長の低い人ほど乳歯や永久歯のむし歯になるリスクが高いことも報告されています。

では、日本人でも同様の傾向があるのでしょうか。国立がん研究センターの研究者らが、1990年から追跡調査に参加し、歯科健診記録を取っていた40～59歳の男女1518人を対象に、身長の高さ別にグループ分けし、歯の本数との関係を分析しました。

年齢や喫煙、糖尿病の既往、BMI、飲酒、ストレス、出産回数（女性のみ）、甘いお菓子や飲み物の摂取頻度、かかりつけ歯科医の有無、歯の清掃状態など、歯に影響を与える可能性のある条件はすべて調整しています。

男性のみ身長と歯の本数に関係が

その結果、男性では身長の一番低いグループで身長の一番高いグループに比べ約2本歯の本数が少なく、前歯と奥歯でそれぞれ約1本ずつ少ない結果となりました。

また有意な差ではなかったものの、自分の歯が24本未満となるリスクは、身長が低いグループほど高くなる傾向にあったそうです。一方、女性においては身長と歯本数に関係は見られませんでした。

研究者らは食生活の乱れや低栄養状態が低身長やむし歯のリスクを高めるためではないかと推測。さらに、「低栄養状態は唾液の量や質を変化させ、むし歯への感受性（なりやすさ）を高めるとも考えられる」とコメントしています。

なぜ男女差があるのかなど不明な点が少なくありませんが、背が低い男性にとっては気になる調査結果ですね。

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